eゼミ:Morgan Stanleyへの損害賠償請求(BTW第25回)

このエントリーのコンセプトについては「はじめに」をお読みください。
今回のお題(Economist誌より):
Morgan Stanley, already beset by strife among its top managers, faced more bad news. The investment bank was ordered by a Florida court to pay a total of $1.45 billion in damages to Ronald Perelman. Jurors were directed to find that the billionaire investor was deliberately misled about the financial position of Sunbeam (a maker of household appliances that eventually went bankrupt) in a 1998 deal. The bank will appeal.


A子さんからのメール。

武内さん、こんにちは。A子です。いつも添削ありがとうございます。
前回の英文はパソコンの調子が悪く原文のコピー&ペーストができ なかったのでご指摘の通り自分で打ち込んだものです。かなり見苦しいものになって しまい申し訳ありませんでした。
最近e-semi内でもよく「パソコンの不調で〜」というのをよく見か けるのですが私のパソコンもそのひとつで、2週間ほど前から“M”のキーが押せない という状態になってしまいました(打っても入力されないのです)。おかしな現象に かなり苦労させられていますがなんとか工夫してやっていけているので緊急に修理す る気も起きない感じです。(このことは前回のコピー&ペーストができなかったこと とは関係ありません)今回も添削よろしくお願いします。
BTW
すでにトップ経営者間の争いに頭を抱えているMorgan Stanleyはさらに 悪い事件に直面した。フロリダ州の裁判所にRonald Perelman氏の損害賠償として14 億5000万ドルの支払いを請求されたのである。陪審員は億万長者の投資家が1998年の 取引においてSunbeam(結局破産したが家電製品製造業者であった)の財政状況に関 して故意に欺いたということを証明するよう指導された。Morgan Stanleyは上訴する であろう。
【背景】モルガン・スタンレーでは3月、パーセルCEOの経営方針に不満を持つ元有力幹 部が退任を求める書簡を送付。その後の社長退任人事をきっかけに、数人の役員退職 に続いて辞任するよう迫る活動を繰り広げており有力な人材の流出が相次ぎ混乱が続 いている。
米証券モルガン・スタンレーの助言で損失を被ったとして投資家が同社を訴えて いた問題で、フロリダ州の裁判所は16日、モルガン側が6億430万ドルを投資家に賠償 するよう評決を出した。モルガン側は上訴した。訴えていたのはロナルド・ペレルマ ン氏。1998年、モルガンの情報をもとに小型家電サンビームの株を取得したが、同社 は粉飾決算が発覚して2001年に破たん。同氏はモルガンが顧客であったサンビームの 経営不振を知っていたはずだと批判していた。
背景の後半はNIKKEI NETの5月16日付けの記事のものですが、BTWの“The bunk will” の部分はすでに過去形になっていました。BTWの発行は19日付けだったのです が、こういうこともあるんですね。

私のメール。

武内です。コンピュータの不調はいつ起こってもイヤなものですよね。しかもだいたい忙しいときに起こるっていうのはどういうわけなんでしょう。って私だけかもしれないんですけど。
登場人物(会社)を整理してみましょう。Morgan Stanley社、Ronald Perelman氏、Sunbeam社の3つが固有名詞、The investment bank、Florida court、Jurorsがその他の人々ですね。第一文と第2文は良いですが、3文目がちょっと違います。陪審員の決定を指導することは法律上陪審員以外だれもできませんので、directedは別の和訳を使うか、それか思い切って外してしまって意訳しても良いと思います。「Ronald Perelman氏(これが、つまり「億万長者の投資家」です)はSunbeam社の財政状況に関して故意に誤解するようしむけられた、と陪審員は判断した」というような感じです。つまり、裁判では検察側と弁護側が、陪審員を好ましい意見の方に”direct”(賛成するように説得)する、という方式をとるために、こうしてニュースになるときにレポートとして”direct”という言葉を使われるようになるわけです。でも実際の意味としては、結局陪審員はRonald Perelman氏側の言い分に納得したというだけのことなのです。最後の文は良いです。

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