過去10年以上にわたって月に少なくとも1回以上、日本に帰るのも入れると時には月に3回ほど国外に行くこともある私は、初めこそパッキングにものすごい時間がかかっていましたが、ここ5年ほどはかなり素早くなりました。なんと(?)、トータル平均30分です。まあそんなに素早くもないか。でも皆さんに驚かれるのが、パッキングのタイミングです。なんと、いつも出かける直前にやります。どういう感じなのか書いておきたくなったのでこれを書き始めました。
1)旅行の前数週間
旅先が例えば日本の場合、持って帰りたいもの、お土産などについてぼんやり考え始めるのが1、2週間前です。この時私にとって大事なのが大きなしっかりした紙袋を準備し、持って帰ろうと思っているものをとりあえずそれにちょこちょこ入れ始めることです。私の場合、イタリアのコーヒーが好きなのでコーヒーをまとめ買いしたり、出張の時に買った家族へのお土産がたまっていたりするのでそれをポンポン放り込みます。
2)前日の準備
前日には、できれば必ずフライトのオンラインチェックインをします。搭乗券もデジタルのものを用意するか、プリントアウトしておきます。携帯、カメラ(持って行く場合)、モバイルバッテリーなどは前日の夜からフル充電します。読書中の本(電子)があれば持って行くデバイスにちゃんと保存してあるか確認します。読むものがない場合は前日それを言い訳に電子書籍を何冊も買ったりもします。
3)出発当日の起床時間について
飛行機の時間から逆算し、空港に到着したい時間、そのために家を出る時間、というのを計算するのは当然だと思うんですが、そこから私は3時間前を見積もって起床時間とします。例えば、午後12時のローマから成田への便の場合、10時半には空港に到着したい。ということは車なら10時には家を出たい。ということは朝7時起床、という計算になります。ローマ成田便は日本に午前中に到着してしまうので、長いことシャワーをしていない状態で到着してしまった場合、帰宅後すぐにシャワーを浴びたくなってしまうんですね。そうすると恐ろしいことにシャワーのあとホッとするからか、とても眠くなってしまい、それが時差ぼけが始まるきっかけとなってしまいます。それを避けて、到着した日になるべく長く起きておくために、出発の日は朝からシャワーをしておくことが私にとっては大事なのでその分時間が必要なんですね。しかも、ロングヘアーの私は髪を乾かす時間を計算に入れなければいけないのです。その他にも色々とパッキングに関係のない、時間のかかる事項がある(いかに説明してます)のでトータル3時間なんですね。これだと絶対慌てることもなく、時間があまりすぎることもありません。
4)一人暮らしの侘しさ:シャワーと洗濯機オン(30分)
30分間かけてシャワーをした後、最後に脱いだ服も含めて「最後の洗濯物」というものを全部洗濯機に投入します。イタリアの我が家の洗濯機は洗って脱水するだけなのに1時間50分もかかるので、シャワーの後すぐ洗濯機を動かすのはタイミング的に大事なのです。
5)プリパレーションフィールド設定(0分)
次に私が「プリパレーションフィールド(準備場)」と呼ぶ3つのエリアを設定します。まずはベッドメイクしたベッドカバーの上を「預けるスーツケース用フィールド」にし、リビングのソファーの上を「機内のキャリーオンスーツケース用フィールド」にし、いつもラップトップを置いているデスクの上を「ハンドバッグ用フィールド」に設定します。設定をするだけなので、実際のスーツケースやバッグはまだ開きません。
6)すでに決まっている飛行機用ワンピース(0分)
いつも家族に笑われるのが、私には「飛行機用ワンピース」があることです。過去3着ほどありましたが、一つの時期には一つだけです。今はマリメッコのウェストにリボンがついたロングワンピースです。フェイスタイムなどでそれを私が着ているのを見ると母が「あれ、出張?」と聞くくらい、いつもそれです。とにかく見た目が可愛く、シンプルなのにラクチンで、ロングのノースリーブというのがこの飛行機用ワンピースの条件です。これに何か上に羽織るものを着ていくかもっていきます(白、黒、茶、グレーを持っていて、その中から選びます)。出発の朝のシャワーを浴びた後はこのお決まりワンピースに合う下着セットを必ず着ます。出かける服と下着のセットを選ぶのに全く時間をかけなくていいのはとても大事なことです。
7)くだらないけど大事な旅行のテーマカラーと靴選び(1分)
