Up in the Air

upintheair_smallfinal.jpgUp in the Air (2009), (A-)
今日は土曜日、午後からメトロポリタン・チネマでオリジナルバージョン(英語版)のUp in the Airをやっているよと職場の先輩のTさんに教えてもらって一緒に行ってきました。
複雑なはずの内容を、シンプルにする作業というのはどんな仕事でも非常に難しいことだと思うので、この内容のストーリーをこんなにもシンプルな雰囲気の映画にしたことだけで驚異です。そしてジョージクルーニーのはまり役。なにもかもが、異常なほどぐっと私の心をつかんだので思わずA-の評価にしてしまいました。ちなみに私の映画の評価は相対評価などではなく、ここに書くときの気分だけで決めているので他の人には全く参考にならないかもしれないのですが、時がたってからDVDなどでもう一度見たりすると自分の評価が全然違ったりするのが個人的に面白いのです。
ああ、これをとりあえず撮りたかったんだろうなーと思ったのが、空港のセキュリティーチェックのシーン。私もTさんも出張が多い仕事のせいで今まで何度も何度もいろいろな空港を経験しているためかなりの「あるある」体験でした。あのパッキングの仕方、キャリーオンしか持ち歩かないやりかた、チェックインのしかた、列の見極め、コンピュータを取り出しやすいところにスっと入れておいたり、靴を言われる前に脱いだりすべてのものをジャケットに入れておいたり、すっかり「空港慣れ」してしまうんですよねぇ。ラウンジの場所を把握していたり、飛行機の中ではコンピュータは開かずのんびりしたりしていて、分かります分かります、という感じでした。そしてあの雪の街で自分の「家」の部屋から外をみるところ。私の心の暗いところにぐいぐいと入って来て、なにもかもが納得でした。
あとはそうそう、冒頭の「カンは必要ですか?」のシーン。これもすごく撮りたかったんでしょうねぇ。日本語だとなんと訳されているのかかなり興味あります。そしてAlexといろいろな「クラブ」カードを見せ合うシーン。映画が終わってからTさんとアペリティーヴォしながら思わず同じ事をやってしまいました(私もRyanやAlexが持っているHilton HHonors持ってますよー)。映画では二人ともアメリカ国内のビジネス旅行者ですが、私やTさんは国際線なので他のコツとしてはホテルにチェックインのときにスーツのプレッシングを頼んでおく(とその数時間後にはパリっとして届く)ことや部屋に行く前にネット接続について聞いておく(途上国だとだいたいレセプションでコード購入の場合が多い)、部屋に入った瞬間トイレが流れるかチェック、バスルームでお湯が出るか、水圧は良いかのチェック、ネット接続確認、などをしてどれかがダメな場合は部屋を替えてもらうか最悪の場合はホテルを変わる必要があるのです。
そういった一連の空港とホテルでの作業はどの国どの街に行っても同じようなステップを踏むので出張慣れしてくると「自分のやりかた」というようなものができるんですね。パッキングにしても何にしても。そういうのは私ですら、個人的になんとなくまとめておきたい気分になるので、この映画を撮った人もそうなんじゃないかと思ってしまうのです。
それにしても、映画はところどころくすっと思わず声をだして笑ってしまう半分ブラックなコメディもちりばめられていて、女優さんも魅力的だし、なにもかもが新しいのになにもかもが典型的で、この映画を嫌いって言うのは結構難しいんじゃないでしょうか。邦題は「マイレージ、マイライフ」だそうです。これってかなりネタバレすぎじゃないですか?映画自体が面白かったからいいんですけど。[ DVD | 日本語DVD ]

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