Crash

20050507_crash.jpgCrash (2005), (A-)
私は好きでした。ヘンなたとえですけれど、”Love Actually“と同じようなプロットで、大きく違うのはイヤに現実っぽいところと、絶望的なところ、いろいろうまくいかないところ。常に正義が勝つわけじゃないところ。同じなのは不思議な人の巡り合わせだというところ、みんなそれぞれ事情があるところ。それにしても久しぶりにマットディロンを見ましたけど、相変わらずSickっぽい。でも実は一番ううっときたのはサンドラブロックでした。私は特に彼女が好きというのもあるかもしれませんが、なんとなく才能か、生まれ持ったものなのか、とにかく特別だなーと思ってしまいます。でも彼女が主役ってわけでもなさそうなんですけどね。
それにしてもいろんなことを考えさせられました。たとえば、大事だなと思う人がいたりしたら、その人に言葉で大事に思っていることを伝えなきゃとか、あまりおつきあいしたくない人とは、気を使っておつきあいするよりも、何となく離れたほうが親切というものだとか、我慢するってことが良いことじゃないこともたくさんあるとか、時々は我慢しなきゃいけないとか、正しいからって言い張ることが必ずしも良いことじゃないとかそういうこと。邦題はまだ決まってないみたいですけど、普通に「クラッシュ」かな。
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Smoke Signals

20050429_smokesignals.jpgSmoke Signals (1998), (A)
友人のFさんが教えてくれた映画なんですけど、私が住んでいるPullmanという町から1時間半から2時間くらい北に行くと、アイダホの細長くなった北の部分の、Coeur d’Alene(コーダーレーン、というような発音をします)という町に到着します。そこは美しい湖もあるし、リゾート地としても有名なんですけれど、Coeur d’Alene族と呼ばれるネイティブアメリカン(俗称アメリカンインディアン)のリザベーション(保護地域、という名の囲い込み)でもあるんですね。
この映画はそのCoeur d’Alene族の若者とその家族の話。ですから、このパルーズ地域の誇る、ひたすら広がる小麦畑なんかがずーっと出て来て、「ああ、ここあそこだね」とか「これってスポケンフォールズだね」とかローカルネタで楽しみながら観れるということで、みようということになったんです。が、結局最後は号泣して涙がとまらなくなるような、タッチングな話でした。ネイティブアメリカンの人たちがアル中になったのも、貧乏なのも、タバコばっかり吸っているのも、カジノでギャンブルばっかりしているのも、それは決して本人達が選んだ道ではないんですよね。「侵略者」にそういうふうに導かれた、といっても過言ではないはず。いつも”Relocate”され続けていた彼らのことを思って、その個人個人の人生への影響を思って、自分の「知ろうとしなかった」姿勢のイグノランスを思って、とても考えさせられる映画でした。もう一度みたいです。邦題も「スモーク・シグナルズ」。DVDは日本ではないみたいです。
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The Motorcycle Diaries

20050426_themotorcyclediaries.jpgThe Motorcycle Diaries (2004), (A)
DVDで見たんですが、ガツンと来ました。若者が二人(といっても結構年の離れたふたりですけど)陽気にボロいバイクでロードトリップ、楽しそうだ、と思って見始めて、予備知識も全くなかったので、バイクでコケたり、食中毒になったり、一文無しになったり、雪が降ったり、川に落ちたり、そんな楽しげな様子を、アハハハと笑いながら、ひそかに心の中で何故かあせりながら(私って実はまだ「何にも」見ていない、と思わせられた)、楽しく見ていたんですが、途中から顔付きも変わってきたErnestoにちょっぴり驚き始め、最後の説明でガツン、とやられた感じです。名前が違うので、全く予想もしなかったけれど、そうだったのかーと真面目にココロをぐらぐら動かされました。映画の作りとしては単調だし、スパニッシュで英語字幕だし、好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、私は、この何とも言えない、すぐに行動しなきゃいけないような、不思議な気持ちにさせられる、この映画の作りは好きです。”The mighty one”がmightyじゃなくなってきたところは笑えたし、ところどころの哲学的なセリフ、たとえば”What do we leave behind when we cross each frontier? Each moment seems split in two; melancholy for what was left behind and the excitement of entering a new land.”なんてところは、今の私のココロにぐぐぐっと来て良かった。またゆっくりチリやペルーの景色を見ながら、この映画見たいです。インカ遺跡なんて、真面目に画面の前で「ハッ」と言ってしまったくらい迫力ありました。邦題も「モーターサイクル・ダイアリーズ」。そして今気付いたんですが、Executive Producerが私の愛するロバートレッドフォードでした。道理でシーナリーが良いはず。
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Sahara

20050416_sahara.jpgSahara (2005), (A-)
原作を愛している人にはかなり期待はずれだったみたいですが(特にキャスティングが)、私にとってはすごく楽しい映画でした。マシューさんらしさというかなんというか、ひたすら明るい冒険家(でもないけど)という感じでかなりのエンターテイメントでした。邦題は原作の邦訳を反映して「サハラ  死の砂漠を脱出せよ」となっているみたいですね。基本的には”National Treasure“のノリにそっくり。違いはハゲのおじさんか、素敵なマシューかってところね、といったらAさんが、いやー完璧バイリンガルの美女か、微妙なバイリンガルのペネロペさんか、ってところだね、と言ったので笑えました。「お宝」をどうするかという部分がキレイ事になっているのが良かったのと、あと海辺のラストシーンがチープだったのが残念だったけど楽しめましたよ。景色がとてもキレイでした。コメディも良かった。”He did a Panama.“が良かったです。
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The Fugitive

20050416_thefugitive.jpgThe Fugitive (1993), (A)
昨日、テレビ(TNT)で永遠とBack-to-Back ”The Fugitive”って感じで放映されていたので観たんですが、全編ちゃんと観たのは初めてだった気がしますね。これが日本の映画館に来たときは私は長崎に住んでいて、友達と「あの映画面白いらしいね」なんて話をしたのをハッキリ覚えてますが。でもこれは、かーなーり、上手でしょう!リメイクでしょうが、どこでどれだけ観客にネタをバラすか、というのがすっごく上手だと思います。いろんな人のエゴだとかなんだとかが散りばめられて絡められていて、そのあたりも、単なるアクションじゃなくて人間ドラマな感じでした。これは人気だったのでTommy Lee Jonesの役柄そのままに1998年に続編”US Marshals“が作られて、それもよくテレビでやってますけどあれも面白いですよね。邦題は「逃亡者」。かなり好きな映画です。ハリソンフォードがスマートっていう設定がやっぱり合ってる気がします。
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