次に旅行のテーマカラーを決めます。茶色系なのか、黒系なのか、ブルー系なのか、白系なのか。茶色系の場合は差し色は赤とか金とかになります。黒系の場合は差し色は白や銀。ブルー系の場合の差し色は茶色やベージュ。白系の場合はピンクや黄色になります。そのあと靴選び。茶色系に決めたらベージュの靴、黒系の決めたら黒い靴、などテーマに合わせた靴を選びます。1週間以内の場合は1足でまわします。それ以上の場合は2足。プラス、フリップフロップを持って行くことも多いです。ホテルの部屋でスリッパ代わりにも使えるし、出張先にプールがあることも多いので。あとは必要に応じて買えばいい、と決めて買い物の言い訳にします。
8)スーツケースとバッグ選び(1分)
テーマカラーが決まったら次はスーツケースとバッグのセットを決めます。今持っている大きめのスーツケースはクリームがかった白系なので、上にあげたテーマカラーの全部に一応合います。茶色系に決めたらキャリーオンは赤、他のテーマカラーだったらキャリーオンは白、など決めます。バッグはラップトップを持ち歩く可能性がある場合はラップトップが入るサイズを一つと、ディナーに出かけるサイズの小ぶりのバッグ(あるいはクラッチ)を一つ。これらのバッグもテーマカラーの色に合わせます。このテーマカラー制にしてからこの組み合わせを決める時間が激烈に短縮されました。おすすめです。
9)身支度しながらパッキング(10分)
飛行機内に何時間もいるので大事なのがデオドラントですが、シャワーをしてすぐデオドラントをして、それをプリパレーションフィールドに(私はキャリーオンスーツケースに入れる)置きます。これでデオドラントは忘れません。次にそしてコンタクトレンズを入れて、入れ終わったコンタクトレンズケース、保存液、外した眼鏡、眼鏡ケースをプリパレーションフィールドに(私はキャリーオンバッグに入れる)置きます。綿棒で耳のお掃除したり、アヴェンヌをスプレーしたりするたびに、必要な分だけどんどんプリパレーションフィールドに置きます。例えば、綿棒の場合は必要な数を宿泊数に合わせて(例えば、私は1日2本必要なので5日間の旅行であれば10本)ジップロックに入れて置く、アヴェンヌは家用の大きなスプレーをした後、携帯用のものを取り出して置く、など、身支度の順番でどんどん使うものを置いていきます。ちなみにほとんどのヨーロッパやアフリカのホテルにはシャワージェルやシャンプーはあるんですが、コンディショナーはありません。なので私には必須のコンディショナーはいつもちょっと大きめのプラスチックボトル(80ミリリットル)に詰めていきます。これに数分余計にかかることもあります。
10)長いひと休み(1時間)
身支度の段階が髪を乾かす段取りになったらパッキングの一時休止です。お湯を沸かしてコーヒーを淹れ、のんびりドライヤーします。この時だいたい私は母にフェイスタイムをかけてダラダラおしゃべりしながらやります。1時間くらいでしょうか。朝だったらこの時母と一緒に朝食をとったり(母は昼食)、日焼け止めを塗ったり、お化粧をしたり、ハンドマッサージしたり、ペディキュアを塗ったり、かなりのんびりやります。そして身支度終了と共に、ヘアブラシ、化粧道具など、使ったものの中で旅行でも必要なものをプリパレーションフィールドに置きます。お化粧品もテーマカラーに合わせるのでささっと決まって楽です。
11)部屋の片付け(30分)
次はお部屋を片付けます。食器を洗ったり、その辺に落ちている大量の私の長い髪の毛を掃除したり。これをサボると帰ってきた時のがっくり感がやるせなさすぎるので張り切ってやります。1)で書いた紙袋がある場合、その中身をプリパレーションフィールドに置きます。
12)洋服選び(5−10分)
ベッドのプリパレーションフィールドの近くでファッションショーをします。5日間の出張であれば毎日の予定(会議、講演、フィールドワーク、など)を考慮しながらちゃんと1日1日きちんと考えます。なるべく少ない組み合わせでTPOに合った服と靴のセットにできるようにします。テーマカラーが決まっているのでその範囲内でやればだいたい間違いません。そしてその服似合った下着セットを選びます。マックス5セットまで持っていきます。それ以上必要となるような長い出張の場合は手洗い洗濯するための洗濯セットをパッキングします。靴下やタイツなどもこのファッションショーの時に合わせて全部一気にプリパレーションフィールドにどさっと載せます。ビキニもテーマカラーのものをひとセット入れます。プールがなくてもサウナがあったりターキッシュバスがあったりすることがあるし、大して場所をとらないので。この時携帯用ファブリースも一緒に置きます。
