コラートで結婚式

友達で今PhD生のNotの大学時代の友達が結婚式をするというので、ちゃっかりついていきました。でも場所はバンコクを離れ、ナコーン・ラーチャシーマー県にある、同名のNakhon Ratchasimaという都市。通称Khorat(コラート)というところなので知っている人も多いと思われる大きな都市です。Notの学生時代の友人でバンコクに住んでいる8人が2台に分乗した車の1台に私もおさまって、軽いロングドライブということになりました。「2時間くらいで到着するよ」なんて言われたんですけど、地図で見る限りちょっぴり遠い感じがするんですけど。と思っていたら、運転手のフーイン(ごめんなさい、綴りが分かりません、男の子です)が飛ばす飛ばす。私こんなところで死にたくないなーと思って「行く」って言わなきゃよかったとちょっと後悔しはじめたところで、「あ、こんなに飛ばすと怖いかな」といってスピードをゆるめてくれました。彼は英語はいまいち話せないので、Notにいちいち訳してもらわないといけないのでNotも大変です。あーわたしがタイ語がしゃべれたらいいのに。写真はタオ・スラナリー記念碑。手元にかの有名な「ロンリープラネット」があるので引用します。

Thao Suranari Memorial
多くの人々に崇拝されているこの記念像はコラート中心街の入り口、チュンポーン門、Chumphon Gateの西にある。タオ・スラナリー(クン・イン・モー、Khun Ying Moとも呼ばれる)はラマ3世(1824~51年)の時代にビエンチャンから攻めてきたラオ族との戦いで民衆を率いた勇敢なタイ族の女性である。少なくとも公式にはそういう話になっている。実はこの伝説は、県内のラオ族出身者にタイ国民らしさを吹き込むために創作されたものであるという学者の意見もある。ここには、バスの運転手が贈ったバスのミニチュア模型など、タオ・スラナリーの霊に危険や悪から守ってもらおうと祈願する人々がささげた変わった供え物が山ほどある。


