ファーマーズマーケット、再定義。

毎日暑いですが元気にバンコクを楽しんでいます。

週末に日本人の職場の知り合いの方をランチにお誘いしてみたら、ファーマーズマーケットを週末にやっているところがあるから行きませんか、と言っていただいて、エカマイという日本人の多い地域にあるGatewayというモールまで行ってきました。基本的にモール(しかもまあまあハイエンド)で行われるファーマーズマーケットという部分で多少の違和感はありましたが、アメリカの田舎町のファーマーズマーケットを想像していくとかなりの違いにびっくりしてしまいます。まぁバンコク大都会ですから、そんなところでアメリカの田舎町の何かを期待するのがそもそもの間違いなんですけどね。

私の心の中のファーマーズマーケットは、青果市場的なものが青空のもとテントの下に広がっていて、生産品のはちみつだったりジャムだったりが売ってあって、その「地域性」を前面に押し出したものだったんですね。日本で言うと素朴な町の駅的な。そしてちょっと食べれるホットドッグやタコス、フレッシュジュースなどがあるブースがあると、食べ歩きができてお買い物もできて楽しい、みたいな感じです。アメリカのアイダホやハワイの小さな町でもそうだったし、イタリアでも週末メルカートやカンポデフィオーリの市場も基本的には地元のものを地元の人や観光客に売る、というスタンスでした。イギリスのノッティングヒルのポートベローだってそういう感じだしフランスのマルシェだってサントレノの大きなものも基本的にはそうですよね。そしてたくさん買えてお値段は総じて安い、お得、というイメージ。もってかえってご近所さんやお友達にあげたりする楽しみも。

ただ、今ちょっとおもったんですが、パリのいくつかのマルシェにはちょっとした違うトレンドがある気がしてきました。ビオのマルシェとか、ちょっとおしゃれっぽいマレ地区にあるマルシェはそこそこのリュクス感がなきにしもあらず。ギリシャ系のピタやトルコのお菓子を売っているテントとか、イタリアのペコリーノやモッツァレラ(でもたぶん水牛ではない)とかスペインのイベリコの生ハムとか売っているようなコーナーとかあって、野菜や果物も小ぶりで新鮮、そこら中にビオ、ビオ(オーガニック)と書いてあって結構するお値段、というようなものもまま見かけた気がします。そして1、2割くらいのお客さんはちょっとおしゃれでお金持ち、みたいなイメージ。

バンコクのファーマーズマーケットはかなりそっちよりでした。タイやバンコクのものを前面に出して売るというよりは、バンコクに在住するフランス人が見事なくるみのカンパーニュパンを売っていたり、オーガニックの珍しいグリーンマンゴをキロで売っていたり、タイのタラー(市場)では見かけない、ベイビースピナッチがきれいにパッケージされていたり。プリック(バードアイチリ、日本語だと小粒唐辛子?緑の爆弾といわれたりする)が5本単位でパッケージされていたり(タイ人には少なすぎる単位だと思う)、どちらかというと外国を意識したマーケットというイメージ。売っている人もタイ人半分、残りは国際色豊かです。今年から商売を始めたというイタリアンチーズ(タイで作っている)を売っているイタリア人のお兄さん二人もいて、久しぶりに空輸でないイタリアンチーズを買えて私も満足なんですが、バンコクのファーマーズマーケット、こじゃれ感がいっぱいです。雰囲気は普通なんですけどね。

だからファーマーズマーケットって、だんだんと、お洒落で、健康に気を使っていて、本当に安全でおいしいものを食べたいと思っている人が、少しお値段が高くてもいいから、生産者と会話しながら、必要なものを必要なだけ買える、というような場所になってきているんだと思いました。スイーツ(笑)みたいな扱いにならなければいいけど。でもまぁ、都会のファーマーズマーケットなんてもともとそんなものなのかもしれませんね。それが地産地消ムーブメントにつながってくれるのなら嬉しいですよね。安全性に関して言えば、実はオーガニックだから安全といえるような単純なものではありませんけれど、意識が高まるのは良いことだと思います。

今度は対比のためにバンコクらしいタラーにもまた行って違う目で見てみようと思います。

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