年に1度のバンケット(Banquet)

今日、土曜日はうちの学部、Food Science and Human Nutrition Department(食品科学・人間栄養学部)が属するカレッジ(学群?)のCollege of Agricultural, Human and Natural Resource Sciences (CAHNRS)の年に一回の行事である、わりとフォーマルなバフェ形式のお食事+表彰式のバンケットが行われました。写真は私のネームタグ。夫婦で招待を受けたので、Aさんのネームタグもありました。私のとの違いは、私のには”Award Nominee”つまり、ある賞にノミネートされている、というリボンが付いている事です。でもこれはあまりにも規模の大きな表彰式なので(CAHNRSはうちの大学の中でもかなり大きなカレッジだし、このバンケットだけでも500人くらいが参加するのです)、まあそんなに期待はしてなくて、行ってみたらみーんな何かしらのリボンをつけているだろうし、まあ、こんなものよね、と思って名札を胸につけて出かけました。


そして到着してみたら、みんなリボンリボン、リボンだらけでした。何かのプレゼンテーションのプレゼンターだったり、私と同じように何かの賞にノミネートされた人だったり、私と同じ賞にノミネートされた人だったり、スカラーシップにノミネートされた学生もたくさん。私が去年受け持った生徒の中でも特に優秀だった3人も来ていて、それぞれいろんなリボンをつけていました。まあ、つまり、みんな、何かしらノミネートされた500人あまりが来ているわけです。あ、Aさんには何もリボンはついてませんでしたけど(当たり前、カレッジが違います、彼の学部はCollege of Science)。
ところで私は何の賞にノミネートされたかというと、私がPhDのときに研究計画からずーーーっとせっせとやったプロジェクト、Thermometer Projectに関しての”Team Excellence Award”というものです。私のこのプロジェクトは詳しくは「温度計を使ってみませんか」のところに書いていますし、英文での詳細は、私が別に作ったサイト、”Food Safety at Washington State University“の中にある、”Thermometer Project“というところに書いてあります。このプロジェクトでは、University of Idahoとコラボレートしたり、現在はいろんな食料品スーパーと仕事をしていたり、教材をつくるために大学の中でもいろんな部門(出版、ビデオストリーミングなどなど)と一緒に働いたりしたのが大きな意味があったので、このTeam Excellence Awardにチームとしてノミネートされたのでした。
プログラムに従って、表彰開始の4:30から、まずは学生の作るクラブの中での表彰(うちの学部のStudent Nutrition Awareness Clubが、なんと39のノミネーションの中から勝ち取りました!)、そのあとそれぞれの学部(農学部、獣医学部、農業経済学部、家庭経済学部、洋裁学部、昆虫学部、穀物土壌学部、ランドスケープ建築学部、ヒューマンデベロップメント学部(なんと訳していいかわからない)、インテリアデザイン学部、自然リソース学部、野生環境学部、経済科学学部、そしてもちろん私の属する食品科学人間栄養学部の中から、優秀な大学3年生(これも私の教え子、ハンナ・ナッティンちゃんが取りました)、優秀な大学4年生をそれぞれ選び、先生の中からも最優秀アドバイザー、最優秀ティーチング賞、最優秀研究賞などが選ばれ、またスタッフ(オフィスの秘書やテクニシャン、ラボの技術者など)からも優秀賞が選ばれ(これはうちの学部にあるチーズを作っている部門のラボマネージャーのフランクが獲得)、そして一番最後、表彰式も2時間たった6:30頃に、大トリ、といった感じで私がノミネートされているチームアワードが発表されることになりました。
でも、今回ノミネートされている3チームのことが会場に用意されていたパンフレットに書いてあったんですけれど、それをよーく読んでみると、
1. College Knowledge for Adults (CKA) team
2. Full Immersion Spanish Institute Learning Center Team
3. Reducing Risk with Food THermometers Team
とリストしてあって、何だか2番目のがすごく良い感じなのです。最初のチームもなかなか良いのですが、内容はというと、どんなに年をとっても大学教育を始めるのにも、終えるのにも遅すぎる事はない、というコンセプトから、何らかの理由で大学教育を受けなかった人が、年をとってからでも気軽に大学に入れるようにするプロジェクトを作ったチーム。2番目のは、最近強烈に増え続けているヒスパニック系の移民が人以上の難なく教育を受けることができるようにするために、教育者にスペイン語を学んでもらおう、というプロジェクト。ヒスパニック系の人口の多い、Mount VewrnonやYakimaなどにこういったセンターをどんどん作って、スペイン語の話せる教育者を作っているというのです。なんだか良さそうです。こういう異文化を混ぜたトピックはアメリカ人はかなり好みなのです。
