Loy Krathong @ Oriental Hotel

krathongバンコクのホテルといえばオリエンタル(タイ語だと「オリエンタン」)というほど有名なオリエンタルホテルですが、例のロイクラトンフェスティバルが盛大に行われるチャオプラヤ川のほとりに他の有名5つ星ホテル(シェラトン、ペニンスラ、シャングリラなど)と一緒に建っています。ロイクラトン(タイ語だと「ロイ・ガトーン」に近い、「ガ」は「グラ」を急いで言う感じ)の夜はその4つのホテルから次々に花火があがってキレイだというので、この際超高級オリエンタルホテルまで行っちゃえ、ということになっていってきちゃいました。写真はオリエンタルホテルのエントランスを入ってすぐにあった、ちょっとした噴水を利用して作ったらしい特大クラトン。「ロイ=浮かべる」「クラトン=灯籠」というような意味だそうです。噴水の下には小さなクラトンがいくつかキレイにデコレートされて浮かべてあって、とても可愛かった。小さな子供もやってきてそれを見て手をたたいて喜んでいたので子供の目から見てもすごくカワイイ楽しいものだったのでしょう。
それにしてもオリエンタルホテル、やっぱり他のホテルと一線を画してますね。とりあえずみなさんの服装がなんとなくキチンとしてるんです。もちろんフェスティバルの夜ということもあったんでしょうけれど。でもかといって場違いな服装で来る人を特に拒むわけでもなく、それがバンコクらしさといえばそうなのかもしれません。私はちょっとダークブルーっぽいスカートに黒のドレスキャミソールみたいな格好をしていったんですが、「オリエンタルに行く!」という気分ではなくて「暑い夜にテラスダイニング+花火を楽しむ」という状況を期待していったんですけど、到着してみると、オーバードレスドな人もそんなにいなかったし、そのくらいの格好がベストなのかなという雰囲気だったのでほっとしました。