どうでもいいことですが、タイでは「公式にはそういうことになっている」というのが何となく多いな、と正直思います。偏見かな。最近お会いした日本人の方が、日本人が皇室を愛する以上に、王室をたたえまつるタイの国民性について「あれだけ偶像崇拝が突っ走るというのもどうかと思うんですが」というようなコメントをしてらしたんですが(悪い意味ではなくて)、私もそれは本当だなぁと思うことはあります。そのタイ国民それぞれがどう、というわけではなくて、その「国民が王室を完全崇拝している」という姿勢を利用している人は確実にいるだろうな、ということ。その王室関係の話でも、「公式にはそういうことになっている」系の話が多い気がします。
まあでも、ジャンヌダルクだっていたかどうか分からないし(失礼)、こういう歴史的なお話なんて普通は尾ひれがつくものなので、私はこういうのは好きですけどね。なにしろそれが女性だったっていうのが良いじゃないですか。
さて、本命の結婚式ですが、とっても良かったですよ。写真は舞台にあがった新郎新婦とその家族のみなさん。新郎のお父さんが長いことマイクを握っていろいろとお話をしていて、会場にいた200人くらいのお客さんもワハハハと笑っていたので、きっとなんだかおもしろ可笑しいことを言っていたのでしょう。全く分かりませんでしたが。ところでこの結婚式は完全なる中国スタイル。中国料理レストランのシャオシャオ(小小)レストランという、名前に似合わないでっかいレストランの3階を貸し切りで行われました。かなり豪勢な雰囲気でしたが、実際は結構だらだらです。客が主役な気さえしてくるほど。というのも、到着した客は受付をして、記念品をもらって、奥で待っている新郎新婦と記念撮影をして、とりあえず席に案内されます。そして水、コーラ、ファンタなどが用意されているので勝手にあけて飲み始め、ウィスキーの水割りなどもウェイトレスの方が持って来てくれるんですが驚くべきことに、飲んでいる人はほとんどいませんでした。みんなコラートまで運転してきたからでしょうか。そして食べ物もがんがん運ばれて来ていい感じに食べている間にいろいろな行事が行われるのです。
ところでこちら、式が始まる前に私が急いで近くに行って写真をとったステージなんですが、これで分かるように、ふたりとも博士です。Notも同級生のみんなも、海洋生態学を学んだ仲間。この新郎新婦もどちらも大学の講師だそうですよ。そして新婦さんはなんと、あの東京大学で博士をとったそうです。私も今回初めてお会いしたんですけど(それが結婚式なんて図々しいんですけど)、日本語で「おめでとうございまーす!」と言ったら、「ああ〜どうもぉー!ありがとうございまーす!」と普通に何のアクセントもない日本語で返してくれました。すごいなぁ。私のタイ語は一向に向上の気配がないのに。日本には合計で3、4年いたらしく、そのあとも学会発表などで何度か訪れているということ。私、こちらで良く「日本で大学院に通ったよ」というような方に会うんですけど、皆さんその「東京大学」とか「大阪大学」とか「京都大学」とか、いわゆる超一流大学なんですけど、それってどうしてなんですか?そういう大学に受け入れシステムが整っているとか?それともものすごく優秀な方々なんでしょうか。いや、多分両方ですけどね。多分。
そしてこの舞台であいさつが終わった後、なぜか参加者のカラオケ大会と化した会場は、携帯はピーピーいろんなところで鳴るわ、料理は中華料理スタイルで合計10〜15皿くらいがんがん運ばれてくるわ(私はうっかり最初の3皿で、3口ずつくらい取ったつもりなんですが、結構おなかいっぱいになってしまいました。みんな計算していてひとくちずつくらいしか食べてなかったかも)、好き勝手に帰る人もいるわ、という「これは結婚式なのかなんなのか?」と思える状態で、新郎新婦はそれぞれのテーブルをまわって記念写真をとったり、それぞれの人とお話したりします。私もちゃっかりこの「大学時代の友人達」グループに混ざっていっぱい写真をとったりしましたよ。プロの人がとってくれる写真なので手元にありませんが、将来必ず手に入れたいなーと思っています。
そして私たちも帰りがあるからということになって、6時から始まった式ですが、8時くらいにはそこを去って、みんなでワイワイ何度かガソリンスタンドで給油したりコーヒーショップで休憩したりをはさみながら楽しくバンコクまで帰って来たというわけでした。結局帰り着いたのはかなり遅い時間でした。私は最近そんなに遅く寝ることは滅多になかったので久しぶりに疲れたけれど、良い結婚式を見ることができてとても良かった。そして運転手のフーインが、私にタイの歌を教えるんだ!といって今ハヤリの「ナノン」という歌(かどうか分からないけれど、とにかく♪ナノーン、と始まる歌。どうやら”I’m not sure…”という意味らしい)をエンドレスリピートするので、意味は分からないなりにも結構覚えてしまって面白かったです。こういう学生時代の友達の集まりって、すっごく楽しくて、見ているだけでこころがなごみます。私の高校時代の友達の集まりを思い出す感じです。何の利害関係もなく、ただただバカみたいなこと言ったりやったりして時を過ごせる友達って大人になると見つけるのは難しいなぁと思いますよね。楽しかったです。

2 Replies to “コラートで結婚式”

  1. 結婚式でもDr.をつけるのですね、初めて知りました。 みなさんの服装は人それぞれという感じで、なんだか和みますね。日本の結婚式に招待されて心から喜ぶのと同時に何着ていこう?って悩んでた日々を思い出します。 新郎新婦が首にかけているレイのような物はなんでしょうか? 結婚式はその主役の二人の文化とか生活を表す代表的な場所ですね。 語学学校に通っていた頃、プレゼンテーションで結婚式について話す人が多かったのを覚えています。民族的に特徴がでるものの一つですよね。 自分の事は想像できませんが、結婚式って出席してもしなくても(神社などで式をしているところを通りがかるだけでも)なぜか心打たれるものです。 素敵ですね!

  2. shizukaさん:そうなんですよ、ジーンズで来ている人もいて、かなりなごみました。新郎新婦のレイのようなものは、仏教関係のなにか神聖なものなようです。よく道ばたで売っているのを見かけますし、タクシ−でバックミラーにかけている運転手もよく見ます。お守り的な意味があるんじゃないかとふんでいます。
    そして偏見かもしれませんが、タイはいわゆる「学歴」社会みたいですよ。日本のような「大学歴」社会(どこの大学がどこの大学より良いとかそういうの)ではなく、高卒より大卒、大卒より修士、修士より博士、というふうに完璧に階級分けされているみたいです。
    これは「タイ式」の結婚式ではなかったのですが、それなりに文化に触れる事ができて貴重な体験でした。実はまた今週末にもうひとつ結婚式に参加できるかもしれないので(こちらはタイ式)ちょっと期待してます。私ウェディングクラッシャーになりそうです。

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