ローマに戻って。

Boxes

ご無沙汰していましたが、私の長かった日本滞在も終わって、9月になりローマに戻ってきました。写真は預けておいたウエアハウスから戻ってきた私のお荷物たち。32箱あります。さっそく開けて片付け始めたんですが、3箱でとりあえずコーヒーブレイク。私ったら我ながら弱すぎです。そしてコンピュータの前に座ってこれを書いています。金曜日の今日はお休みをとったし、週末があるのでなんとか全部片付けられるようにがんばります。

1996年に日本を離れて15年、アメリカとタイとイタリアの暮らしから突然日本に4ヶ月ちょっと滞在して思ったのは、日本は本当に良い国だなということ。いろいろと小さな問題もありますし、将来もそんなにキラキラ明るいというわけにはいかないとは思いますが、そんなマイナス点を大幅に凌駕するほど、本当に親切で控えめで心優しい人がたくさんいる、暮らしやすい、愛すべき私の母国だ、と本気で思えて、そう思えたことにとても感激しました。

それにしてもイタリアを4ヶ月離れていて、すっかりイタリアの雰囲気を忘れていましたが、ロンドンのヒースロー空港の、ローマ行きの搭乗口に来ると、当然そこにはローマに帰るイタリア人であふれているわけですが、そこに来て初めて、ああ、イタリアってこうだった!驚くことにこの忘れられないほど強烈な「イタリアらしさ」のことをすっかり忘れていたなんて人間の「忘却の能力」って天才的だ!と思いました。私が個人的に忘れっぽいだけかもしれませんが。つまり基本的にみんな必要以上に大声なんですよね。そして老若男女、携帯を握りしめている。一緒にいる人とおしゃべりしていても携帯を握りしめている。ひとりのひとはイヤフォン付きの携帯で大声で電話していてみんなが声をはりあげています。その状況はちょっとしたカオスで、みんなの大声の中思わずふふっと笑ってしまいそうで、ちょっと温かい気持ちにすらなりました。

そして私のとなりに座ったカップルは抱き合ってイチャイチャしはじめ、待合いの椅子の上で無理に彼氏と抱き合おうとするため、私の肩と脇に女の子の肘が2分に一回は当たり、エルボーを入れられまくる私は席をかわるべきかどうするかしばらく考えて、いやここはイタリアらしくしなきゃと思って肘掛けに必要以上に肘を置いて、万一彼女がまた肘を出したときには逆エルボーが決まるようにセットしてみたら、一度うまくエルボーできて、それからニッコリしてみせたら私への無意識の攻撃はとまりました。相手も、もともとわざとではないので友好的に解決です。

成田ロンドン間の飛行機の中で、脱水のないように必要以上に水分をたくさんとった私は、次の飛行機では頻繁にトイレに行くかもしれないと思ったので、はやめに通路側の席を確保していたのですが、いざ乗ると誰かが私の席にすでに座っていて、「そこ私の席よ」といったら、「後ろなので替わってください」というので後ろをみると、彼の席は3人掛けの真ん中で、両脇に大きめのおばさまとおじさまがいます。だから「実は通路側をどうしても、とお願いして席をとったので真ん中は無理です」といっても「僕彼女と一緒なんだ」と私の席だったところの横の人を指差して動こうとしないんですよね。そしたらCAさんが来てくれて「すみませんがチケットに書いてある席に、座っていただかないと規則上降りていただくことになります」と助けてくれてなんとかなりました。ローマロンドン間の3時間半も離れたくない気持ちは分かりますけど、私は結局3回トイレにいったので通路側がいいと主張して本当に良かったと思いました。

そして空港に着いて、今回はめずらしく2つ荷物を預け、3つ手荷物を持っていた私はどうしてもカートが必要になると思ってカート置き場に行ったんですが、忘れていましたがイタリアはカートは有料なんですよね。一回2ユーロでお金は戻ってきません。そしてコインをいれようとすると1ユーロコインか、2ユーロコインか、50セントコインしか受け付けないとのこと。そして横にある両替機は故障中。お財布をみてみると50セントコインが3枚しかないので無理です。そこで5ユーロ札を握ってコイン探しの旅へ。つまり、まわりにいるイタリア人に両替を頼むわけです。8人くらいきいてみてやっと1ユーロコインをいっぱい持っているおじさんに出会い、とても親切に両替してくれたあと、近くにある自販機のコーヒーをおごってくれました。こういうのもイタリア。カートひとつ使うのに、人に頼らざるを得ません。そして頼られてくれる人もたくさん。

そして出口へ行くと友達のDがFacebook経由でわたしのフライト情報を得て迎えにきてくれていました!「空港にお迎えにきてもらう」ということはとても幸せなことで、私にとってはものすごく嬉しいことなので本当に感激しました。超美人のDですが、私の荷物を頼もしくも軽々と持ち上げてさっさと車に積んで私を送ってくれました。しかもサプライズの赤いお花の鉢植えまでくれました。「長いこと滞在した日本から帰ってくるんじゃ気分的にも大変でしょう?あなたを元気づけるためにこれをプレゼントします」とメッセージカードに書いてあって大感激です。31日の夜に帰ってきてから今日の朝まで荷物がなかったのでスーツケースから生活する毎日でしたが、今日から何でもあります。周りの愛すべき人々にしっかりと支えてもらいながら、私のイタリア生活がまた始まります。私の日本の家族には心配をかけますが、こうして優しい人々に囲まれているので大丈夫です。毎日楽しく、健康に気をつけて頑張ります。

追記(9月3日午後3時):今のところ未開封の箱はあと13箱となりました。かなりいろいろと生活に必要なものが出てきて助かります。それにしても強烈な数の靴とバッグ。女性のみなさんどうやって収納してるんですか?

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