Casino Royale

poster_CasinoRoyalTeaserPoster.jpgCasino Royale (2006), (A-)
いやぁ、007といえば、ショーンコネリーも当然すごく良かったんですが、私個人としては、かなりコメディが入っていたピアースブロスナンのシリーズがお気に入りだったので、突然のダニエルクレイグのボンドにどうしても違和感があって、どんなにこの映画の好評を聞いてもなかなかさあ見ようという気分になれなかったんですね。あれから3年、ついに、やっぱりどうしても気になって、見ることにしました。iTunesで3.99ドルのレンタルです。こんな感じで私のような気分のオーディエンスが多いかもしれないダニエルクレイグ第1作に、007初仕事であるまさに第1作を当ててきたのは実は本当に本当の大正解だったんじゃないでしょうか。
つまり、すっごく良かった。
何が良かったかというと、まずポーカーが良かった。Texas Hold ’emを持ってきたのがバカラよりずっと良かった。ポーカーのシーンが異常に長いのもすごく良かった。ESPNポーカーなんかで思わず釘付けになるのと同じ心理。そしてEva Greenが良かった。ぴったりでした。シャワーのところがすごく良かった。ボンドじゃなくてもあれは確実に心が動きます。ああ、本当に怖かったんだな、と思うとそれまでの強がりぶりがすべてが愛おしく感じるはず。強い男が「守りたい」と思うタイプなんじゃないでしょうか。男じゃないので良くわからないけれど。
プロットが原作に近い感じなのもすごく好感が持てました。昔のCasino Royalは原作とは別のものになっていたしね。それはそれでよかったのですが。そして一番最後のあのセリフも、劇中ずーっと待っていただけに、言ってくれたので大満足の気分で終わらせることができて見てる側もすごく満足でした。ヴェスパーちゃん、あの結末が分かってたんだなーと思うといてもたってもいられなくて、見終わったあとにすぐにもう一度見ちゃいました。
あ、でもちょっと寂しかったのはQが出てこなかったこと。まあこれからなのでしょうか。ピアースブロスナン時代のQのガジェットはどれもこれも良かった。BMだったし。今回は残念ながら(?)フォード。スポンサーなので仕方がないんでしょうけれど。オメガをこれでもかと宣伝したりして、非常に商業的エンターテイメントが実感できてそれもまた良かった。あれでオメガの時計欲しいって思う人は絶対いそうです。あと、ソニーづくしでした。ソニー好きにもたまらないかも。
やっぱり007は安心して見れるなと改めて感心したので評価は甘めでAマイナスです。次回作はいつなんでしょうね。やっと楽しみになってきました。[ DVD | 日本語DVD ]

Appaloosa

20080215_once.jpgAppaloosa (2008), (A-)
私は西部劇(ウエスタン)は特に好きでも嫌いでもないのですが、Ed Harrisが監督・脚本・主演したこの映画は、とにかく西部劇のカッコいいところがぎゅーっと詰まっていて、でもそのわりにはドンパチが(ほかのウエスタンに比べて)少なめで、心をつかまれました。エチオピア航空での飛行中に観ました。
なんといってもEd Harrisの影を思いっきり薄くしているとも言える共演のViggo Mortensenさん。いいところを全部持って行き過ぎでしょう。カッコ良すぎるでしょう。モトがあんなにカッコ良いのに、役の設定があんなにカッコ良かったら本当にどうしたらいいか分かりませんね。声も素敵。Hidalgoの時も思ったけれど、ダスティな風景があんなに似合う方もなかなかいません。ぴったりです(ダスティって日本語でなんていうんでしょう、砂ぼこり?ほこりっぽい?どれもしっくりきません)。
そして実はRenee Zellwegerが登場したときに、申し訳ないながらも、あーこの状況に彼女はちょっと似合わないかも、と違和感を感じたのですが、やっぱり悔しいですが彼女はすばらしいですね。西部の男にモテモテの美女という役だと思うと、ちょっと美女度が足りない(大変失礼)とみんな思うと思うのですが、ずっと見ていると、つまりそういうことなんだ、と最後にBragg’sのピアノバーで練習している彼女を見て真剣に納得しました。あれは、つまり、西部の街で生きる未亡人のサバイバルなのです。あれは彼女の強さなのです(同時に弱さでもあるけれど)。それを納得して初めて、女優さんのすごさにも納得しました。こうして最終的にどんな役でも自分のものにしてしまって、結果彼女以外は考えられないような状況にしてしまえる女優さんということなのでしょう。
それにしても表題のAppaloosaは原作の通りなのですが、架空の西部の小さな町の名前です。が、実は私はそれに釘付けになったのです。私のサイトを昔から読んでくださっている方はもしかしたらピンとくるかもしれませんが、私は10年近く、「パルーズ」と呼ばれるアメリカの北西部の小麦畑が広がる地域にすんでいました。そのあたりはその昔Native American、つまりアメリカンインディアンの一部族である、ネス・パース(Nez Perce)という部族がすんでいたところで、その頃その部族がブリードして育てていた、非常に特徴のある馬がAppaloosaと呼ばれていたのですね。詳しくはこちらの私のエントリ(Appaloosa Museum)をご覧くださいね。残念ながら映画にはその馬は出てきませんでしたが、急に昔の思い出に引き込まれて、そしてプロットの面白さや、なんとなく続きができそうな予感などから、観たあと本当に充実した気分になって「いい映画をみちゃった!」と嬉しくなりました。西部劇が好きな人にも、エドハリスが好きな人にも、Viggoが好きな人にも、そしてReneeさんが嫌いな人にでも、おすすめです。良かった。とにかくいろいろカッコ良かった。[ DVD | 日本語DVD ]

