チャトゥチャック公園(そしてタイのコミュニケーションについて、そしてまた買い物、そしてまた食べ物)

タイに来て初めての週末にウィークエンドマーケットに行ったことはもうここにも書きましたが、そのウィークエンドマーケットは、タラーッチャトゥチャックと呼ばれます。「タラーッ」は「マーケット」という意味で、「チャトゥチャック」は地名です。今日は「仕事で」、このマーケットに行ってきました。名前の通り、ウィークエンドだけのマーケットなのですが、金曜日も7割くらいのお店は開いています。人が少なくて買い物がしやすいかもしれません。写真は、そのマーケットの近くのBTSの駅、モーチット駅の裏のチャトゥチャック公園です。ここから歩いてもマーケットには行けるんですが、ここにあるチャトゥチャック駅という地下鉄の駅から一駅で、そのマーケットの敷地内にある駅に行くことができるので、それを利用したほうがいいかもしれません。Aewと朝からこの公園で待ち合せしたのでした。
実は、これは愚痴でもないし、別に悪口でもなんでもないんですが、Aewは、かなり時間に無頓着です。でもね、実はタイ人はほとんどみんなルーズです。こうしてまとめて言っちゃうとタイ人に失礼な気もしますが(きちんと時間を守るタイ人ももちろんたくさんいます)、タイ人を弁護するわけでもないんですが、これは別にタイ人が悪いとかそういうことではなく、交通の状態が悪すぎて渋滞が慢性化しているため、時間の予測ができないというのが一番の理由で、2番目の理由としてはもちろん文化があります。もともと「何時何分」と決めて仕事をしたり人に会ったりするような文化ではないのでしょう。私は文化比較学者ではないのでちゃんと説明できませんが、これは郷に入ったらなんとやらで、私のほうが「こういうものだ」と思う必要のあることなのだと思います。合理的で個人主義のアメリカ人にとってはとても辛いことでしょう。


