お部屋で年越し中

大晦日の午後11時をすぎたところです。こちらが夕方の時に日本ではすっかり紅白もゆく年来る年も終わり新年を迎えていましたが、それからゆっくり年越しそばを作ったり明日のおせちのためのレンコンと牛肉の煮物を作ったりかまぼこを切ったり、そしてその全てをちょっとずつ食べたりワインを飲んだり今年一年をAさんとふたりで振り返ったり、本当に様々なことをしたにも関わらず、新年までまだあと1時間あります。
今日は朝から職場の敷地内のお店でAさんがお買い物をするというので一緒にいったあと、オフィスでちょっとだけメールを処理して、そこから地下鉄に乗ってカヴールまで出て、てくてくと歩いてクイリナーレの丘にいってきました。というのもScuderie Quirinaleにベリーニ展が来ているということをAさんが見つけてきて、行きたいということだったからなんですね。前の日の夜にふとネットで調べてみたらチケット予約+購入ができたので、夜のうちから購入しておきました。というのも今まで私はクイリナーレでの美術展に2回ほど行ったことがあるのですが、そこでは「見せ行列」を作らされるんです!中には大した人数はいないのに、「人数制限をするから」といって予約以外の客は外でひたすら30分以上並ばされるんですよ。それでそのチケットプリントアウトを持って出かけたら待ち時間ゼロ、しかもセキュリティを通る時にスタッフのひとりがあちらから近づいてきてNome?(お名前は?)というので名前をつげるとささっとチケットをくれたあと、ガイドブックはイタリア語がいいか英語がいいかと聞くので英語と答えると、奥まで行って英語のガイドブックを2冊とってきてくれました。とてもスムーズ。
それからゆっくりと見て回って、ベリーニの作品もとても感慨深くいろいろと思うところがあったのですが、クイリナーレで嬉しいのはこの建物そのものと、そこから見える景色。展示場になっているお部屋とお部屋の間を移動するたびにクイリナーレ広場の景色やその先のローマの絶景が見えたりして本当に非現実感を味わうことができるのです。写真はそんな窓の一つの前にじっと立つAさん。ここの中階にあるカフェテリアやレストランもとても良いです。私たちもケーキとお茶をいただきました。


ところで前回の更新から毎日かなり生産的に活動しています。月曜日は午前中からEUR(エウル)と呼ばれるローマ万国博覧会会場だったエリアにAさんを連れていき、私の好きな大きすぎる教会や広すぎる道路、そして最近補修工事をしている(といっても私が来たときからずっとなので少なくとも3年以上)通称「四角いコロッセオ」のPalazzo della Civilitaに行きました。観光客は訪れないけれど、ムッソリーニ時代のファシズム建築の一環の建物なのでなかなか興味深いところです。残念ながら当時の建築資料などは今はほとんどないそうなんですけどね。この建物とその近くの教会のキューポラは、空港から市内へのタクシーの車窓などからちらっと見えるかもしれませんね。そしてそのままそのエウルでランチ。Aさんのご希望でこれにしました。チーズももちろん美味しいのですが、前も書いたようにバンズの部分がイタリアンな感じで良いですね。飛ぶように売れてました。
それから私は仕事は休みをとっていたものの、夕方の4時にトルコから来た専門家とのミーティングをどうしてもやらなければいけなかったため、職場へ。1時間ほど一緒に話したあと夜は家でゆっくりしようということになり、私がなんとパンチェッタ(イタリアンベーコン)とふわふわ卵を使ったパッタイを作成しましたよ。Aさんがその意外な組み合わせに驚いたのかぺろりと2人前食べてました。