それに比べると私たちのチームは、「温度計つかってハンバーガーの温度を計る?冗談でしょ」と思われかねない内容。うーん、キビしいな、と思っていたら、案の定、Valも、「これは2番目のがとると思うわ」という感想。やっぱりね、と思いました。そして2時間もじーっとしていて最後の最後になってこのアワードの説明になってしまって、「ああ、早く終わらないかな」と思っていたら!
“This award goes to… Thermometer Team!”と呼ばれてしまったのです!もうビックリビックリ。本当にびっくり。この写真は、まさか賞を取るなんてまったく考えてすらいなくて用意できてなかったAさんが、あわててせっせと撮ってくれた写真です。私もちゃんと正装していけば良かったんですけど、賞がもらえるなんて全く思ってなくて思いっきり普段着です。ああ、スーツ着ていけばよかった。左から、出版部門のRebecca、私のアドバイザーのVal(今週はPullmanに来ているのです)、私、今一緒に仕事をしているMiriam、微生物学者のKang、現博士課程学生のSun-young、そして仲良しのZenaです(オリンピアからふたりの良い子、NolanとErinと一緒に今日プルマンにやってきました)。
これは後でみんなで撮った写真です。左のMiriamが目をつぶってしまって残念!それにしても久しぶりにびっくりして超ごきげんになりました。クリックすると大きくなりますが、相変わらずパスワードかけてます(いつものと同じ)。ちなみに紹介文はこちらです。”The primary objective of the Reducing Risk with Food Thermometers Team is to reduce the incidence of foodborne illnesses through the routine use of food thermometers when cooking meat. The team developed a 15-minute instructional video, an informational brochure, and a set of recipe cards describing how to use a food thermometer when cooking meat. The Food Thermometer Team also created a teaching kit that was distributed to consumer science teachers throughout Washington and Idaho. A similar kit was designed for Extension programming. The team is now working on two community education campaigns.”
いただいた楯とコサージュがこちらの写真。上の紹介文を簡単に訳すると、「このチームの掲げたゴールは、肉調理のときに温度計を使うことを習慣にすることによって食中毒を減らそうというもの。このチームは15分のインストラクションビデオ、情報パンフレット、どうやって温度計を使うかを載せたレシピカードセットなどを作った。チームはまた、ワシントンとアイダホの学校で子供達に教えるための教育教材も作った。似たような教材キットをエクステンション(日本では耳慣れない言葉ですが、大学がコミュニティにその教育、研究を広げるためにさまざまな場所に置いている地方オフィス)のためにも作った。現在このチームは2つの教育キャンペーンを行う準備をしている。」といった感じですね。その2つの教育キャンペーンというのがズバリ現在の私の仕事の内容の一部です。
しつこいですが、いただいたプラクー。日本ではプラークっていうかもしれません。ちゃんと名前まできちんと彫ってあって大感激です。あまりに嬉しかったのでこんなところで大自慢してしまいました。すみません。副賞は$3000だそうです。チーム全員宛に来るので、すわ、山分けか?と期待したんですが、この賞金で今まで作った教材をさらに数を増やして、コミュニティに貢献できるように使いましょうということになりそうです。ハイ、ごもっともです。
表彰されるためにみんなで立ち上がって前に出たとき、Aさんが写真をとるために立ち上がったら、Valの旦那様のJoeが興奮してAさんにハイファイブ(ハイタッチ)して大騒ぎだったそうです。目に浮かぶわ〜。私も後で、Joeと一緒にごきげんの写真を撮ったので、お母様、お父様、そのうちメールで送りますね。ああ、何だかすごくよい週末になりそうです。

4 Replies to “年に1度のバンケット(Banquet)”

  1. すごーい、真佐美さんホントすごいね。おめでとうございます。きっとそういう活動で少しづつみんなの意識が変わって食中毒とかも減って行くんだと思うとすごく社会に貢献するリサーチ、活動だなあと感動しました。SNAC、私も一瞬いたなぁと懐かしい感じでした。本当におめでとうございます。

  2. えみちゃん:ありがとう〜。本当に草の根活動だけど、たとえ1件であっても、「だって知らなかったから」というような食中毒で死亡事故が起こったりするのが減れば、それでいいよね、といつもみんなで話しているのです。SNAC、私も学部のとき2、3回ミーティング行ったよ。でも今年のSNACのメンバーはほとんどが私が去年教えてたクラスの子たちなんだけど、すっっごく活動的で頼もしいです。えみちゃんも、栄養学ちゃんと勉強したらすごく面白いのに〜。

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