13)美容グッズと女性ならではのもの(1分)
基本的には使い捨てパック(2日に1枚の計算)、マッサージ用のクリーム、アーモンドオイル、コットン、ネイルファイル、生理用品、目薬(使い捨て)、サプリメント(鉄、B12、C)、薬(イブプロフェン、ルル、ムヒ)、バンドエイド(靴擦れが恐いのです)、携帯用簡易靴磨き、使い捨て用歯ブラシ、気に入っている歯磨き粉、マウスウォッシュなどをいつもセットにしているのでそれをばっと掴んで置くだけです。
14)ないと絶対困るものを準備(2分)
これは本当に限られていて、例えばパスポート、ビザ、イタリアのID、航空券(デジタルだったりもします)、現金、これはユーロと出張国の通貨(あれば)の両方、日本の場合はパスモや自宅の鍵、携帯、あとは仕事で必要なもの、デジタルガジェットの充電器、アダプタープラグなどだけです。これらはキャリーオンバッグのプリパレーションフィールドに置かれます。この時私が忘れがちなのがAppleWatchの充電コード。これ本当に忘れがちなので困ります。AppleWatchを自分が腕につけるその瞬間にプリパレーションフィールドに置けばいいんだ!と気づいてからは大分忘れなくなりました(遅い)。ラップトップが必要な場合はラップトップもこの時準備します。iPadで十分な時もあります。
15)快適グッズを準備(オプショナル、1分)
エコノミーで飛ぶ時はノイズキャンセリングヘッドフォン、機内用の靴下(スリッパ代わりのモコモコのもの)、いい香りがするアイマスクなどをキャリーオンスーツケースのプリパレーションフィールドに置きます。
16)大量のジップロック!(1分)
それぞれのプリパレーションフィールドを眺めて必要な数とサイズのジップロックをパラパラと出します。チェックインする荷物だったらこまめに分けて液体を袋に入れます。余分な大きめのジップロックも何枚か入れます。キャリーオンの方は決まったサイズのジップロックにして液体のものは全てまとめて一つに入れます。
17)詰め込む!(3分)
柔らかい洋服はくるくると巻き最後に入れるためにとっておき、その他のものは堅いものから入れる、という順番でチェックイン用スーツケース、キャリーオン用スーツケース、キャリーオン用バッグの順番でサクサク詰めていきます。1週間以内のヨーロッパ内の出張の場合は全てキャリーオンにまとまることが多いです。キャリーオンの中の液体用ジップロック、ラップトップはセキュリティーチェックの時に出すように言われることが多いので一番最後に出しやすいところに入れます。自慢なんですが、私このプロセスが本当に素早くて、見た人みんなが驚いてくれるんです。まさにあっという間ってやつです。全て入れたらパチンパチンと閉めて、全てさっさと玄関前に置きます。
18)洗濯物を室内干しする(10分)
最後の洗濯物を干します。
19)「出がけのお茶」を飲んで片付る(15分)
私の母が「朝茶はその日の難逃れ」と言って「出がけのお茶」ほど大事なものはないといつもうるさく言うので、私は旅行の時は必ずお茶を入れて飲んでから出かけることにしています。これって熊本の言い伝えですか?全国のもの?母と私の見解は、この言い伝えは別にお茶が魔除け的な役割を果たすというような意味ではなく、バタバタして出かけるのを防ぎ、お茶を飲む余裕を持つことが大事という意味であろう、ということになっていて、忘れ物をしないように、慌てて怪我をしたりしないように、この15分の余裕を持つことにしています。だから飲みながら旅行のシミュレーションをやって忘れ物チェックをすることが多いです。飲んだら洗って片付けます。そうこうしているうちに出かける前にトイレにも行きたくなるので便利なプロセスです。そのあと歯磨きします。
20)電気、水道、ガスのチェック、書き置き(大家さんや家政婦さんに)を残す(5分)
最後に長い旅行の時は電気の消し忘れがないようにしたり、週に1回来てくれるGに書き置きを残したりする時間を取ってから、靴を履いて、お出かけです。これでトータル3時間になりました?
一気に書きましたが、ちょっと楽しかったです。すごくパーソナルな内容ですみません。何か忘れているかもしれないので次にパッキングする機会に見直して、書き直すことがあるかもしれません。お付き合い頂きありがとうございました。