火曜日は私があまりにも素敵素敵と連呼するのでAさんの興味をすっかりひいてしまったブラマンテの回廊に行ってきました。私は前回友達のAと一緒にシーザー展を見たのですが、うっかりオーディオガイドを借りなかったので話が半分以上分からず密かに悔しい思いをしたので、もう一度今度はオーディオを聞きながらゆっくりまわりたいと思っていたのでAさんの希望はとても好都合で、ふたりでこの展覧会に行ってきたのでした。Aさんはアメリカでの院生時代にHBOのRomeを見まくったため、歴史的な事項だけではなくシーザーにまつわる様々なドラマの詳細を知っていて、いろいろと話を聞けて非常に楽しかったです。ガイア戦記の話など、そこに展示されているものや地図などを見ながらの理解だったので鳥肌がたつほどでした。良かった。そしてお気に入りのカフェテリアでランチ。夜をたっぷり食べたい私たちはこのランチは洋梨とゴルゴンゾーラとくるみと地中海風グリーンのサラダ+バゲットのみにしました。ランチのあとはコーヒーをお願いして、持ってきていたコンピュータ(このたび新しくセカンドマシンとしてMacBook Air 1.86GHzを手に入れました!今まで通り、PoweBook G4 1.67GHzはメインマシンとして使っていきますが、これから出張などにはAirが活躍することになると思います)を開いて、元旦から出かける3泊の旅行のスケジュールをたてました。ブラマンテ回廊のカフェテリアはWi-Fiもフリーで居心地がいいのです。
そして一度家に帰ってゆっくり。8時半くらいになってローマの人々も外出を始めた頃私たちも出かけて、一度Aさんの上司のSさんをお連れしたこともあるゲットー(古代のユダヤ人住宅街+マルチェロ劇場遺跡などのあるエリア)の美味しいレストランに行ってこてこてのローマ料理+ゲットー料理をいただきました。アーティチョーク(カルチョフィ)が強烈に美味しいのです。実はこのゲットー料理のレストラン、私はお気に入りが2軒あって、ひとつはGiggettoというお店でそれこそ遺跡の真横にある大きなお店。そこは中庭もあって雰囲気も良くて観光客もローカルもいろいろな人がいるし、本当に典型的なローマの料理が全部あるので、ローマが初めて、という人はかならずそこに連れていくようにしています。
もう一軒はなんとそのとなりにひっそりとある小さめのお店でIl Giardino Romano(The Roman Garden、ローマの庭)というレストラン。名前の通り素敵な中庭があって夏のここでの食事は非常に嬉しいものがあります。どちらもメニューは似たような感じで、サービスもかなり「食堂」レベルなのでそれこそ個人の好みの話になりますが、雰囲気重視の方はGiggettoのほうが嬉しいと思います。でもサービスの良さ(早さや対応など)は後者が良いような気がするし、私は個人的には後者のほうが味が良いような気がするんですよね。こればっかりは気のせいかもしれないのではっきりとは言えませんが。どちらも隣同士にあるのでぱっとみて混んでいない方に入るという方法でもいいかもしれません。Giggettoのほうが明らかに見た目が派手です。
お腹が満足しすぎるくらいに満足してその日は帰り、そして今日に至るわけです。クイリナーレからはトレビの泉のほうに歩いて降りて、大晦日というのに大量の観光客をかきわけてふたりで記念写真をとったあと、ショッピングストリートであるコルソ通りを歩いて、ふたりしてニットのお洋服が欲しいねという話をしていたのでAさんは薄手のセーターを3枚、私はセーターを2枚とスカートを1枚、そしてニットドレスを2枚も一気に購入しました。ニットのドレス、かなり気に入りすぎて、「これに合うベルトも欲しい!」と大人買い(っていわないか)しました。
そして車を置いていた職場までベネツィア広場から160番のバスにのって行ったあと、車で帰ってきたというわけでした。しかもここで終わるのではなく、私は始めに書いたように、キッチンでずーっと作業していたので、やっといまこうしてゆっくりと新年を迎えようとしているわけです。
みなさま、2008年もおかげさまで楽しく幸せでした。2009年も同じように幸せでいれたらいいな。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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