La Cena

la_cena.jpg

La Cena (1998), (B)
イタリア語でLa Cenaは英語だと”The Dinner”でズバリ、「夕食」あるいは「ある夜の夕食」のような感じです。邦題は「星降る夜のリストランテ」だそうです!全然違う!とはいえ、良いタイトルだとは思うんですが、あまり映画を象徴しているとはいえません。最後の場面を見てそういうタイトルに行き着いたのかもしれませんけどね。
最近かなりイタリア語の勉強に身が入る私ですが、この映画はシンプルな構成(ほとんどレストランの中で終わる)ということもあってかなり初心者向きな気がしました。とはいえ、分からない部分も多く、オーナーの奥さんの美人なフローラさんが、例の人と何をどうしたかったのかが結局全く分かりませんでした。が、もしかしたら、それはそういううやむやにするような話の設定なのかもしれない、と自分のイタリア語能力を棚に上げたいと思います。最後に妹に「あれは別にいいのよ」とかなんとか言っていたような気がするし。
まあ一言で言ってしまえば、あるローマの人気リストランテでの一夜、といった感じですが、マエストロがなんだかんだメニューをみたあげく、いつものリゾビアンコに決めたり、ティーンネージャーの姪っ子の誕生日のパーティをリストランテでやったり、日本人の観光客(という設定みたいだったんですけど、普通に韓国語しゃべってました)がいたり、約束にひたすら来ない人がいたり、知らない人同士急に仲良くなって語り合ったり、とまさにローマのリストランテで毎晩起こっていることといった感じで良かったです。当然フィクションなので大げさな表現もあって、日本人家族の描写は、ひたすら写真をとりまくったり、カルボナーラにケチャップをかけたり、子供がずっとゲームボーイ(1998年なので)をやっていたりして、日本人の私としてはちょっとムっとしないでもなかったんですけど、結局「印象」を大げさに「表現」するとなると、ああいう感じになるんでしょうね。でも「本当は韓国人なのにみんな日本人だと思っている」という設定なのか、それとも本気の「日本人設定」で韓国語をしゃべってるところはウッカリなのか、良くわかりませんね。いずれにせよ、ゲームボーイのところは良い伏線になってて最後になるほどと思いました。
初老のウェイターが「トスカーナ人」のウェイターのウリアーノを毛嫌いしたり、かなり「ローマ人」にありうる設定で面白いです。哲学のプロフェッサーの役をした人はどうやらイタリア人の間でもかなり人気の俳優みたいで、たしかに彼の演技は光ってました。「『ストロンツォ』を演じたかどうか」のところで「確かに演じたけど、まぁ実際自分は『ストロンツォ』だからね」と言ったりした場面なんかは映画なのに「ふーんそうだったんだ」と普通に納得してしまいました。「イタリア人」というよりは「ローマ人」の人間ドラマを描いたこの映画、私にとってはとても興味深かったです。地名がどんどん出て来ても「ああ、あそこね」と分かったりできるのも嬉しかったし。
でもやっぱりもう少し頑張ってイタリア語勉強しよう、という結論に至りました。映画の冒頭の部分をYouTubeで見つけたので下に貼付けておきますね。映画としての評価は中くらい、ということでBです。[ 日本語DVD ]


Avatar

avatar_smallteaser.jpgAvatar (2009), (B+)
話題の映画ですが、週末にオリジナルバージョン(つまりイタリア語に訳されていない英語バージョン)を観てきました。残念ながら3Dではなかったので、評価は低めです。3Dで観たらきっと評価はAですね。ちらっと体験したけれど強烈だったから。あのジャングルの中のものがわーっとまわりにあったりしたらすごいだろうなと思いますね。しかもキレイだったし。
でも普通の一般社会に生きている大人として、正直、自分をあのファンタジーの世界に入り込ませるのにはちょっと努力が必要でした。最初、弟が亡くなって、宇宙を旅して、液体の中で目が覚めて、というような部分もしばらく「え?」「え?」という感じでついていけなかったし。
私のちょっとヒネた感想は下に書いておきますが、全体的にはすっごく面白かったし良いエンターテイメントでした。実際もう一回みたいと思っているし、バンシーで空を飛ぶところなんてとくにわくわくしました。

  • とりあえずいったいどこからどこまでが本当の映像で、どこからCGかが全然分からない。
  • これってどこ?ニュージーランド?コスタリカ?竹林もあったような。
  • 最近読んだ本に「良いプロットはポイントに至るところまで時間を無駄にしない」というようなことが書いてあったけれど、ナヴィに出会ってからのストーリーの無駄がなくて驚いた。プロだから当たり前か。
  • ジェイクの足が超リアル。どうやってるの?
  • 浮く岩石って聞いてデジャヴ。これってジブリ映画っぽい。つたを登っていくところなんて結構そのまんまでどこかで見たような気が。
  • チャンティングするシーンはちょっとイグノラントな気がしないでもない。何かの文化をステレオタイプでみているような。
  • グレースを治癒しようとするシーンもジブリ映画っぽい。ナウシカだったっけ?あれは虫だったけど。
  • せっかくボンディングしたバンシー(飛ぶやつ)がちょっとかわいそうじゃない?まあ、ごめん(You are not gonna like this)って言ってたけれど。
  • あのパイロットは絶対に生かすべきだったと思う。かなり納得いかない。どこかで生き延びていてほしい。
  • すごい残酷だけどもしネイティリが亡くなってたら、ジェイクがどんな選択をしたかとかそういうところをちょっとだけ見たかった気がする。ツーテイだけ亡くなってかわいそうすぎる。
  • 自然=善、人間=悪、のような設定がちょっと自虐的すぎかな。
  • まあ続きがあるんだろうけど、司令官を生かして帰したり、あのおひげの人とかはパンドーラに残って何するんだろう、とかいろいろ疑問。

