The Banker (2020)

The Banker (2020) Trailer

Apple TV+の映画です。最初から書いておきますが評価はB-です。そんなに悪くないけれど別に良くもない、と言ったところでしょうか。本当のお話をベースにしているからこそ、やっぱりバレットの息子さんのスキャンダルがこの映画を台無しにしたことに変わりはないでしょう。残念すぎます。映画の最大のポイントである黒人だからこその誇りを、本当に、あっという間に台無しにしたとしか言いようがありません。こんな奴が訳知り顔の「さもありなん」という人を増やしてしまう、と心の底から情けない気持ちと怒りの気持ちを持ってしまいました。この映画は南北戦争以前の人種問題を扱っていますが、女性のことにもスポットライトが当たります。そのあたりが、映画的にはフォーカスを曖昧にさせてしまっているなとは思いつつも、奥さんの力あってこそ、と思わせてくれるところが唯一良かったと思えるので、それはそれでいいかなとも思いました。

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My week with Marilyn

week-marilyn-stills-2011-weinstein-company-poster-64731.jpgMy week with Marilyn (2011), (B+)
昨日仕事帰りに友達と一緒に観に行ってきました。実はここ数年、結構いいペースで頻繁に映画を見ているにもかかわらず、私ぜんぜんここのページで更新していませんね。すみません。つい最近はジョニーデップのヴァンパイア映画を観に行ったんですけど、もはや内容を忘れてしまいました。さてこの映画ですが、マリリンモンローという特殊な人を扱っているというのは分かりきっているにもかかわらず、月並みにも「ああ、こういうひといるよね」という感想を持ってしまいました。こういう、女の人、時々いる。
彼女のジョークがウィットに富んでいるところ(実は賢い的な)なんかがわりとハイライトされていたと思うんですが、そういう演出は私はあまり好みではなくて、別にいわゆるセックスアピール部分を強調されすぎたばかりに、「ブロンド」扱いされてしまった、ということは結局のところは本人にとっては単なるきっかけに過ぎなかったんだと思うんです。かえって、そうやっていろんな人から讃えられ、憧れられ、スターになっていってしまったために、逆に人から人気がある、カリスマがある、もてはやされる、ということと、身近な人に、自分を唯一無二の存在として大事にされる、ということと「愛され方」の違いを徹底的に知らされてしまったのが不幸だったのかなと思いました。一般人の私なんかには分かりかねる部分でもあります。
映画としては全体的に時代のおかげというか、音楽がとても「古き良き」時代の物だったのが素敵でした。ジュリアオーモンドさんのヴィヴィアンリーの役もはまり役だと思いました。評価は普通、でも音楽が良かったのでB+です。

We’re no angels

were_no_angels.jpgWe’re no angels (1989), (B+)
こんな名作におこがましくもB評価すみません。DVD借りて観ました。ショーンペンのやんちゃぶりが青くて懐かしい感じがしました。ロバートデニーロはすごくいいのにやっぱりショーンペンが全体的にかなり微妙に見えてしまうのは、頑張りすぎてるように感じるからかもしれません。日本人って、頑張りすぎる人はあんまり評価しないところがあるような気がするので、私もそんな感じなのかもしれません。すっごい上から目線ですが。まあ素人の映画の感想なんてこんなものでしょう。そうだ、これって逃げ出す理由になる張本人の罪人がめちゃくちゃ怖くてなんだかカッコいいです。
それにしても宗教のことを考えるといつも北野武原作の「教祖誕生」のことを考えてしまうんですが、ちょっと似てるところはあります。この映画もコメディ的な要素がたくさんあるわけではないけれど、要所要所で、ここで笑わせるの?と思うようなコメディシーンがあります。最後のショーンペンの「ブラウン牧師」の説教のところは私にとっては、感動ポイントでもあり爆笑ポイントでもあった(こっちのほうが大きい)気がしました。「そんなときポケットの中には何がある?」えーっと…銃?(大笑い)という感じ。
それでもすべての「奇跡」が実は奇跡ではなくて人工の偶然のようなもので、「ブラウン牧師」が言うように「すべてのことは頭の中で起こっている」というところで深く納得させられます。私は人生の中でまだ幸運なことに「絶望」を感じたことはなく、この年になっても近い人の死に直接面したことも非常に少なく、家族が不治の病だとか何かが不自由であるとかそういったことがないので、えらそうに「つらいこと」について話す権利はあんまりないんですけれど、それでもやっぱり日々楽しいことや嬉しいことがあるかわりに物事の大小はあれ、それなりに「つらいこと」というのもあるわけで、それが雪だるま式にどんどんふくらむこともあればさーっと解けてしまうこともあるわけです。そしてそのほとんどは人々の頭の中だけで起こっているということに納得してしまいます。誰か家族や友人が「大丈夫だよ」と言って肩をたたいてくれるだけで解けることもあるし、一人で引きこもってしまって手に負えない大きさの雪だるまになってしまうこともあるでしょう。
前にみてもらったことのあるアメリカのお医者さんが、「私東洋医学にもとても興味があるの」といって、以前に読んだという「身体の不具合は精神で治せ、精神の不具合は身体で治せ」という教えは正しいと思うと言っていたんですが、時々これは本質的なことだなと思うことがあります。精神的に不安定なときは何も考えずに運動したり走ったりして汗を流すと、何故かすーっと不安がなくなってしまうことがあるからです。どこかがすごく痛いとか、そういった身体の不具合はそれは西洋医学で治した方がいいですけれど、それにプラスしたメディテーション的な要素は割と大事な気がします。生活を規則正しくしたりすることでなくなる頭痛や、部屋を片付けることでなくなる疲労ってあると思うから。
そんなことを超脱線しながら考えて見た映画でしたが、最後はやっぱりきっちり捕まってほしかったというのと、ショーンペンが微妙だったという理由でB+です。デミムーアはキレイでした。

