eゼミ:Sony初の外国人会長(BTW第05回)

このエントリーのコンセプトについては「はじめに」をお読みください。
今回のお題(Economist誌より):
Sony shook up its management by ditching several board members and naming Sir Howard Stringer, currently head of its American operations, as its new chairman and CEO. It is the first time a foreigner has headed the company. Sir Howard said the new team would “make tough decisions” in an ongoing restructuring that is designed to increase profit margins at the company’s struggling consumer-electronics business.


A子さんからのメール。

前回、前々回とも原文を載せずに大変失礼しました。今回はBTWの方が、経済の専門用語のようなものをうまく処理できませんでした。我ながらおかしな文章になってしまったと思っていますが、添削をどうぞよろしくお願いします。
BTW
Sonyは株式の仲間を裏切り、Howawrd氏をアメリカでの事業の長、つまり新しい会長兼CEOに任命することでその経営は調子に乗った。外国人が会長になることはSonyにとって初めてであった。Howard氏は新しい経営陣は、Sonyが消費者エレクトロニクス部門における奮闘に関して利益を増やすように構成されている、続行されている再構成において決意を強いものにするだろうと述べた。

私のメール。

shook upは「大改革を行った」とか「大幅な変更を加えた」とかまあそういったような意味ですね。揺らしたってことです。
「Sonyは数名の理事(役員)を退任させ、現ソニーアメリカ会長(でかつ現Sony本部副会長兼COO)のSir Howard Stringer氏を新任の(Sony本部の)会長兼CEOに任命することによって経営陣の大改革を行った。」
という感じでどうでしょう。第2文は良いです。が、現在形の方がスッキリします。「初めての事である。」のような感じ。またはガラっと意訳して、
「これでSonyにとって初の外国人会長が誕生することになる。」
というふうなニュース風にしてもいいでしょう。
最後の文はちょっとトリッキーでしたね。”Restructuring”は「組織改革」あるいはA子さんも書いているように「再構築」なんですが、この文章から読む限り、和製英語(?)の「リストラ」に限りなく近い意味です。”making tough decisions in a restructuring”というのは、「がんがんリストラします」という意味のことをオブラートに包んだような言い方をしただけです。わざわざクォートされているので、ここはストレートに「厳しい決断をする」と直訳したほうが良いでしょう。
そしてstrugglingは、「難航している」だとか「苦戦している」だとかそういった感じです。辞書では時々「努力する」とか「奮闘する」になっていることもあるかもしれませんが、努力や奮闘と聞くと頑張っている前向きなイメージがありますがstrugglingはちょっと「負けそう」気配が強いです。つまり、ちょっぴりNegativeな表現という意味です。そしてconsumer-electronicsは日本語だと「デジタル家電」だとか、普通にカタカナで「コンシューマーエレクトロニクス」だとか訳されているみたいですね。いえ、発音から言うと本当は「コンスーマーエレクトロニクス」なんですけどね。ですので、
「Howard Stringer氏は、新しい経営陣は、苦戦しているデジタル家電(コンシューマーエレクトロニクス)部門の増益のために進行中の(人員削減を含む)組織改革に関して『厳しい決断をする』ことになるだろう、と述べた。」
という感じでしょうか。ソニーにお勤めの窓際族さん(失礼)にとってはちょっぴり怖い話です。

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