仕事中、朝の9時半頃になるとオフィスに誰かがやってきて私に”Caffè?”と聞いてくれます。つまり「コーヒー飲みにいかない?」ということです。イタリアでは朝食がかなり軽視されていて、家で食べて来ない人もたくさんいます。そのかわりこうして9時半から10時頃にコルネットと呼ばれるイタリア風クロワッサン(バター抜き)と一緒にカプチーノをいただいたりして朝食としてしまう、という人が多いんですね。私は職場の駐車場確保のために朝は始業時間8時半に対して7時頃に到着するようにしているので家からヨーグルトなどを持参して職場で朝食をとることが多くなってきました。
私はもともと、私の両親の影響でコーヒーは大好きで高校生の頃くらいから朝食にはコーヒー、ケーキをいただくときはコーヒー、食後のコーヒー、といろいろな機会にコーヒーを飲んでいました。それが大学生になってからさらに増えて一人暮らしでも朝からかならずドリップコーヒーをいれて、学校やバイトから帰って来てもコーヒーを、とコーヒーだらけの生活でした。バイトもコーヒーに力を入れているドーナツ屋さんだったので(一度煎れて30分たったら廃棄してしまうほどの力の入れ具合)幸せな休憩時間のあるバイトでした。
アメリカに行ってからスターバックスの生みの土地であるワシントン州に住んだためドリップコーヒーだけでは飽きたらず、エスプレッソ系のコーヒードリンクも大好きになりました。私が渡米したのは1996年なのでそのころ日本にも第一号のスターバックスができて、日本にも「カフェラテ」だの「カフェマキアート」だの、一応イタリア語なんですけれども多少アメリカナイズドな言葉が入ってきましたよね。自宅にもエスプレッソマシンを購入して毎朝、毎晩と楽しんでいました。
今住んでいるイタリアは当然コーヒー天国です。1ブロック毎に小さなローカルなバールがあるし、観光地でなければカプチーノはだいたい安くて60セントから高くて1ユーロ程度。コーヒー(エスプレッソ)は50セントから70セント程度でしょうか。当然ローマ市中心部の観光客が集まるところで席に座って飲んだりすると、ぎょっとするほどのお値段のこともあります(3ユーロなど!)。でもたまたま観光地にいるというときは、そんなことは気にせずにコーヒーを飲んだりします。つまり、私にとってコーヒーはコーヒーでしかなく「ああ、コーヒーが飲みたい」というときにお財布の許容範囲で美味しいコーヒーが飲めたらそれが一番大事なことなのです。
イタリアのバールではレジで支払いをして、レシートを持ってバールのカウンターにいってバルマン(バリスタ)さんと目が合い次第注文をするのが一般的です。バールやバルマンによってその「キュー」はさまざまで、”Prego?”(注文どうぞ?)と丁寧にいってくれる時もあれば”Ciao dimmi?”(やあ、言って?)とかなりカジュアルに聞かれることもあれば、無言でじっと見られる場合もあります。それでもなんでもいいのです、私は私の好きなコーヒーさえ手に入れられれば。それで注文しますが私は普通のカフェが基本的に好きなので”un caffè, normale per favore”(コーヒーをひとつ、普通のをください)とやるか、ちょっともうちょっと濃いのがいいときは”un caffè, doppio per favore”(コーヒーをひとつ、ダブル(ショット)でください)とやります。朝だとカプチーノなどが欲しいので”un cappuccino per favore”ですね。
上に出てきたスターバックスの「カフェラテ」はイタリアでは通じたり通じなかったりするでしょう。「カフェ」はコーヒーで「ラテ」、正確には「ラッテ」は牛乳です。ほとんどのところでは思った通りのいわゆる「カフェラテ」が出てくると思うのでそこまで心配はいりませんが田舎だと「?」ともなりかねません。日本やスターバックス等でいう「カフェラテ」が欲しい場合は「ラッテマッキアート」というと間違いないでしょうね。「マッキアート」とはイタリア語の受動態で「マーク(しみ)をつけられた」というような意味なので「ラッテ(牛乳)」にエスプレッソのしみがついた状態が「ラッテマッキアート」というわけです。逆に「カッフェマッキアート」も同じで「カッフェ(エスプレッソコーヒー)」に牛乳のしみがついた状態ですね。上の写真はトールグラスに入っているのがラッテマッキアート、手前がカッフェノルマーレです。私の家の近所のホテルのバールでいただきました。ホテルのカフェはだいたい高いのですがクオリティが高いこともときどきあって私は嫌いではありません。がやがやわいわいしていないのも良い感じ。
