Bullet Train (2022)

イタリアで8月25日から公開となったので早速、原語(V.O.)で日本人のお友達のYさんを誘って土曜日に観に行ってきました。評論家の皆様の評価はそんなに良くないという噂を聞いていたのですが、一番どうでもいい私の評価はズバリA-とかなりの高評価です。というのも、まず(1)とりあえずすべての音楽が秀逸、(2)歳をとったブラッドピットがこんなにコテコテのアメリカンコメディをやっているのに普通にカッコ良すぎる、(3)アクション(1対1の戦い)がずっと見ていると(すごいのに)笑える、(4)細かいアメリカンジョークがこれでもかとばかりにかぶせ気味に満遍なく映画全体にまぶされていてクックックッとずっと笑える、(5)最初の”Talk to me”で分かる私の大好きなあの人!(6)合計2秒弱くらいしか出なかったと思われる私の大好きなあの人のカメオ、(7)日本に寄せてるはずなのに、本当の日本を描くことはあえて避けているという感覚、このサブカルチャー対象としてのいい感じな日本の描き方、などなど私にとっては完全にツボを押された、としか言えない出来になっていました。

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Wild

2019年の12月のエントリーにちょっと書いているのですが、2014年のリースウィザースプーン主演の映画、Wildは私の好きな映画の一つです。これは原作があって、そちらもいいのですが、ニックホーンビィによる脚本が本当に優れすぎているので、映画を強くおすすめします。リースが共同プロデューサーとなっていて、多分もともと彼女自身がこれをすごく映画化したかったんだと思います。アメリカ人女性の強い意志と、家族の愛情とその裏側と、すばらしい演技と、本物の(何もない)アメリカ、しかも太平洋側のアメリカの大地をこれでもか!とばかりに2時間弱しっかり見せてもらって大感動しました。素敵すぎる母親役をローラダーンが演じていて最高です。評価は完全にAです。

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Emma. (2020)

Emma. (2020) Official Trailer

成田からドーハまでのカタール航空内で、まずは6時間ノンストップで爆睡したあと、朝食のお供にしようと思ってこの映画を見ました。実は私が中学生になったばかりの頃、母が異常に分厚い(幅が3センチはあったと思うので本棚で結構目立ってました)中公文庫のエマを買ってくれて、女子中学生にはピタっとくるオースティンの話に本当に夢中になったのをよく覚えています。今までエマは何度か映像化されていると思うのですが、今、とにかく旬の女優さん、アーニャテイラージョイさんがそれはもう光り輝いているのと、映画の中の建物やお部屋、家具の色、テキスタイル、髪型、ボンネット、馬車の内装、そして胸のすぐ下で切り替えがあるタイプの当時のドレススタイルにとにかく瞬きを忘れて、食事も忘れて、終わった時には目と口が乾き切っていました。そして外せないのがミスター・ナイトリーとのあのダンス。いわゆるボールルームダンスをただただ踊っているだけなのに、目線を交わしているだけのあのシーンだけで、お互いに恋愛感情がこれ以上ないくらいに燃え上がるのを他の何よりはっきりと表現できている、というのが衝撃的でした。あのダンスの間、結構長いこと息を止めて観てました。映画全体の私の評価はA-です。フランクチャーチルの役の人が私が中学生の時から育ててきたイメージと全然違った!というどうでもいい理由でマイナスがついています。とはいえ、ミスター・ナイトリーも出てきた瞬間は、ん?という気持ちにならなかったというと嘘になりますが、シニカルで批判的だけれども、いつも紳士で、エマとも対等で温かいミスター・ナイトリーをまるで本人の素のように見せていただけたので、だんだん彼がミスター・ナイトリーにしか見えなくなってきて、それで充分満足なのでした。

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Nomadland (2020)

Nomadland (2020) Official Trailer

イースターサンデーだった昨日、感染対策をしっかりしてから、夫のAさんとマティネーの時間に観にいきました。シネマコンプレックスの小さめのシアターに観客は10人いなかったと思うのですが、特大シネマスクリーンでこの映画を観ることができて本当によかったと思いました。私が1996年から2005年まで過ごしたワシントン州東部の州道26号線や州間高速(フリーウェイ)のI-90号線をドライブ中の、異常な風の強さ、雪やみぞれの惨めな匂い、夏の日照りがフロントグラス越しに顔に当たってちょっと痛い感覚、小石がはねて車の窓に当たる音、車と速度を合わせるかのように道の両側を謎にひたすら転がり続けるいくつものタンブルウィードの姿、何時間も変わらない車窓の景色、そういう超リアルな刺激が、大画面には全く描かれていないにも関わらず、私の脳から突然ぐわっと五感に伝わってきて息が詰まりそうになりました。以下ネタバレになりますが感想を書いておきますね。この映画の私の評価はAです。

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Silver Linings Playbook (2013)

Silver Linings Playbook (2013) Trailer

久しぶりに映画について書いておこうと思います。毎週たくさんの映画を見る私ですが、書き留めることをしなくなってしまってすっかり記録がなく、自分自身が残念に思っているのでこうして今度からはなるべく、観たら書くようにしていけたらと思います。この映画は今日観たものですが、実は2回目で、以前飛行機の中で観たことがあります。私は自分はティーンのハートを持っているんじゃないかと思うほど、ジェニファーローレンスさんが大好きで、彼女が出ている映画を飛行機で発見すると、必ず観てしまいます。顔も含め、ハリウッドの美女たちからさえも抜きん出る衝撃的な魅力、ハスキーな声、もしかしたら役の通りの性格かもしれないと錯覚させてくれる毎回全然違うキャラクター(ハッ、これがいわゆる演技力というやつですね)など、本当に好きです。170センチを超える高身長で細いのにグラマラスな体も良いですね。この映画で確かアカデミー賞を受賞されたはずです。授賞式で階段でコケたのも有名ですね。あとでインタビューで「転んだ時何を思いましたか?」と聞かれて「何が私の心に浮かんだか、ですか?悪い単語です。Fで始まるアレです。」と答えていて話題になってました。この映画はそんな彼女の天才的な才能と魅力がたっぷり真剣に詰まった良いお話です。

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