前回のエントリーとちょっと話が前後しますが、オリエント急行の発着駅はイタリアはヴェネツィア。ということで私たちはローマからユーロスターに乗ってヴェネツィアに行ったのですが、オリエント急行が発車する時間よりもずっと前に到着してちょっとサンマルコ広場でも回ってからAさんにとって2度目のヴェネツィア(私にとっては3度目)を楽しんでから出かけようということになったのですね。それで到着したのがちょうどお昼時だったのでちょっとランチできるところを探そうということになって入ったのがこのトラットリア、センピオーネ。
リアルト橋から歩いてサンマルコ広場に行く間に小さなカナル(カナレット)を超えて行くのですがその橋の近くにある地元料理が自慢のところみたいです。それにしても、暗い店内に入った瞬間、カメリエーレが地元の客らしき人々と歓談していて一瞬ひるんだんですが、旅行客な私たちを見てもにこやかに「こっちこっち」とこの写真に見えている窓際の席に案内されてすごく嬉しい気分になりました。やっぱり北イタリアの人々は親切でいいです。といってもこの人が特別親切だったのかもしれませんが。
写真で分かるように食事中に何度も何度もこういったゴンドラが通り過ぎて行ってゴンドリエーレのお兄さんがウインクしてくれたり陽気に歌を歌ってくれたりでとても良い雰囲気でした。私たちはいわゆるヴェネツィア料理を食べようということになって、Aさんが強烈においしいSardine in Saor(サーディンの南蛮漬け)を頼んだので、一口食べてみて、強烈に感激しました。南蛮ってイタリアのことだったのかしら、もうとにかく日本人の心をがっちりとつかむ味ですね。今思い出しても唾が出ちゃいます。私はというと、あっさりしたものが食べたかったので普通にカプレーゼを頼んだのですが、おしゃれカプレーゼではなく、ローマの食堂で出てくるようなブツ切りのモツァレラとトマトがどかんどかんとフレッシュなバジルと一緒に出てきてそれまた感激でした。プリモはこれまたヴェネツィア料理、イカスミのリゾット。舌触りが良くてかすかに甘くて本当に美味しかった。
ヴェネツィアはいついっても非日常が待っていてくれてなんだか新鮮です。Aさんはどの国のどの街に行っても船が大好きで船に乗るだけでワクワクしてしまうみたいですが、今回も同じで水上バスのヴァポレットに乗った瞬間満面の笑みで日頃の仕事の疲れも何もかも吹っ飛んだみたいで幸せそうでした。良かった良かった。