でも、やっぱり毎日毎回時間に遅れられると仕事にならないし、私が要人に会ったりするとき、要人がタイ人ではない場合、やっぱり時間にルーズだと失礼だと思われかねないので、最初の1週間でAewが平気で30分遅れて来たり、平気で、9時待ち合せなのに、9時15分頃電話してきて「今日は10時にミーティングを変えてください」と言ってきたりして、やっぱりこれはしっかり言っておかないとダメだなと思ったので、「私は他の何も別にそこまで気にしないけど、時間に遅れたりされるのはとても気になる」と宣言しておきました。それ以来Aewの友達のWinu曰く、「Aewは、あなたとの待ち合せなど、時間に関することにはとても神経質になっている」ということだったんですが、それでも、彼女はほぼ毎日少なくとも5分は絶対遅れてきます。しかも、遅れるだけじゃないんです。時々、1時間くらい早く来たりもするんです。
私だって、絶対遅れたくないと思って早すぎる時間に行ってしまうことはありますが、日本人だったら、普通はそのままひとりで時間をつぶしたりしますよね?Aewはその1時間前に誇らしげに電話してきます。”I’m already here. Where are you?(私はもう既に来ています。どこにいるんですか?)”ときます。1時間前なので私は当然自分の部屋にいてぼーっと朝食を食べていたりしますので、非常にあせります。「部屋にいるけど」というと、「待っています」と言って電話を切るんです。「早すぎる」のが失礼だという文化ではないのです。それで私も人を待たせたままゆっくり新聞読んだりしてられないのでバタバタ準備して早めに行ったりしなきゃいけなくて、それでも当然30分くらいは待たせてしまうので、「待たせてごめんね」と約束の30分前に謝っているような状況になったりするのです。そこで「マイペンライ(気にしないで)」と言われてもムっとしない、というと嘘になりますよね。
でも、これに大した意味はなにもないのです。タイ人は本当に「おおらか」なのです。別に何かがおこってもわざわざ騒ぎ立てたりしないし、何か大変なことが起こったとしても、仲間意識が強く、困っている人を見ると助けたいと思う、そういう文化を持つタイ人、なんとかなるのです。だから困っているときは「困っている」アピールをすると絶対助けてくれます。別に利用しているわけではないけれど、困っているのに困ってないフリをすると助けてくれないので、困ったときは正直に困っていれば良いのです。
「仲間意識が強い」というのは、本当です。Aewにはいつも一緒にいる友達が3人いて、私もみんなと友人になったので、Aewがいてもいなくてもその人たちと会ったりするんですが、いつも驚かされるのは、こういう状況:
朝9時から夕方5時:Aewと一緒に仕事をする
夕方6時:共通の友人ひとり(Not)と食事にでかける
その食事のときに、「今日はAewとXXXに行って来てね、」と私の一日を説明しようとすると、Notが「ああ、知ってる、XXXに行ってXXXをして、あなた、XXXって言ったんでしょ」と、全て事細かに知っているんです。Aewとバイバイと手をふりあって、1時間後なのに、その1時間のあいだに、全てをAewが話したんでしょうね。恐るべし。でも別に悪口でもなんでもなくて、「仲間」なのでなんでも共有する、という考え方(文化)なのです。つねにコンタクトをとって、自分の状況を説明し合うんですね。仕事中にAewの携帯が鳴って、Aewが普通に応対して、私とミーティング中でも15分とか普通の雑談をするので、最初はあぜんとしながら15分待ってましたが、最近慣れました。
先日お会いしたFAOの日本人職員の方も言っていたんですが、そういうのを「失礼だ」と思うのは、実は日本人の(あるいはアメリカ人の)勝手なスタンダードであって、単なる「文化の違い」だという認識が必要らしいですね。自分の持ったスタンダードを「常識」だと思ってしまうから、「文化の違い」に触れたときに相手を「非常識だ」ととらえてしまうのでしょう。
それで何を言いたかったかというと、一番上の写真の公園で、「あー20分くらい早くきちゃったな」と思いながらぼーっとAewを待っていたら、結局40分遅れて来て、合計1時間待たされた、ということだったのでした。「神経質になっている」と聞いたときには、「悪いこと言っちゃったかな」と思ったけど、いやぁ、神経質になってないでしょう。良かった良かった。
で、雑貨バイヤーでもないのに、この巨大マーケットで何の「仕事」だ、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は来月のツーリストサーベイ(タイに来ている旅行客に、タイの食品安全についての意見を聞く)のためのインセンティブ(意見を教えてくれたお礼にあげるちょっとしたタイみやげ)を大量に買おうと思ってやってきたのでした。ハスの花の形の美しいフローティングキャンドルがひとつ4B(11円)、タイシルクの布ケースに入ったクラフトのお箸セット、一脚8B(22円)などなど、微妙な交渉をしながら購入しました。買い物は楽しいですね。人のものになるものとはいえ。で、写真はAewと食べたお昼ご飯。マーケットの中にある有名な屋台で、初めてここに来たときもここで食べました。頼んだのはベトナムヌードル。これは鶏ガラスープに米麺が入っていて、おいしいベトナムの豚肉ソーセージが入っている絶品モノです。あと中央上の白っぽいものは有名なソムタム。青パパイヤのサラダですね。チリを2本入れてもらったんですがAewにとっては辛さが足りなかったらしく、Aewは別にチリ4本の辛いのを頼んでいたので、これは一皿私が全部いただきました。美味しいソムタム。「ソムタムカイ・ブー」というとピーナツ(カイ)と小ガニ(ブー)を入れてくれます。その奥はベトナム料理に付き物のハーブや野菜。お水の入れ物もヌードルのお皿も全部かわいくて、屋台のおばさんたちのサービスも良くて、とても楽しかった。またチャトゥチャックに行ったらここでご飯食べよう。

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