Super 8

super8_smallteaser.jpg

Super 8 (2011), (B-)
昨日の夜、Aさんと一緒に自宅から徒歩2分のモールのレイトショーで観てきました。結構怖い前半にびっくりしましたが、B-の、超上から目線な辛めの判定なのは、「予想できた結末」という部分と、カッコ良かったお父さんの内面のようなものをもう少し見たい気分になったという部分、あと長時間逆さに吊られていたのに、降ろされたら速攻走れる違和感たっぷりの部分なんかが全体的に残念賞だったような気がするんです。
ペンダントの部分は「スタンドバイミー」のコームを落とすシーンのようだったし、結局さまざまな「少年が大人になる」映画がいろいろと混ざって、プラス少年の好きそうなスプラッターやモンスターな要素が入り、淡い初恋も入り、で盛りだくさんでしたね。ひとつひとつはいいのに、たくさんすぎてぼやけてしまったのかしら。
でもエンドロール後のSuper 8の部分はかなり上手でよかったなーと思いました。チャールズ目線で全体を見たかった気もしました。
最後にトレーラーコピーしておきます。

Love and Other Drugs

Love and Other Drugs (2010), (B+)
アンハサウェイが好きだという単純な理由で、この映画はなんとなくそんなに期待もせずに見始めてしまったんですが、普通に大号泣しました。実はストーリーそのものにはあまり共感はできなかったし、パーキンソンの真髄にあまり迫りきれてなかったので残念な感じがしましたが、それでもやっぱり、恋愛に関してはシャロウなふたり(に見える)の奥底にあるものをふたりがその表面的なシャロウさで無意識にかばっている状況が痛いほど分かって胸がぎゅうっとなります。微妙にちりばめられたコメディも、思わずぷっと笑ってしまうものもあって、そんなに悪くなかったと思いました。
この先ネタバレになります。
この映画の一番良いところはベッドの上でふたりがチャイニーズのお持ち帰りを食べていて、ジェイミーが”…this is nice”といったばかりにケンカになるところから、そのせいで…、というファイザーのブルーピルに至るまでの伏線部分ですね。何故か、どちらかというと男性の方に感情移入してしまうのはどうしてなんでしょう。そしてパーティから帰って来て彼女と会話するときに心臓がバクバクしてしまう彼をみて、私まで真剣に心臓のことを心配しなきゃいけないほどドキドキしました。マギーがあせって”I once have said that to my cat” と言って、ジェイミーが”OK that makes me feel better”と言ったところでちょっと笑えたのでやっとほっとしたという感じです。
そして脚本的に良かったなーと思いつつも、いくらアメリカでも実際には絶対言わないなーと思ったのが、ビデオをとっていたときに、マギーが「いますごく幸せな気分。あなたの頬に柔らかな光が当たっていて、窓からそよ風は吹いていて、この先こういう瞬間が何百回あったって、この1回きりだって全然かまわない。なぜなら、ぜんぶ同じだから。とにかく私がこの瞬間を今こうして過ごしてる、ということ」みたいなことを言ったこと。詩人です。でもすごく涙を誘います。あと映画の撮り方として良かったなーと思ったのが、コーヒーショップのリチャードに号泣シーンを見せておいたことによって、ジェイミーが居場所を聞き出すことができる伏線になったこと。ああいうちょっとしたシーンはかなり大事ですよね。細かいけれど。
そしてやっぱり最後。「そんなことあなたに頼むわけにはいかない」というマギーに「君は頼まなかったよ」とおだやかに言ったところ。じーんとしました。いい意味で心を砕かれました。
全体的に話としてツメが甘い感じがあったのと、あまりにもアンハサウェイのヌードを見せ過ぎなのと(もったいない)で私の中ではA評価に辿り着きませんでしたが(エラそう)、それでも見て良かったと思いました。私が日頃悩んでいることのコアの部分にも触れてもらった気がしたのもあったので、感謝です。[ DVD | 日本語DVD ]

トレイラーくっつけておきます。