土曜日にAさんのフィールドトリップに、ちゃっかりついていったんですが（いつもは邪魔しないんですが、あまりに良い天気だったので）、楽しかったので書いておこうと思います。写真でもわかるように、場所はとても美しい、ド田舎。Pullmanから195で南下してLewstonへ行き、さらに129を南下して、Oregon州との州境までドライブです。Aさんが最近サンプリングのスポットにしているのは、ちょうどオレゴン州に入ったあたりの、道を切り開くためにタテに割られている部分。山にそってくねくねした道をつくるためには、土地をかなりの深さで縦にスライスする必要がありますよね？そうすると割と昔の地層が現れるので、ドリルを使わずにサンプリングするにはとても良いらしいのです。
これがそのくねくねした道。こうして見ると、そんなに高い崖には見えないんですけど、近くで見るとかなりの高さです。ですから、道路から山肌を見たとき、ちょうど目線あたりにある地層はかなり古いものになるんですよね。浸食されていない限り。町があるような場所ではやっぱり開発や浸食などが進んでいるのでなかなかピュアなサンプルをとるのは難しいようですが、こうして誰も来ないような全くの荒れ地のようなところだと、わりと手がついていない状態で残っていることが多いとか。私には違いはさっぱり見えませんが、Aさんのように毎日いろんな石を見ているとわかってくるのでしょう。不思議ですねぇ。私が顕微鏡で微生物を見て、ああ、これがビブリオだ、サカザキだ、とわかるような感覚でしょうか。ちょっと違うか。
こちら、サンプリングの前に準備するAさん。私の実験のときもそうなんですが、実験を始めるときに、こうしてLabelをきちんと準備して内容物、日付などなどいろいろきちんと記録しておくのは基本でかつ、かなり重要なんですよね。こういうのがちゃんとできない人は、最終的な研究結果もめちゃめちゃになるタイプです。ゆっくり座ってしっかり自分の中のアイディアを頭の中でまとめながら、どんな情報をLabelingしておくべきかなど、ちゃんと考えておくのが成功の秘訣。ところで写真はクリックすると、Aさんのサンプリングの状況がわかるように写真をスライドショウ風にしておきましたので興味がある方はぜひどうぞ。11枚あるので、フラッシュを読み込むのに少し時間がかかるかもしれませんが。
で、私は何をしているかというと、こうして日向で椅子に座って、Vernaが焼いてくれたクッキーを食べながら、途中で買ったスタバのコーヒーを飲みながら、iPod shuffleを聞きながら、本を読みながら、Aさんの行動を観察＋写真にとりながら、ぼーっとしたりもするわけです。５月になるともう寒くはないし、かといって暑くもないし、良いですね。Aさんもこれからの季節はフィールドに行くのが億劫になるなんてこともなくなるでしょう。でもジオロジストとか、その他のフィールドワークの必要な研究者って大変ですねぇ。私だったら億劫すぎて何年経っても絶対研究なんてまとまらないような気がします。でもまあ、フィールドワークの必要な研究者って、多分、そのフィールドワーク自体を愛するからこそ、その手の研究者になるんでしょうけれどね。研究にもこうしていろいろ好みに応じた役割分担があって、正直本当に良かった、なんて安心したりして。
ところで帰りはルイストンのマクドナルドに寄って帰ったんですが、ルイストンのマクドナルドは1960-70年代のアメリカンダイナーを想像させるかわいらしい作りで、私は結構すきなんですが、お店の外から、お店全体をおなじみのMの黄色い文字がどーんと、覆っているんですが、お店に入るとこうして真ん中にそのMの続きがあるんです。しかも間にテーブルもあったりしてすごくかわいい。テーブルもいろんな模様のものがあって、私のお気に入りはMr. Speedieのもの（クリックすると模様を見ることができます）。こんな模様なんかでテーブルを選ぶ私って、ちょっと「そんなのどうでもいいじゃん」と言いたくもなるみたいですが（Aさん）、いいのです。どうでもいいからこそこだわりたい。
そしてさらにドライブしてVernaの家に帰ってくると、近所の農家に羊、子羊、牛、ヤギたちの中にこうして、ラマちゃんがぬぼーっと座っていたりするのでびっくりするやらかわいいやら。ラマって不思議な動物です。中途半端に首が長いので、どうやら木の葉っぱなんかを食べたりすることもあるみたいですが、草をむしゃむしゃ食べていることもあるみたい。Vernaの家に行く度に、この農家の前に車をとめてじーっと見たりするんですが、つい数ヶ月前までは赤ちゃんだった羊たちが、いまやすっかり大きくなっていてびっくりです。動物って早く大人になるから、人生がぎゅっと濃縮されているような気がする。って想像だけですけれども。