絵で考える

以前に、「いつか載せようかな」と書いていたので載せますが、これは恥ずかしいような嬉しいような、自己満足なものですので念のため。私は、一番最初に概要をつかむのが必要だったり、自分で企画したりするような種類のお仕事が来たら、まずこうやって真っ白の紙の真ん中から絵を描くように、放射状にアウトラインを書くようにしています。これは私実は中学生のころからやっていたんですよ。中学生のときは、歴史などの勉強に、真ん中に時系列を描いて線をひっぱってきて関係事項を覚える、とかそういうふうにやっていました。私のその頃のノートが実家のどこかに残っていれば似たような物が見つかるでしょう。


私はこのやり方は、別に誰のやり方を参考にしたわけでもなんでもないんですが、意外にもわりと一般的というか、こういう「図式化したアウトライン」の書き方って本にもなるくらいに有名らしいですね。私はこの日記を書くために、「誰か他にもやっているはず」と思ってサーチしたらめちゃくちゃメジャーなやり方だったのでびっくりしました。私が考える事くらい他の誰でも考えつく、という良い証明ですね。この図に関して言えば、このアウトラインは「グロッサリーストアキャンペーン」のお仕事。あまりにもぼんやりとしたお仕事なのでこうして図式してアイディアを示すと、みんなが分かってくれて賛成してくれたりいろいろで楽しいです。引っ張りだすときは恥ずかしいけれど。
でもグラフィックの力ってやっぱりホントに、「百聞は一見にしかず」とは良く言った物で、感覚で理解できるのがいいですよね。私はずらーっとアウトラインで文字を並べていくよりもこうして無造作にアウトラインを描く方がいろいろと仕事がはかどります。でも私のアドバイザーは自称「ワードパーソン」で、彼女はただひたすら文字を並べるタイプ。きっと頭がいい人は文字を並べても同じくらいの理解力があるのでしょう。
でも、図、といっても私はこの図にはいわゆる「絵」がありますが、他のアウトラインに必ずしも「絵」があるわけではありません。単純に大きな丸を描いてその中に字を書いていくだけのアウトラインの方が実際は多いです。アウトラインって、最初に書くときに全体図が分からずに書くので、真ん中から放射状に書かないと、スペースが足りなくなるから、私は単純にこの方法をとっているのです。
一度アウトラインを書いたら、あとはキレイに字だけで並べていきます。このとき絵が入るときもあるんですが、これがその例ですね。これは以前にも紹介した私がつくったブローシャの最初のドラフトのアイディアを書いたとき(2001年)のものなんですが、まずは一番上の、最初の絵のようなアウトラインを放射状に書いて、だいたいまとまった、と思ってからやっと、この図のように順番に並べていく、という方法をとっているわけです。
このブローシャを作ったときは、グラフィックデザイナー(Gerald)に最終レイアウトなどをお任せしたんですが、このドラフトと、出来上がりのブローシャを見ていただければ分かるんですが(ダウンロードはこちら)、だいたい同じようにやってくれています。Geraldも、「今回ほど取りかかりやすい仕事は無かった」と言ってくれましたが、いつもは「こんな感じで」と言葉で説明されてもピンとこないので、私がまさにやったような図を書いてみせて、「こんな感じ?」と確認の作業を2、3回やってから実際のデザインにとりかかっているそうで、この場合はその作業がなかったのであっという間にやることができた、と言ってくれたんです。
まあ、もちろん私たちみんな、仕事の間はこうしてお互いを褒め合うのでリップサービスの一環でしょうが、私としては嬉しかったのでした。せっかく自分の頭の中に「こんな感じ」というものがあるときは、お伝えしたいものですよね。
というわけで、今日もいただいたお仕事がかなり漠然としているのでこれから白い紙相手にしばらくお絵描きします。

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