The Diving Bell and the Butterfly

20080215_once.jpgThe Diving Bell and the Butterfly (2007), (A-)
フランス映画(英語のサブタイトル)で、ノンフィクションです。マニラからハノイに飛んだときにキャセイパシフィック航空に初めて乗ったのですが、そこで見始めてしまって、飛行距離が短かったために途中で切られてしまい、あまりに続きが気になったので家に帰って来てからiTunesで購入しちゃいました。全く予備知識なしで見始めたのが良かったのか、非常に心を打たれました。人々の辛抱強さとフランスの美しい田舎の風景と、主演のMathieu Amalricの完璧すぎる演技と、フランス語のスペリングの長さと、いろいろなことを見ながら感じながら、撮影の技法(唯一動く左目の視点)にも感動しながらほんのちょっと泣きながら見ました。号泣じゃないところと絶望感が描かれていないところもすごく良かったです。フランス映画にありがちなまったり感が全くないといえばウソになりますが、それでも良かった。会う友達にもみんなにお節介にもお薦めしちゃいます。私もせっかく購入したので何度も見ようと思います。[ DVD | 日本語DVD ]

Once

20080215_once.jpgOnce (2006), (A)
バレンタインデーを一人でのんびり過ごし、金曜日の今日は午前中に急用ができたため、一日デイオフをいただいたんですが、そしたら午後がヒマになったのでiTunesでレンタルして映画でも見ようと、借りた映画がこれです。トレイラーを見て、インディな音楽ムービーだな、というイメージで、お部屋の掃除でもしながら、ぼんやりゆっくり見ようというスタンスだったのに、すぐに話に吸い込まれていって、途中からは一緒に歌いたくなって、結論から言えばすごく良かった。そして見たタイミングがすごく良かったと思った。この時期にこの気持ちのときにこの映画を見る事ができてすごく良かった。違うタイミングで見たらきっと全く違う印象を持ったことでしょう。さらに感想は下に続きます。[ DVD | 日本語DVD ]

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The Bourne Ultimatum

thebourneultimatum_releaseposter.jpgThe Bourne Ultimatum (2007), (A-)
The Bourne IdentityThe Bourne Supremacyに続くおなじみのシリーズ3作目(最終作?)ですが、そろそろ駄作でもいいのかなと思って観に行ったら期待を裏切らない豪快アクションでかなり楽しんでしまいました。とにかく2作目とかなりかぶっているので、2作目を見て復習してから見ないとちょっと分かりづらいかもしれません。私はプルマンでDVDを借りてまで復習していたので本当に良かったなーとバカバカしくも真面目に嬉しい気持ちになりました。ジェイソンボーン強すぎです。やっとオリジナルに近いところまでストーリーが進んだとかで、私は普通に興奮しながら見ました。でもMatt DamonとJulia Stilesのカップルだと、ちょっと美男美女というわけにはいかないので(私はマットデーモン大好きですけどね)あのコーヒーショップのシーンはかなり微妙でした。彼女が言ったセリフも微妙に意味深だったし。
続きがあるとかないとかいう話も出ていますが、Ultimatumっていう名前をつけたのに続きがあったらちょっとだけがっかりするかもしれませんね。でもこの映画は夏のハリウッドアクション!という感じで楽しめました。メッセージ性はゼロかもしれないけれどA-です。本当はAにしたいくらいに楽しんだんですけど(あの爆破シーンなんて秀逸)、相変わらず揺れ動くカメラワークに普通に車酔いみたいになりがちなのでそれを差し引いたというところでしょうか。劇場ではなるべく後部の座席からの鑑賞がおすすめです。[ DVD | 日本語DVD ]