musicさてこちらはそのオリエンタルホテルのロビーで行われていたクインテット生演奏。思わず映画「タイタニック」を思い出してしまうような静かでキレイな演奏で感激しました。私が嬉しかったのは、実はここの日本人宿泊客のみなさんだったりします。いや、それはそれぞれいろんな方がいるんでしょうけれど、私がこの音楽を聴きながら座っていたときに、ロビーに入って来た4人の40台後半の女性4人が、全員タイシルクのかわいらしいドレスを着て、キレイにお化粧して静かなんだけれど無言のキャピキャピが感じられてとても微笑ましくて素敵でした。素直に、ああいいなーと思いました。そして私が座っていた椅子のすぐ後ろに来て腰掛けてらしたんですが、会話の内容が、「20年前に来たバンコク」でした。どうやらみなさん若いときにバンコクに来たことがあったみたいで、その時の懐かしい話をしているようで、思わず聞き耳をたてて、いったいどんなバンコクを彼女達は知っているんだろうと思って会話に参加したくてしたくてたまらなくなりましたよ。
table当日は残念なことに、突然7時半頃から大雨が降り出してしまって、私たちはテラス席を予約してあったのでしばらく待つことになったんですが、結局8時頃雨がやんで、ホテルのみなさんが大急ぎでテーブルセッティングをして通されたのがこういった席でした。とても素敵。ひとりひとり椅子をひいてくれて、ナプキンをかけてくれて、お水をくれて、ワインリストをくれて、といわゆる一流レストランな流れ。でも残念なことにワインリストがあまり良くなくてワインを飲む気にならず、トロピカルフルーツのカクテルなどをいただきました。
すぐ横はチャオプラヤ川で、たくさんのフロート(豪華に電飾がついたボートなど)が通り過ぎて行きます。上がったばかりの雨のせいか、大気がほんのりと上気しているかのようになっていて、そして空が曇っていてせっかくの満月も見えず真っ暗だったんですが、それが逆にそのフロートの光を、なんだかぼんやりにじんだような色にしていて幻想的でした。実はチャオプラヤ川は昼間は「幻想的」とは全く対照的なイメージを持った川なので、こうして見ていて不思議な気分でした。
waterわたしたちは噴水の近くに座ったんですが、こうしてだんだん時間が近づいてくると人々でいっぱいになってきます。でも本当に残念なことに時々雨が降って(それも激しく)、食事の途中にロビー(あの「オーサーズラウンジと呼ばれるところです)で贅沢な雨宿りをしたりすることになって、ちょっと貴重な体験でした。本来ならば11月の半ばに、この雨期の名残があるというのはとても珍しいことなんだそうです。日中の気温もだいたい35度まで上がるし、雨も、短い時間(15分くらい)とはいえ毎日降るし、まだ「雨期」なんですね。いつになったら観光ピークの「乾期」がやってくるんでしょうか。はやく雨期が終わって欲しいですね。このテラスでサーブしてくれたタイの男の子も、「ロイクラトンの夜に雨が降ったのなんて初めて」と言ってました。地球の気候なんて変わらない方がおかしいのは分かってますが、着実にどんどん変わってきているんだなーとこんなところでも思いました。
pool「プールサイドでバフェ(ビュッフェ)の準備ができました」ということだったので私も立ち上がって行ってきました。この大きなプールにキレイなロイクラトンがふわふわと浮かべてあって、そのプールサイド全てにズラっと並んだ様々な料理の数々!感動しました。サテイから始まり、ロブスター、エビのバーベキュー、パッタイ、パッシーイウなどの麺類、カオパッ、カオニャオなどのご飯類、スープ、カレーそれぞれ10種類ずつくらい、ガイトーッなどのフライ物、ペッヤーン、ガイヤーンなどの丸焼き系、ベトナム系のスプリングロールやヌードルスープ、などなどこれ以上タイっぽい、あるいはアジアっぽい料理の勢揃いは見た事がない!というほどさまざまなものが並んでましたよ。もちろん、日本食コーナーもありました。お寿司などがメインです。でもこんなバフェでお寿司なんか食べちゃうとすぐお腹いっぱいになってしまってこまるので、サテイやガイヤーンなど私の好物を中心にいただきましたけどね。
fruitsフルーツのところにはこんなカービングが。上手ですよねぇ。タイのレストランに行くとだいたい、きゅうりや人参、フルーツなどの類いはこうして美しくカービングされていて感動します。このフルーツコーナーの近くにはバーもあっていろんな飲み物がオーダーできますが、その近くにちょっと離れてぽつんとある小さな屋台風のコーナーがあって、誰もいないので好奇心旺盛な私が行ってみると、「タイコーヒー」あるいは「タイティー」のコーナーでした。熱く濃く煎れたコーヒーあるいは紅茶を、コンデンスミルクとブラウンシュガーで甘く甘くしたあのタイコーヒー/タイティー。オリエンタルホテルのスタッフにしては珍しく英語が分からない人だったので、私の数少ない「しゃべれるタイ語」のうちのひとつで、大得意な「アイスコーヒー下さい(アオガフェーイェンカー)」攻撃が通用して嬉しかったです。だから誰もいなかったのね。
sweetsそして当然デザートのコーナーもあります。写っているのはちょっとした洋風のフルーツ系のデザートですが、他にもいわゆるタイデザートコーナーがあって、目の前でコツコツと作っているのを見て感動しました。ココナッツミルクを使ったものがほとんどですね。餅米をココナッツミルクで味付けしてマンゴーと一緒に出すのは一番有名なデザート。そしてココナツアイスクリーム、ココナツゼリー、卵黄とお砂糖で作ったお花の形をしたデザート、フルーツとくにゅくにゅしたものをシロップとココナツミルクに煎れてあるデザート、などなど。
他にも濃厚なチョコレートケーキ、キャロットケーキ、タルト、パイ、カスタード、プリン、ゼリーなど、ありとあらゆるデザートが用意されていました。途中また雨もふったのでそんなに見て回ることはできなかったんですが、かなり目の保養になりました。バフェ形式なのでデザートの時間になると、結構そんなに入らないようなお腹の状態になってしまうんですよねぇ。
danceテラスの中央部分には舞台が特別に設営してあって、お食事の間中、なんらかのショウが行われていました。タイの伝統舞踊だったり、テーブル番号をもとにサプライズのプレゼントだったり(当らなかった…)、ちょっと面白いトークだったり、いろいろです。写真はタイダンス。タイの衣装って本当にどれもきれいで、特に何も考えずに見てしまいますが、それぞれ「アユタヤ時代」とか「スコータイ時代」とかいろいろな「時代」によって衣装も違うみたいで興味深いです。私はこの金色のとんがった冠のようなものをしていて、女性が肩を全部出すようなタイプの衣装をぐるぐると巻き付けて、長いシルクの巻きスカートをはいているのはいいなーと思います。それは多分アユタヤ時代。どうしてそう思うかというと、先日観た映画の「スリヨータイ」の中の女性がそうだったからです。とてもセクシーなのに清楚感がただようなんて、女性の永遠の憧れのような気がするんですがどうでしょうか。
fireworksそして夜10時、花火が始まりました。最初4つのホテルから同時にどんどん花火があがったので、どれを観ていいか迷うくらいキレイでゴージャスでした。そしてしばらくシェラトンからの花火ショウ。そのあとお向かいはペニンスラホテルから(写真)。そのあと川下のシャングリラホテルから。そして最後にここオリエンタルホテルからのショウという形でした。キレイだったー。
というわけで、夜の6時半から11時くらいまでの4時間半、ゴージャスな気分と美味しい食事とキレイな花火に囲まれて楽しんだ後、ゲストはそれぞれロイクラトンをもらってひとりひとり桟橋に連れていってもらって、お願いごとをしながらそれをチャオプラヤ川に流しました。私も流しました。日本で灯籠流しというと、ご先祖様の霊をとむらう、というような雰囲気がありますが、こちらの灯籠流しは、むかしスコータイの女王さまが、いつも恵みをくれる川にお礼をするのと、そんな川なのに汚してしまう人間を許してもらおう、というのとでこうしてロイクラトンを始めたんだそうです。ときどき渋滞のひどいときなんて私の足にもなるチャオプラヤ川ですからね、私もお礼を言っておこうと思って、変に神妙な気分でロイクラトンを流しましたよ。

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