主人のAさんが参加する、とある国際会議が偶然にもイタリアのフィレンツェで行われるというので私も便乗して行ってきました。Aさんは例によって朝から晩まで会議に参加しますが、私はフィレンツェを満喫です。写真はドゥオーモ広場で撮ったものです。サンジョヴァンニ洗礼堂(左)、ドゥオーモ(大聖堂、中央)、そのクーポラ(八角形の赤い丸屋根、中央奥)、そしてジョットの鐘楼(しょうろう、右)が全部入るスポットなのでみなさんせっせと写真をとっています。私も真似してとってみましたが、いざこうして見てみるとはめ込み写真みたいになってしまって、そんなにゴージャスじゃないですね。その場の雰囲気や、この広場に出たときの「おおおおおお」という気分が、当たり前ですけど全然反映されません。残念。
フィレンツェに来る度に、この「花の都」と呼ばれるわりにはおどろおどろしい血塗られた歴史と近隣都市国家とは一線を画する強国だったこのフィレンツェのことをつい、いろいろと考えてしまうのですが、メディチ家、パッツィ家、ストロッツィ家と、権力と政治力と暗殺力と経済力に物を言わせた大富豪たちが宗教と政治を軸にひたすら戦いまくっていたことを思って、なんとも説明しがたいのですが小さな意味での「諸行無常」というものについて想いを馳せてしまいます。もちろん、こうして建造物が残ったり、歴史が動いたり、人類が学習したり(これはどうかな?)して、結果論的には無常ではないのですがひとりの人の人生という視点から見ると、なんだかなぁという感じです。メディチを代表する権力者のロレンツォだって、あやうくこの大聖堂で殺されかけたし(弟は実際にその場で殺されました)、その報復としてパッツィ家の100人くらいが殺されたというし、殺すか殺されるかというギリギリのラインを全員が必死で運を持って生きていたというしかないんだろうなと思ってしまいます。何もしてないのにその家に生まれたばかりにあっさり殺された人もたくさんいるだろうな、と思うと「人生とは」というような壮大なテーマについて考えたくなったりもするのです。考えませんけど。
Aさんがフィレンツェの学会に参加する間、私は2回に分けてフィレンツェを訪れました。最初はサンタマリアノヴェッラ教会の近く、2回目はアルノ川のヴェッキオ橋の近くにホテルを予約したんですが、どちらもかなり良くて満足しました。写真は最初にとまったサンタマリアノヴェッラの広場にある小さなかわいいホテル、J. K. Placeのテラスで食べた青りんごソルベット。バックにサンタマリアノヴェッラ教会のファサードが映り込んでくれたのでなんだかそのときの雰囲気を思い出せて嬉しいです。ソルベット美味しかった。フィレンツェは盆地なので実はローマより暑かったりするんですが、夜になると涼しい風が吹いて外にいるのがとても気持ちよかったりするのです。美味しいお食事、フィレンツェの景色、仕事からの(無理矢理の)解放、と私はすっかりAさんの出張と仕事を横目にひとりで楽しむことができました。1週間に2回もスパに行けたのもすごく良かったです。またもうちょっと、フィレンツェで思うこともあったので、そんなことも含めてこれからちょっとずつ思い出しながら書いてみたいと思っています。