というわけで、今度3Dも見に行ってこようかなぁと考え中です。イタリア語でこの映画を見たくない気がしないでもないですけど。[ DVD | 日本語DVD ]

My Sister’s Keeper

mysisterskeeper_smallposter.jpgMy Sister’s Keeper (2009), (B+)
10月に日本に帰った時に飛行機の中で観ました。邦題は「私の中のあなた」。映画館でも同じ時期にやっていたような気がするので観た方もたくさんいることでしょう。邦訳の題名がちょっと残念ですね。時々すごく良い、時にはオリジナルより良い邦題を見かける事も多くなってきたこのごろだったので(「マルコビッチの穴」など)本当に残念。My Sister’s KeeperだとそのHarshな感じが観る前からぐさっとくるのに、私の中のあなた、だとほんわかしてしまいます。原作の邦題がそうだったから使わざるを得なかったのかもしれません。
さて、映画ですが、ここ最近全然リビューを書いてなかったのに、なぜ突然この映画だけ書こうと思ったかというと、ボストンの新聞のクリティークの記事を読んで、私の印象は真っ逆さまだな、と思ってびっくりしたから。だって私が映画の何が良かったかと思ったかというと、以下の通り:

  • キャメロンディアスの、母としての狂気に近い愛がすごくリアルに見えたところ。私はこういう状況に直面したことがないので、何がリアルでなにがそうじゃないのか分からないのが残念で且つ幸運だと思えますが、それでもなお「でもどうしても」とすべての他のところに目をつぶって、心のどこかで分かっていても気づかないようにして、行動するところがリアルなんじゃないかと思いました。胸を引き裂かれるという表現が分かる気がする。
  • テイラー。存在だけですばらしかったけれど、とにかく最初ですぐに電話してきたところが大きなマル。
  • アレックボールドウィン。裁判所の廊下で倒れるシーン以外はすべてすごく良かった。ここで有名弁護士ががつんとやってしまうインパクトを考えてか、基本的にロープロファイルだし、最後、高級車で犬のジャッジと去って行くところも線が細い感じをあの一瞬で表現していて、やっぱりさすがだなぁと思ったのです。

残念だったのは、原作に忠実であろうとするあまりに家族のそれぞれのピースを映像にくみたてるために長男のピースがなし崩し的におさめられてしまったこと、そしてそれを出すための法廷でのシーンがかなり人工的すぎて微妙だったこと。
すっごく良かったのはビーチのシーナリーと、そこに現れたキャメロンディアスと妹の行動。そしてケイト。人目もきにせず飛行機内で号泣しました。[ DVD | 日本語DVD ]

Hairspray

http://www.eiyou.net/mtweb/hairspray_releaseposter.jpgHairspray (2007), (B)
1988年の同名の映画のリメイクみたいですね。昨日の夜観にいってきました。いやーでもこれがイタリア語吹き替えなんかだったらもう寒くて寒くてどうしていいかわからなくなっていたことでしょう。見た方は分かると思うんですが、最初にわりと長めな部分があってトレイシーが学校に行くまで「バルチモアよおはよう!」と、まさに歌い踊るわけですけど、朝っぱらからあんなに元気元気されると見ているほうがちょっとだけ疲れます。でもこの映画、最初っから最後まで、にこにこにこにこにこにこにこにこしているので観客もずーっとにこにこにこにこにこにこにこしていることになり、顔の筋肉痛になるかもしれません。でも昔何かで読んだのですが、顔って笑った形にしておくと、脳に幸せ信号が伝わり、実際に幸せ気分になるらしいのでこれはそういう意味ですごく良いのじゃないでしょうか。私もずーっとにこにこさせていただきました。でもふと思うんですけど、今のアメリカってこういう時代の、作られてはいるに違いないんですが、それでもやっぱりハッピーな感じに飢えてたりするのかもしれません。まさに古き良き、という気配。当時のアルコールやタバコなんかの描き方はそれなりに楽しめました。黒人問題はちょっとやりすぎ感がなきにしもあらず。ちょこっとギャグが面白かったです。ブービークッション面白かった。 [DVD | 日本語DVD ]

The Devil Wears Prada

thedevilwearsprada.jpgThe Devil Wears Prada (2006), (B+)
フィラデルフィアからローマへの飛行機の中で見たんですけど、以前に読書のページで紹介した本の映画化です。内容は本のままだったんですが、とにかくキャスティング大成功なんじゃないでしょうか。Anne Hathawayすっごくかわいくて、飛行機の座席でかなり前のめりになりました。小さな真っ白の顔の半分が黒目ですね。そして残りの半分は口。ちょっと腰から下の体系が気になる彼女ですが、「変身」後のあの髪型、あれやりたいですねー。重すぎる前髪。でもあれは顔と目があのサイズだからこそのものなのでしょう。あの前髪でポニーテールっていうのもすごくかわいいし。[ DVD | 日本語DVD ]

感想さらに下に続きます。

Continue reading “The Devil Wears Prada”