「漢方210処方生薬解説」の本やその他の本

20050714_shoyaku.jpg先月、都内のS大学にお邪魔したんですが(ここにホンのちょっとだけ書いてますけど、本当にほんのちょっとだけですね)、その時に会ってくださったHさんから、数週間前に送っていただいた本を紹介しようと思います。「漢方210処方生薬解説」という本です。これはHさん(本当はH先生なんですけど、ずーっとHさんと呼ばせていただいていたので、なんとなく変えることができないんです)が所属していらっしゃる研究室のI教授の著書(共著)なんですけれど、Hさんも中にある素晴らしいイラストをたくさん手がけられたということで、高価な本なのに送っていただいたんですね。

Hさん、I先生、本当にありがとうございます。いろいろと興味深く読ませていただきました。最初はパラパラと見ていたのですが、生薬について勉強する機会なんて滅多にないんだし、と思い直して今はちゃんとしっかりひとつひとつ読んでいます。今半分くらいまで読んだかな、というところ。本当は全部読ませていただいてからここでも紹介を、と思っていたんですが、あまりに勉強不足で「そうなのか!へぇ!」と思うことばかりだし、一般の方が家に一冊持っていてもかなり使えるんじゃないかと思ったし、ということで今日ここで紹介しておくことにしたのでした。

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さりげなさの文学

日本に、しかも高校卒業まで毎日過ごしたこの自宅に、こんなに長く滞在するのも久しぶりのことで、まるで高校以来時がとまったままのような自分の部屋で、ときどき目覚めの時なんかに、寝ぼけた頭でかなり混乱することがあります。あれ、私なにしてるんだっけ、という感じ。そして私は特に、「読書好き」というよりは、「書籍所有好き」なので、部屋をぐるりと見渡す限り、ミッチリと、私が若い10代だったときにお小遣いをためて買ったたくさんの蔵書があるので、それはもう、まさに、私の「青春」そのものといった感じの部屋にいると、さらに自分ワールドに入り込んでいきます。
そして今日私はひとつの法則を見いだしました。ハードカバー、単行本、文庫本、巨大絵画集、などいろいろな形態の私の本が、それはもう、まるでひとつの芸術のように私の部屋にところせましと並べられているのですが(私が大学へ行くために家をでて以来、私の父がコツコツと私の蔵書を著者名や種類などにそって、分類、整理したらしいです。それはもう、信じられないほど美しい眺めです)、実はこの、様々な種類の本の中でも、どうやら私に「再読」されがちな本には共通点があるらしいのです。

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また読書記録

先日に続いてまた忘れないうちに。まずは初読のものから。「対岸の彼女」角田光代:ご存知直木賞受賞作。母がテレビで見たりコラムで読んだりする彼女は好きだというので思い切り影響されて買いました。文章はすごく丁寧なのにユニークで、不思議な感じ。描写も丁寧だし、時空枠を超えた展開は、すごく混乱しそうなのに、引き込まれて行く感じで「技能」的でした。テーマは帯にあった「働く女vs主婦」という感じではなくてもっと根本的な感じ。女だったら誰でもいつか苦く暗い思いで体験したことのあることがテーマなのでちょっぴり暗くなるかも。そして「あんなことたいしたことじゃなかったなぁ」と今笑っちゃえる自分がすごく嬉しい。意外に細い糸の上の綱渡りのようなものだったのかもしれないのに。”There is a very thin line between…”という言い回しをふと思い出しました。私にとってはトピック的に大絶賛、とまではいかないけど読んでも絶対損じゃない、そういう本でした。えらそうですみません。

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The Girl who Married a Lion: and other tales from africa

20050421_thegirlwhomarriedalion.jpgThe Girl who Married a Lion: and other tales from africa (Alexander McCall Smith)
今日読んでしまったんですが、これはThe No.1 Ladies’ Detective Agencyシリーズの作者が20年前から収集していた、アフリカのボツワナとジンバブエで語り継がれている子供用の短いお話を集めた短編集です。ひとつのお話が3ページから10ページ程度なので、ぱらぱらと気分が乗ったときに読んでいたんですが、良いとか悪いとかじゃなくて、こういうお話がアフリカではおばあちゃんから母へ娘へ、子供達へ、と伝えられてるんだなーと思うととても感慨深いです。脈絡のない、四方八方に広がっているお話の数々なので、心を打つとかそういう本ではないんですが、当然のようにライオンや象が普通の登場人物(動物)として出て来たり、あっさり人がライオンに食べられたり、「そういうものだ」と思いながら読まなくてはいけなくてそれがちょっとした心のトリップといった感じ。私は嫌いじゃないです。日本でも赤鬼とか青鬼とか普通に話に出て来て村人を虐殺したり村人と仲良くしたりしますよね。ああいった感じ。笑ったのは、「臭い女の子に親切だったおばあさんの話」。その女の子、臭すぎて両親に見捨てられるんです。ウケる。可哀想だけど。そして冒頭にラモツエさんからのメッセージがあるのもほんわかな感じでした。コーヒーテーブルブックとしてもおすすめかも。
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The Broker

20050301_thebroker.jpgThe Broker (John Grisham)
先々月(1月)に新刊が出ていたので読むことにしました。表紙カバー中折りを読む限り、今回は南部じゃない気配なのでちょっと寂しいのですが、どうなることやら。どこかで南部が出てくる事を期待しようと思います。CIAとか出てきそうなのでどちらかというと壮大なお話っぽいですね。楽しみ。
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マイケルクライトンの”State of Fear”(邦題は未定)を読み終わったので感想を書いておきました。興味がある方はどうぞ