メタボラ:日本の若者のリアルか

メタボラ(桐野夏生・2007)

このブログエントリーはどうやら2010年ごろに書き始めたようですが、結局書き終わってなかったので今頃発見して10年ぶりに日の目を見ることとなっています。イタリアに住んでいた時に読んだようですが、恐ろしいことに、読後の微妙に嫌な気持ちと、時事問題盛り沢山の内容に「ほんと?」と思う自分の気持ちしか覚えていません。記憶ってなんだろう。科学の本とかだと割と細かいところまで覚えているのに。で、以下は10年前の私の文章です。すごく尖っていて、今の私の考えと違うところもあるけれど、これはこれで10歳若い私が面白いのでこのまま載せます。

今日はボルゲーゼ公園にブランケット持って昼寝&読書に出かけてきました。風がずーっと吹いていてすごく気持ちよかったです。日本から暇つぶしのために何か長編を、と思って目についたこの本を買っておいていたんですが、ずっと手をつけていなかったので、この際読んじゃおうと、水筒に入れたアイスティー+ハニーを片手に、芝生でゴロゴロしながら今日読みました。文庫本で上下巻。本の感想なんですが、私本当に非常に恐れ入るくらいにまったく知らなかったんですけれど、こういうのが「現在の日本の若者の現実」みたいな感じになってしまっているんでしょうか。いやもちろん、さまざまな事件などのニュースを見たりその若い犯人像を知ったりする段階で、こういったことが最近問題になっているということは知っていたんですが、まだまだマイノリティだと思っていたんですがメインストリームになりつつあるんでしょうか。私は幸せにもこの世界をカケラも知らないって思ってしまいました。これは幸運にも愛情たっぷりに甘やかされて育った私の勝手な感想であると痛いほど分かってるけど、もしこういう若い人たちが日本に思った以上にたくさん存在してるとして、そして実際これに書かれているような理由で結果、辛い人生になってるとしたら、やっぱり厳しいようだけど、どう考えても甘い&弱い。

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弁護士ダニエル・ローリンズ

弁護士ダニエル・ローリンズ(2018、ヴィクターメソス):日本語訳で読みました。なぜ買ったかというと、まずベストセラーであるらしくいろんなところで書評を目にしたというのがもちろん一番ではあるのですが、「ハヤカワミステリ」シリーズであることと、杉田比呂美さんのイラストであることが、実は私にとっての二大要素です。いわゆるジャケ買いというやつですね。今までこういう感じで買って好きになったシリーズにマイクルリューインの「A型の女」から始まるアルバート・サムスンシリーズがあります。吉永南央さんの「萩を揺らす雨」など7冊出ている草さんシリーズも好きです。こうしてみると個性の強い正義感の強いミステリが私好きなんですね。全部杉田比呂美さんのイラストつながりでもあります。

また、電子書籍は出さない宮部みゆきさんの杉村三郎シリーズも実は杉田比呂美さんのイラストですよね。しかも、最新の2018年に出た「昨日がなければ明日もない」を買ったときに挟んであった書店の宣伝リーフレットに書いてあったんですが、宮部みゆきさんは上記のマイクルリューインのアルバート・サムスンにインスパイアされてこのシリーズを書き始めたというんですね!私の中で勝手に「なんと!やはり!」となりました。あ、どんどん話が横道に逸れていきますね。で、このダニエルさんなんですが、舞台がソルトレークシティなんですね。私も一度だけ行ったことがありますが、全体的にいろんな意味で町が真っ白でなんだか不思議なところでした。Aさんも一緒に行ったんですが、私たちは当然アジア人の風貌なのでなんとなく肩身が狭い気もしたし、誰もそんなこと気にしてないような感じもしたし、なんともいえない感じ。でもやっぱりこのミステリもそういった口に出さない感じの人種問題に触れていました。

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アンドロメダ病原体


アンドロメダ病原体(1969、マイクル・クライトン):このブログの記録によるとこの本は父の書斎から見つけ出して中学生くらいの頃から何度も読んでいるようですが、先月夫のAさんとお話ししている時に話題になって、また気になって再読(電子書籍で)しました。そして今回、全く違うとまではいかなくてもそれなりに違う角度で読んだ感覚が残ったので書き留めておこうと思いました。やはり一番衝撃的な事実は相変わらずで、これが1969年に書かれた本であること、そして事実や創作、嘘や真実が混在しているように狙って作られていることを鑑みて足したり引いたりした上で、なんと、このほぼ全てが精密な創作であることです。初めて読んだときはその収束のあっけなさにかなり置いていかれた気分になったのをはっきりと思い出します。読了直後に焦って、もう一度全部を詳細に渡って読み直したのも覚えているので、衝撃もかなりのものだったと思います。そもそも短い小説だし、しかもたったの5日間を描いたものであるので、あっという間に読んでしまうのもあるんですが、いわゆるページターナーなので章の最後に「えっ?」と思うような伏線が忍ばせてあるテクニックもあって「私何かを見落とした?」と読後に思ってしまったんですね、きっと。なるべくネタバレしない程度に私の感想続きます。

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この夏はテニス、ラグビー、そして和書読書

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夏だけではなく、最近どハマりしているのがテニスです。上の写真はインスタに載せて家族に見せようとカッコつけた写真ですがバンコクはいつでも酷暑なのでこうしてエアコン完備の室内コートで週に1回(とはいえ出張などがあるので実質週に2回になっています)頑張ってやっています。大雨でも風が強くても影響を受けないインドアいいですね。シューズとラケットは懐かしのアンディーロディックが愛用していたバボラ。このラケットはピュアドライブでもライトで、なんと270グラムしかなくてすごく楽です。赤いキャリーはもはや15年以上前になるけれどあまりにも安くて可愛かったので旅先のラスベガスで爆買いしたもの。この他にもアニマルプリントも買って、母と姉が愛用していました。ラケットを入れる部分が安定していて2本余裕で入るラケットポケットが2個ついている優れものでした。ただ、流石に15年の年季でプラスチック部分が劣化してしまっていて、最近FILAの似た様なキャリーに替えました。ペットボトルの水を、1時間半のレッスンの間でも冷たさを保ってくれるのはソニプラで買った、スヌーピーの柄の保温機能付きペットボトルカバー。優れものです。

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