eゼミ:揺れるMorgan Stanley(BTW第13回)

このエントリーのコンセプトについては「はじめに」をお読みください。
今回のお題(Economist誌より):
A dissident group of former Morgan Stanley executives stepped up their campaign to oust chief executive Philip Purcell by recommending that he be replaced by Robert Scott, a former president of the investment bank. Meanwhile, Morgan Stanley announced it was spinning off its Discover credit-card unit, which Mr Purcell had helped create when at Sears Roebuck in the 1980s.


A子さんからのメール。

武内さん、こんにちは。い つも丁寧な添削ありがとうございます。今回も添削よろしくお願いします。
BTW
Morgan Stanleyの元役員たちは、投資銀行業務の前社長であるRobert Scott氏の後継者に会長であるPhullip Purcell氏が推薦されるのを阻止するため対抗活動を強めた。一方Morgan Stenley側は、そのことは1980年代Purcell氏がSears Roebuckにいた時、クレジットカード業務に貢献したがそれを否定することになると言った。
【背景】企業合併を多く手掛ける米証券大手モルガン・スタンレーが揺れている。元経営幹部らが、フィリップ・パーセル会長兼最高経営責任者(CEO)の経営方針に異議を唱えて退陣を要求。元幹部らは同社取締役会に対し「業績が振るわず株価が上がら ないのは、CEOの指導力に問題があるから」との書簡を再三送付、パーセル氏の退陣を訴えてきた。同グループはパーセル氏解任を成功させるため投資家の支持を求めている。パーセル氏がCEOに就任したのは1997年で、2003年にスコット氏を辞任に追い込んだ。個人を相手にする委託取引業務不振などが理由だった。当時、スコット氏は委託取引業務とクレジット・カード業務の指揮を取っていた。
今週から授業開始だったのですが、合併のためT大学からS大学に名前が変わり、それに伴い新しい施設が建設されたりMacが導入されていたり(いままで はWindowsのみだったのですが)何かと変化が起きていて、3年生といえどもやや新鮮な気持ちを味わっています。でも自分の大学が2つ名前を持っているというのは実に奇妙な感じがします。。

私のメール。

第一文は非常に良いです。「対抗活動」というのをなんとかそれらしい言葉がないかな、と5秒くらい考えましたが私の語彙のなさにもうあきらめました。何かオススメの日本語ありましたらどなたか教えてください。
第2文はちょっと混乱しましたね。Spin-off というのは「会社の一部門を切り離して独立させること」ですね。日本語でもたしかスピンオフですよね?(<日向野先生)そしてDiscover credit-card unitというのは(私もMorgan Stanley社がDiscoverを持ってたなんて知りませんでしたが)「Discoverクレジットカード部門」(VISAとかMasterCardとかAmexとかと同じ並びですが、あんまりDiscoverが使えるお店ってないですよねぇ)として良いです。
ですから、Purcell氏がSears Roebuck社にいたときに、そのDiscoverカード部門を設立するのに一役買ったのでしょう。そして一方、Morgan Stanley社の予定としては、そのDiscoverカード部門は独立分離させる予定だ、というそういうことですね。なんだか複雑ですね。でも和訳としてはわりとストレートでしょう。まとめてみてくださいね。

A子さんの和訳訂正(私のコメント含む)。

Morgan Stanleyの元役員たちは、投資銀行業務の元社長であるRobert Scott氏の後継者に会長であるPhullip Purcell氏が推薦されるのを阻止するため抵抗活動を強めた。一方Morgan Stenley側は、Discoverクレジットカード部門をスピンオフすると発表した。それは1980年代Purcell氏がSears Roebuck社にいた時設立に貢献したものである。

大変スッキリして良い訳だと思います。
和訳にはあんまりカタカナは使わないほうが良いと個人的には思いますが、クレジットカードやスピンオフなどはもう日本語だと思うのでそういうのはどんどん使って良いと思いますね。無理に日本語訳にするのもかえって難しくなるかなとも思います。ニュースなど日本語でも良く読んでおいて、そういった経済の世界の語彙を増やすのも大事なことだと思います。このウェブサイトに載っているほとんどのニュースが何らかの形で日本のメディアでも報道されていると思いますのでそういったニュースの文章と比較してみるのも勉強になるかと思います。というより、私は今そうやって勉強しているところです。みなさんも一緒に頑張りましょう!

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