音楽の都ウィーンにて

Vienna Vacation
Full Album is available at Vienna Dec 2006 | Flickr

週末プラス月曜日1日だけお休みをもらって、2泊3日のちょっと早めのクリスマス休暇を楽しんで来ました。一緒に 行ったのは友達のアンジェラ(イタリア人)で、共通の友達であるジュリア(彼女もイタリア人)が今ウィーンに住んでいる!ということでこのチャンスを逃すわけにはいかないということになって飛行機でピューっと飛んできたのでした。しかも、アンジェラは現在ピレリというイタリアの大きな会社のローマ本社とミラノ支社の2つの部署を担当していて、アリタリア航空のフリクエントフライヤーなので、この航空券はアリタリアなのに激安で、かつ、税金部分はアンジェラが「クリスマスプレゼントよ!」と言い張って私のお金を受け取ってもらえなかったのでなんと無料の交通費となりました。ありがたいことです。

見たこともないほどに厚い雲の層を突き抜けて到着したウィーンの町は霧につつまれていて見るからに極寒でしたが、飛行機を降りてみると、果たしてやはり久しぶりに「骨の髄まで染み入る寒さ」というのを体験しました。先々週ダーエスサラームの空港で40度の蒸し風呂に入っていた身にはかなりこたえます。でもそんな寒さもなにもかも忘れてしまいたくなるのがウィーンの美しさ。いろんなヨーロッパの町にいきましたが、ウィーンの町並みというのは、いわゆる私を含め多くの日本人が「ヨーロッパの町並み」としてイメージしているものなんじゃないかと思います。高い細い並木のある道。コンパクトで小奇麗なダウンタウン。河に沿って立ち並ぶ白くてきれいな飾りが施してあるアパート群、などなど。

ジュリアの住む町の駅に降りて、アンジェラが携帯を出して電話をかけようとした瞬間、遠くから、「マサミー、アンジェリーナー!」というジュリアの声が。プラットホームから細身のジュリアがトコトコと歩いてくるところでした。きゃーーー!と再会を3人で喜んだあと、荷物をジュリアのフラットに置いて、ジュリアにつれられるがままに、クリスマス一色のウィーンの町へ。マーケットで美味しいドイツ風のパン(白パンや黒パン)を次々に差し出される美味しくてかわいいチーズ(チーズは全てパプリカやナッツなどで飾りつけされているので「かわいい」チーズなのです)と一緒に試食したり、「ウィンナー」といわれるほど当然に美味しいソーセージとサワークラフトをほうばったり、あっというまに時間が過ぎていきました。

ジュリアは建築家なのでウィーンにあるいろいろな建物の説明をしてくれて寒さと喜びでゾクゾクするほど楽しい町歩きでした。しばらくモダンアートのマーケットを見て回ったり(ジュリアは40ユーロもする写真を買っていた!)、モダンクラフトのマーケットを見て回ったり(アンジェラは200ユーロもする銀のイヤリングを買っていた!)したあと、当然「ウィンナー」コーヒーを味わうためにカフェへ。

途中で合流したジュリアの友達クレメンツ(オーストリア人)が、いいところにつれてってあげる、と言って、ウィーンに訪れる人がみんな愛するという、街中にあふれる数々のカフェの中でももっとも有名な、数多くの芸術家が愛したという古いカフェへ行って何時間もみんなでおしゃべりしました。ウィーンのカフェはローマのそれとちがって、「長居する」ためのカフェ。オーストリア人にとって、快適な時間をカフェで過ごすのはとても大事なことなんだそうです。私もそのコンセプト好きだわーと、にわかにウィーンを好きになりました。

クリスマスマーケットを見て回った後、暗くなって寒さも本格的になってきて、ローマの温暖な気候に甘やかされてきたアンジェラの歯がカチカチ言ってきたところで、私たちはこの時期に特設される、ちょっとしたパティオのあるドリンクスタンドに立ち寄りました。プンチ(Punsch)という温かいワインを飲むのです。マグカップの代金と一緒にプンチ(シナモン風味やアップル、オレンジなどいろいろなプンチがあります)を買って立ち飲みするというのがスタイルで、マグカップを持ち帰りたければそうすることもできるし、2杯、3杯と飲んだあとに返却するとカップ代を返してもらうこともできます。私はオレンジのプンチを飲んだのですが信じられないほどに美味しくて体があたたまりました。サングリアぽい、といえば想像しやすいかもしれません。

そして最後の夜に行ったのがこの写真のピアノコンサート。ウィーンフィルオーケストラが演奏するこのシアターに開演45分前に到着したジュリアが、「ちょっとまってて」といってドイツ語でカウンターの人としばらく話したあと、一人たったの10ユーロで買ったチケットがこの超貴重で不思議な座席。なんと、オーケストラだと大きめの楽器(チェロなど)の奏者が立つであろう壇上の席だったのでした!この夜のピアノはベートーベンのソナタ。有名な「ソナタアパッショナータ」のほかにも、ベートーベンの中でも表現豊かな楽章が選んであって、もうなにからなにまで感動しました。

ジュリアのフラットに帰ってからも、フラットメイトのカティ(オーストリア人)と4人で夜中の2時までおしゃべりして(クレメンツが優しくて素敵だとかそういうくだらない話)、ああ、とても楽しい3日間でした。ウィーン、また絶対遊びに行こう。

2 Replies to “音楽の都ウィーンにて”

  1. ローマのカフェは短時間なんですね。初めて知りました。日本は長めかな?プンチ呑んでみたいです!お酒好きなので。日本もクリスマスが近づき、町はフェアー一色です。今年は暖かく感じます。去年は沖縄にいた私がそう感じるのだから、たぶん暖冬だと思います。今年もあと僅かですね。また楽しみに読ませていただきます。

  2. ぽんぽんぽんたさん:そうなんですよ、ローマは超短時間です。95%の人が「立ち飲み」です。割とたっぷりめのカプチーノですら、立ち飲みが多いですよ。エスプレッソだと20秒くらいで去って行く人も多いです。だからバリスタ(バルマン)の技量は「素早さ」で計られるみたいですよー。ゆっくり目の私でも、ローマのバール滞在は平均8分といったところかもしれません。

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