タイで我が家を想う

久しぶりにゆっくりした土曜日で、今まで撮影した写真の整理(膨大な量ですが、研究発表に使う写真もたくさんあるのでタグをつけておく必要があるのです)をしていたら、タイに行く前日の写真が出て来て、うわー、とインスタントにホームシックになったので載せておきます。これはうちの母が私の好物を集めて作ってくれた夕食で、レンティルのスープと、フォカッシャブレッド。レンティルは、このサイトにも何度も書きましたが、実はワシントン州プルマン市が誇る名産物でなんと、世界の収穫量の95%をプルマンが占めています。それで私たちの友人のM夫婦(奥様はアメリカ人、ご主人は日本人のカップル)の農家が作ったレンティルを以前にたくさんいただいたので、それをAさんがアメリカから日本に送ってくれ、それを母が料理したというわけです。これ本当に美味しいんですよ。レンティルの小さいけれど存在感のある豆特有のポクポクした感じがスープにぴったりなのです。フォカッシャは母がせっせと焼いてくれました。自慢するなって感じですが、母のパンはどれも、どんなベイカリーで買うものよりも美味しいんです。


そのフォカッシャがこちら。フォカッシャって日本語だとフォッカッチャとかいいますよね。英語だとフォカッシャとかフォカーシャとかいわれる場合が多いような気がする。何もかもを英語的発音にしてしまうアメリカ。でもちゃんとフォカッチャというイタリア系レストランもある(多分原語に近い)かも。私が自分で焼くときは、サンドライドトマトやほうれん草、バジル、ローズマリー、オリーブなどを思いつきで混ぜて、上にパルメザンなどをかけて焼きますが、母のこれはプレーン。私は生地が適当なので味付けでごまかしますが、母のは生地そのものがおいしいのでプレーンが一番良いのです。これが焼き上がってほわーん、と湯気が上がって、キッチン中に良い香りが漂うと、2階で何をやっていても、何時であっても(母はなぜか、夜中に思いついてパンを焼き始めることが多い「思いつき型」の性格なので、深夜1時、2時にパンの香りが漂ってくることはよくあるのです)、つい1階に下りて来て焼きたてパンをほおばることになるのです。
ついでにこの写真も。これは東京目黒にあるタイ王国大使館。ここに行ったときは私の体調が絶不調で、全てが夢の中のような記憶なのですが、あまりにもズッシリした感じのなんだか意味ありげなこの大使館の建物を前に、わけもわからず写真をとって、セキュリティーの人に「写真はやめてくださいね」と柔らかく怒られたような記憶があります。やっぱり治外法権な公的な場所でむやみにシャッターを切るものじゃありませんね。でもすごくキレイな建物だったから、つい。そして研究ビザを発行してもらう建物が、プレハブでボロボロで、あまりに対照的でした。2日連続で行かなければいけなかったのですが(申請と受領)、どちらの日もたくさんの人がいて、東京タイ王国大使館に用事がある人っていうのは世の中に毎日こんなにいっぱいいるのか!と当たり前の事にびっくりしました。私だって、この研究がなければ、一生行かなかったかもしれない場所ですが、当たり前のことですが、世の中にはたくさんの人がいって様々な事をやってるんだなぁとアホらしく実感しましたよ。でもグリーンのパスポートを持っている人が多かったので外交官だとかそういう人がビザをとったりするのかもしれません。一人身長188センチくらいのすっごくカッコイイ日本人男性がいて、そのグリーンの外交官パスポートを持って手続きをしていて、母と二人で「うわー素敵ー」と小声で囁き合ったんですが母がすぐに、「あ」と彼の左手の薬指にキラキラするものを指差してため息をついたので笑えました。
と、バンコクの熱い空の下、我が家と日本を想ってみました。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *