Appaloosa

20080215_once.jpgAppaloosa (2008), (A-)
私は西部劇(ウエスタン)は特に好きでも嫌いでもないのですが、Ed Harrisが監督・脚本・主演したこの映画は、とにかく西部劇のカッコいいところがぎゅーっと詰まっていて、でもそのわりにはドンパチが(ほかのウエスタンに比べて)少なめで、心をつかまれました。エチオピア航空での飛行中に観ました。
なんといってもEd Harrisの影を思いっきり薄くしているとも言える共演のViggo Mortensenさん。いいところを全部持って行き過ぎでしょう。カッコ良すぎるでしょう。モトがあんなにカッコ良いのに、役の設定があんなにカッコ良かったら本当にどうしたらいいか分かりませんね。声も素敵。Hidalgoの時も思ったけれど、ダスティな風景があんなに似合う方もなかなかいません。ぴったりです(ダスティって日本語でなんていうんでしょう、砂ぼこり?ほこりっぽい?どれもしっくりきません)。
そして実はRenee Zellwegerが登場したときに、申し訳ないながらも、あーこの状況に彼女はちょっと似合わないかも、と違和感を感じたのですが、やっぱり悔しいですが彼女はすばらしいですね。西部の男にモテモテの美女という役だと思うと、ちょっと美女度が足りない(大変失礼)とみんな思うと思うのですが、ずっと見ていると、つまりそういうことなんだ、と最後にBragg’sのピアノバーで練習している彼女を見て真剣に納得しました。あれは、つまり、西部の街で生きる未亡人のサバイバルなのです。あれは彼女の強さなのです(同時に弱さでもあるけれど)。それを納得して初めて、女優さんのすごさにも納得しました。こうして最終的にどんな役でも自分のものにしてしまって、結果彼女以外は考えられないような状況にしてしまえる女優さんということなのでしょう。
それにしても表題のAppaloosaは原作の通りなのですが、架空の西部の小さな町の名前です。が、実は私はそれに釘付けになったのです。私のサイトを昔から読んでくださっている方はもしかしたらピンとくるかもしれませんが、私は10年近く、「パルーズ」と呼ばれるアメリカの北西部の小麦畑が広がる地域にすんでいました。そのあたりはその昔Native American、つまりアメリカンインディアンの一部族である、ネス・パース(Nez Perce)という部族がすんでいたところで、その頃その部族がブリードして育てていた、非常に特徴のある馬がAppaloosaと呼ばれていたのですね。詳しくはこちらの私のエントリ(Appaloosa Museum)をご覧くださいね。残念ながら映画にはその馬は出てきませんでしたが、急に昔の思い出に引き込まれて、そしてプロットの面白さや、なんとなく続きができそうな予感などから、観たあと本当に充実した気分になって「いい映画をみちゃった!」と嬉しくなりました。西部劇が好きな人にも、エドハリスが好きな人にも、Viggoが好きな人にも、そしてReneeさんが嫌いな人にでも、おすすめです。良かった。とにかくいろいろカッコ良かった。[ DVD | 日本語DVD ]

2 Replies to “Appaloosa”

  1. アパルサ乗馬牧場、っていうのが大津に行く途中にあったのおぼえてる?私の上司で乗馬が趣味だったオッサンが、毎週かよってたよ。ステキな映画とはかけ離れたコメントでごめんねー。えへへ。

  2. お姉様:えーそうなの?全然覚えてないです。ごめんなさい。でもそうなんだ、そんなものが大津に(というより大津にいく途中?)にあったとは!大津、すごいな!でもオッサン上司が通ってたなんて、ほんとステキ映画なのにーーー!でもふと郷土愛がこみあげてきたのでOKです。またコメントしてね。

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