週末に朝早く起きて「さて今日の予定は」なんてベッドの中で考えたりしているときに「とりあえずコーヒーでも飲もうかな」と思いついた時のワクワク感ってすごいなぁといつも思ってしまいます。2度寝ができそうなくらいふんわりしていた私の脳みそもサクっと起きて貧血+低血圧なのにガバっと起きたくなってしまいます。そこをなんとか我慢してゆっくりと身を起こしてキッチンでコーヒーを準備する幸せ。沸かしている間にお気に入りのカップを準備したり、コーヒーのためだけのテーブルセッティングをしたりして、かなり好みな時間です。そして私のコーヒーポットが「コトコトコトコト」と言い始めたときの慌ててキッチンに走らされる感じもなにもかも全部まとめて好きです。
職場で友人や同僚と”Caffè?”と言い合って屋上のテラスで飲む時間も幸せの時間。カウンターで注文してからバルマンが無造作にぽんぽんと置いてくれるコーヒーを受け取る時間の小さな幸せ。「マッキアート」で白いハートができていたり、ときどき3つのハートになっていたりして幸せが倍増、3倍増してしまうことも少なくありません。
週末の朝に近所の友達が眠そうな声で電話をかけてきて「コーヒーいこう」と誘ってくれることもよくあって、そういうのはだいたい11時ごろなので早起きの私はもうすでに朝のコーヒーは1ラウンド終わってしまっているのですが、それでも二つ返事で行ってしまいます。土曜日、日曜日の遅い朝のバールは大人気で老若男女みんなでおいしいカプチーノとおしゃべりで盛り上がっていて、家では作れない系統のペイストリーを頼んでブランチ代わりにしてしまうのです。朝、すっきり目覚めさせてくれて、わくわくさせてくれて、幸せな気分をくれて、同僚や友人との社交の潤滑油にもなってくれて、しかもすごく美味しいコーヒー、いつもありがとう。
はじめまして^^
Blurry(曲名)から来て、キャリア見てびっくりしました・・・。
熊本、行った事ありますよ^^
自分は福岡県で、小さい頃に何度も旅行で連れて行かれました。
失礼の無い言葉遣いをと思うのですが、勉強不足です・・・、失礼があった時はごめんなさい;
また見にきます^^
始めまして、OSTINSE STATIONを検索していました。
7月5日から20日迄、母娘2人 イタリア滞在します。
14泊全部をホテル暮らしする程余裕が無いので、サブレットと
ホームステイなどで節約しようと考えています。
そちらローマは、26年ぶりの雪が降ったそうですねぇ。
ここ香港も今年は寒さ(10℃以下)が続いているので、ペットの
チンチラ君(猫ではない 柔らかな毛並みの小動物)は、
{{{{( ̄(エ) ̄||| }}}}寒ううぅ~ と、不満を言っています。
私もコーヒーは好きなので、デロンギのカプチーノメーカーを
使っていました。 これが壊れた後にネスプレッソ製品を下見・・・
でも、予想よりお値段が高いのでミルクフォームだけ買いましたぁ。
コーヒーメーカーは、普通の物です。
娘は、UC Davisで大学生しています。
では、また。
こんにちは。にわとりです。
私もコーヒー(カフェオレ)が大好きなのですごく共感しました。それにいつもカフェインがなんぼのもんじゃって思っていたのでうれしいです。
イタリアのコーヒー、(私のいる中華圏からすると)さぞかしおいしいんだろうなあっていつも想像しています。
にわとりさん:コーヒーおいしいですよね。私は紅茶も緑茶も好きなので強烈な量のカフェインを毎日摂っていますが、イタリアの濃いカフェを飲んだあとでもすぐに熟睡できるのでラッキー体質だなと思います。イタリアのコーヒーはこの硬水のおかげか、日本で飲むのと全く違う味ですよ。何かの機会にイタリアにいらっしゃることがあれば是非おしえてくださいね。お勧めのバールなどあります。
Kyonchillaさん:イタリアにもうすぐいらっしゃるんですね。そうなんです。今年は珍しく雪が降りました。びっくりしました。夏のイタリアはすごく暑いのでそれもびっくりされるかもしれませんが、どうぞ娘さんと楽しい思い出を。
チャマさん:Blurryいい曲ですよね。福岡の方なんですね。熊本も何度も行かれたことがあるんですね。愛する故郷なので話題に上がるだけでとても嬉しい気分になります。またぜひお暇なときにでもブログみにきてくださいね。これからもどうぞよろしくします。