心臓に良いものは脳にも良い?

22日付けのニューヨークタイムスの記事ですが、ハワイやストックホルム、ノートルデームなどでの長年の研究結果が出て、どうやら心臓病の予防になることは、物忘れや認知症(痴呆)の予防になるかもしれないということです。アメリカでもDASHダイエットとかいって、まあ基本的には減塩のダイエットなんですが、よーく見るといわゆる「バランスをとる」ダイエットが心臓病予防ダイエットとして有名なんですね。私もDASHはおすすめします。結局「いろんな物をちょっとずつ、控えめの味付けで」というような、「そんなことできれば苦労しないよ」なんて思われてしまいそうなダイエットなんですけどね。
それにしても認知症ってネーミング、まあ他に無いからしょうがないんでしょう。けど、人にお話するときとか、こうしてウェブに書くときに、「ボケ」とか「痴呆」とか、書かないとピンとこないことって多いのに、「認知症」って書かなきゃいけないのってわりと誰に気を使っているのか?という感じがしないでもないですねぇ。まあ決まりなので従うしかないですけど。


さて今回もそのニュース、要約してみます。

  • 心臓病やガンなどを予防するとされている生活習慣はもしかしたら脳を守ることになるかもしれない。
  • 低脂肪で抗酸化機能のある食物をとったり、体重管理、定期的な運動、喫煙や大量のアルコールを控えたりするというように、習慣を変えるだけで、認知症(老人性痴呆)の発症を遅らせたり、アルツハイマーを予防したりするかもしれない。
  • 他にも、社会的に何かとつながっておく事、本を読む事、パズルなどで遊ぶ事、新しいことを学ぶ事などが認知症から脳を守ってくれる。

読んでいる側としては、ここまででお腹いっぱいで、はぁ、そうですか、でもそんなこと今言われてもねぇ、となるかもしれませんね。特に若い20代だとかそういう世代だと。禁煙苦しいしね。アルコールだって飲んでないとやってられないときもあるでしょう。でも次が怖い。

  • 85まで生きる人の半分が認知症あるいはアルツハイマーになる。
  • そしてその現実的問題から、愛する妻や夫と最終的に別れるケースも。
  • 7,700万人ともいわれるベイビーブーマーがそんな年齢になってきていて、たくさんの人がそういうった予防の習慣を身につけることで認知症を避けるか、あるいは発症をかなり遅らせることができる。
  • 450万人のアメリカ人が現在アルツハイマーになっていて、1980年に比べて倍増している。
  • アルツハイマーによってかかるコストはメディケア(アメリカのひとつのヘルスケアシステム)における他の病気の3倍。
  • 現在のところ老人ケア施設にかかる費用の約半分が認知症関連である。

そうだろうなぁ、というところですね。でもいつも思うのが、85以上くらいでちょっとくらいボケても(あ、認知症って言わなくちゃいけないんでしたっけ)、私だったら別にいいかなと思うんですよね。ただイヤなのは65くらいでボケて、身体はわりとちゃんと動くけど人に迷惑かけちゃう、っていうのはちょっとイヤだなぁと思ってしまいますよねぇ。

  • 脳はとても寛容な臓器で、たくさんの情報、シグナルを瞬時に受け取ったり返したりする。
  • 脳卒中や発作などから回復する人をみると、脳がいかにそのような一大事によく対応しているかが分かる。
  • 面白いことに、アルツハイマー患者の脳を解剖すると、ボケ(認知症)の症状が出ていなかったころから、脳が少しずつダメージを受けていることが分かることがよくある。

おお!そうなのか!という感じですね。脳は頑張ってくれてるんですねぇ。ダメージを日々受けながらも、なんとかノーマルであるように。

  • 専門家は、アルツハイマー患者の脳を見ると、循環器系(心臓系)の病気と脳細胞系の病気の共通点がかなりあると言う。
  • 心臓発作は、脳の能力を少し低下させてしまうことがあるという。特にアルツハイマーなどのダメージに対する抵抗力のようなものを。
  • そして認知症の症状が少しずつ出てくることがある。
  • もちろん、アルツハイマーのみ、という患者もいるし、心臓病のみ、という患者もいるが、ほとんどのケースは、そのふたつのミックスであると専門家は言う。

ふと病院に勤務していたときのことを思い出しましたが、はいはい、ほとんどです。ていうか、私が勤めていた病院の入院患者さんはかなりの、それはもうかなりの高齢者ばかりでしたからね。ありとあらゆる症状が出てましたけど。

  • 高コレステロース、高血圧、肥満(あるいは重めの体重)、喫煙、運動しない、などの心臓病のリスクファクターはそのまま認知症のリスクファクターとなりうる。
  • もちろん、遺伝的な要素もあるが、このようなリスクファクターをふまえて健康的な生活習慣にしていくことによって遺伝子レベルでもリスクを減らしていけるかもしれない。

だそうです。他にも実際の研究結果なども載っていましたので、興味がある方は、NY Timesの本文(要登録)をどうぞ。
まあ結論としてはまた、バランス良く、とかいうようなぼんやりとしたものになってしまいますが、こうして疫学的にどんどん証拠を出されると、私としてはそうなのか!と思ってちょっとあせりますね。ボケるのはやっぱりイヤだし怖いし、若いうちにボケたくないし。これでアルツハイマー予防(あるいは遅延)できるのであれば私は頑張りたいなぁと素直に思いました。とりあえず脂肪分カットで頑張ります。自分が「健康に気をつけて暮らしてるんだ」というような、意識上での充実感も、もしかしたら認知症を予防するのかもしれないと思いますね。

2 Replies to “心臓に良いものは脳にも良い?”

  1. ご無沙汰してます。
    認知症に片足と半分ばかり足をつっこんでいるnieです(苦笑)。
    ダイエットもなかなかうまくいかないし、前より物覚えが悪くなったり思い出すのが難しくなったりしているので、この記事を読んでいて不安になりました。。。
    これ以上の認知症(ほとんどは天然由来?)の進行を遅らせるためにも、私も少しは努力します(汗)。

  2. nieさん:お久しぶりです。私も最近物忘れがはげしくて自分でイヤになってしまいます。食事で認知症の進行を(これ以上進まないで欲しい!)遅らせることができるのなら私頑張っちゃうよーと記事を読みながら思いました。まあ、本当にせよ何にせよ、バランスの良い食事というのはきっと多方面に良いはずだし。
    またサイトの方も楽しみにお邪魔させていただきます!

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