The Invention of Lying (2009), (A)
斬新、のひとこと。メキシコ出張の飛行機の中で見ました。伏線といい、ジェニファーガーナーの演技といい、細やかにちりばめられたほぼ全てブラックなブリティッシュジョークといい、とにかく主演・監督のRicky Gervaisらしい感じで私は非常に面白いと思ってしまいました。ネタバレが嫌な人はこの先読まないでくださいね。
当然アイディアと脚本がいいから面白くて吸い込まれるんですけど、一番印象に残ったのはロブ・ロウの嫌みっぽさがさわやかなところですね。設定上嫌みっぽさを「隠す」必要がないので、それを全開にしていて、それが本質というか、隠さないことによる良さのようなものを見せられた気がして、なるほどーとうなってしまいました。嫉妬や妬みという感情は、本能的なものというか、ないほうが珍しいものなので、一番いい対処法は意外にも、それを隠さないことだったりするのかも、ということ。
あとは当然あの「落ち込んでお風呂にも入らずヒゲもそらず髪も切らない」状態で出て来たときの面白さ。当然その背後のものは、あのテレビニュースになった時点で観客には全員に分かっているんですけど、それをこれでもかとかぶせるためのあのビジュアルの「確認」作業。飛行機の座席で思わず吹き出すほど面白かったです。あの服装もないし。北野武の「教祖誕生」を観たときに感じたのと同じような「ウマさ」を感じます。あ、うっかりこの映画のタイトルを出しちゃうと、これはたまたま「テーマ」が同じような感じなので誤解を生むかもしれませんが、結論やメッセージ(そんなのないかもしれないけど)はまったく違うかもしれないので参考になさらないように。単純に「人間の本質に迫った」という意味で引き合いに出したまでです。
設定に無理があったという部分では結婚式が「Quiet Place」で行われたところですね。まあそれは仕方がないですけど。
私にとってはかなり強烈に面白かったのでA評価にしました。でも世間の評価はいまいちですね。まあ一部の方にはオフェンシブに映ったということなのでしょう。まあそういうことなんでしょうけど、私には、とにかく本当に斬新で良かった。[ DVD | 日本語DVD ]