ワット・アルン

連続してお寺トピックですが、こちらは逆光が素敵なワットアルン(写真がヘタな言い訳)。日本語だと「暁の寺」と呼ばれます。三島由紀夫の同名の著作もあっていろいろと日本人にはなじみのあるお寺みたいですね。
ウンチクをちょっと書くと、このお寺は昔の名前をワットマコークといって、本当に小さな質素なお寺だったそうなんですね。ですが、トンブリー王朝時代のタクシン王が、ここを王室寺院と決めて、実は、先日かいたワットプラケオにあったエメラルド仏像さまも、そのタクシン王が作らせて、このワットアルンに祀っていたということなんです。チャクリー王朝になったときに、新しくワットプラケオを王室専用のお寺にすることにしたので、各地の有名な国宝級のお寺関係のものはそのワットプラケオに移されてしまったらしく、今となっては、このワットアルンでの見所は結局この高い塔そのもの、ということになります。ワットアルンはバンコク中心地から見てチャオプラヤー川の西側にあるので、なかなか日常的に行けるところではないので、私にとって、このチャンスはまたとないチャンスで嬉しかったです。でもこの暁のお寺、名は体を、の例に漏れず、朝焼けを受けている姿をチャオプラヤー川の東から見ると本当に凛とした美しさです。


遠くから見ると、色とりどりで華やかに見えるこの塔も、実はこうしていろいろなガラクタ(失礼)をなんとか飾りにしてある、わりとチャチな作りになっています。それでも、この大きさ(高さ79メートル、とガイドさんが教えてくれました)のものに、こうしてせっせと小さな模様を作っていくのは大変なことだろうなーと思います。地味だった時代は16メートルくらいだったらしいんですが、そのラマ3世が大きくさせたとか。ちなみに現在の王様はラマ9世です。メートルで言われても、私なんかの場合はピンとこないのですが、実際の大きさとしては、こちらをクリックしていただけると、私の姉夫婦が写っているので(勝手に載せてごめんね)、比較で何となくサイズが分かるのではないかと思います。
そしてなんだかお約束みたいになってきましたが、こちらの写真が、さらに近づいたところ。有田焼のような雰囲気の、中国のチャイナ(あ、チャイナチャイナになりました)の破片が分かるでしょうか。こういうのって、私の日本人的感覚から言うと、「ガラクタ的」なんですけれど、陶器そのものが「外国からの輸入もの」という意識で見ると、「うわーなんだか素敵な焼き物、割れているのなら飾りに使いましょう!」という気分になるものなのかもしれません。こういった感じで、全く統一性も何もなく、さまざまな陶器の破片がこういったお花模様のように埋め込まれて、結局全体的には統一されたデザインになっている、といった仏塔でした。
この仏塔、私の姉夫婦の写真をクリックしてくださった方には分かるかと思いますが、途中まで登ることができるようになっています。本当は数年前まで一番上の塔のちょっとしたの展望レベルまで登れたらしいんですが、事故続発だったらしくて、今は第2レベルくらいまでしか登ることができません。その第2レベルですら、かなり急で一段一段の高い階段(しかもその幅はすごく狭い)を登らなければいけないので、足まわりに自信のない私と母は、登るのは遠慮しました。父もそれにつきあってくれました。姉夫婦はくるりと回ったようでした。
ワットアルンの美しさはもしかしたら、チャオプラヤー川越しに見た方が、日本人的には楽しめるかもしれません。午前中に行くときっとすごく暑いし、午後に行くと逆光になってしまうし。でもこの装飾を間近に見ることができて本当に良かった。今度はチャオプラヤー越しに写真を頑張って撮ってみます。

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