関わっているプロジェクトの会議でフィリピンのマニラにきています。農業省のあるQuezon Cityはマニラの中心から少し離れていて、いつ行っても渋滞がひどいので今回はQuezon Cityの市庁舎の目の前のホテルに泊まることにしました。これで会議場までの時間を必死で考えなくてすみます。
あくまで個人的な感想ですが、フィリピンは宗教や言語、文化なども含め、いろいろな意味でアジアというよりはアメリカ、あるいはアメリカの近くにいたい、という人々の意識が感じられるところです。スペインやアメリカ、日本にも短い期間でしたが植民地、あるいはそれに近いものになった歴史を考えると、いろいろなものが混ざっていて当然なのですが、その中でもやっぱりアメリカの影響が本当に大きく、私が知っている限りでは、政府の機関がMinistry(省庁)制ではなくDepartment(部門)制をとっている国はアメリカとフィリピンがまず思いつきます。いろいろな意味でアメリカを尊敬してアメリカを追っているのでしょうね。
残念ながら食文化もアメリカ追従で、いわゆるジャンクフードと言われるようなファーストフードチェーンがアメリカのものから自国のものまで色々とあって、町の中心で見渡す限りマクドナルド、KFC、シェイキーズ、ピザハット、スタバ、ジョリビー、ダンキンドーナツ、バーガーキング、などなどが広がっていることも少なくなく、ちょっとした恐怖すら感じます。フィリピン独自のお料理というのもきっとあるんでしょうけれど、ちょっと酸味のあるスープだとか、バナナを使った温かいデザートだとか、ココナッツのパイだとかそういうもの以外にこれといって思いつかないのもちょっと悲しい。子供達はバーガーにフライドチキンにポテトが大好物で、お野菜しかたべれないのは貧乏でお肉を食べれるのが中流以上といった意識があるのもまたちょっと悲しい。
勤勉でよく働く人も多いし、英語も流暢なのでいろいろな意味でフィリピンは国としてポテンシャルがすごく高いのですが、それと同じくらい怠けるのが大好きな人も当然いるので、何と無く残念なことになっています。犯罪率も低くないしね。でもこんなこと言っていても、結局国ごとに比較するとどの国も同じくらいの比率で真面目な人がいて、不真面目な人がいて、いい人がいて、そんなにいい人じゃない人がいて、という感じなので、こんな風に「ああ勿体無いな」と思ってしまう私の方が、根拠なく上から目線で見てしまっているということなのでしょう。当たり前のことですが、出張にくるとふと人々のことをステレオタイプに見てしまっている自分を発見して反省してしまいます。
食品安全の能力開発のプロジェクトではあるのですが、仕事の上ではわたしもフィリピンの政府の方々から学ぶことの方が多いです。明日1日、集中して会議頑張って来ようと思います。