カフェイン中毒は1日コップ1杯から

数日前のLA Timesに、Just one cup a day is enough to hook coffee drinkersという記事があって興味深く読みました。つまり、カフェイン中毒、というとヘビーに1日何杯もコーヒーや紅茶などを飲んでいる人のような感じがしますが、1日1杯程度しか飲まなくても、カフェイン中毒になりうる、という話です。
以前に、カフェイン過剰摂取の毒性についてというタイトルで、ちょっと書いたことがあるんですが、意外にもこれに反響をいただきます。やっぱりスターバックスとか流行ってしまって、1日に何度もコーヒーを飲んだりすることが増えたのか、みなさん気になるんですね。


記事は引用しませんが、ちょっと私なりにまとめると以下のようになります。直訳しているところもあり、自分の考えを付け足しているところもあり、意訳しすぎているところもありますが、ご了承くださいね。

  • カフェイン中毒、という定義と証拠があいまいで、今までは「カフェイン中毒」の研究は科学的とはいえなかった。
  • メタアナライシス(多数の研究結果をまとめて分析する方法)によると、カフェイン中毒がコップ1杯から始まる、といった実態は事実であり、科学的である。
  • これは170年以上もの間になされた研究結果をまとめたものである。
  • 1日コップ1杯のカフェイン、というのは正確には100 mgのカフェインで、これはカフェイン中毒を起こすのに十分の数字である。
  • カフェイン中毒の症状には頭痛、だるさ、イライラする、などがある。
  • 重度になると、禁断症状に、インフルエンザのような症状である、筋肉痛、吐き気あるいは嘔吐をもよおすことがある。
  • 禁断症状の出ている人の13%が、そのせいで仕事や日常のことに差し障ることがあるという。
  • カフェイン禁断症状は精神異常に分類される可能性もあるという。
  • 一般的に安全とされているカフェインは、世界でも心を落ち着ける薬のような役割を持つため人気があり、80%のアメリカ人が摂取している。
  • 研究者はカフェインを、その他のニコチンやコカインなどの薬物の依存プロセスを分析するのに良いモデルだと思い始めている。
  • それはカフェインはコカインのように有害ではないけれど、人間の行動をコントロールするから。
  • コカインのように依存性はないが、毎朝スターバックスでちょっとした時間を楽しむ常連にとっては、コーヒーを飲むことが、もはや自動的な行動になっているから。
  • しかしいつ、どういったプロセスで禁断症状が出るほど依存してしまうかどうかは分かっていない。
  • どれだけカフェインをとっても依存しない人もいればすぐに依存してしまう人もいる。
  • ただし、カフェインは身体の中で、すぐに作用する。コップ1杯飲んだだけで、身体中の細胞に行き渡るといっても過言ではない。
  • 感情や気分をやわらげる役割としては、カフェインは人によってはたったの10 mg、つまりひとくちぶんのコーヒーでも十分だという。
  • そしてカフェインは身体から去るのも早い。だいたい12時間から24時間で消えていく。
  • 自分では気づいていなくても、禁断症状で、朝起きる人もいる。
  • カフェインは胆石やパーキンソン病に効くという研究結果も出ている(確実というわけではない)。
  • カフェインをやめたいと言う人は多いが、成功する人は少ない。
  • 多くの人は依存から抜け出せない、あるいは抜け出したいとは思っていない。
  • 世紀を超えて、いろいろな文化の中でカフェインが人気だった理由は、「それは薬物だから」。

ということです。私は1日に1杯どころじゃありません。朝は絶対コーヒーか紅茶を飲むし、ちょっとしたソーシャライズ(友達に会ったり、カジュアルなミーティングをしたり)をするにも、コーヒーを飲みながら、ということが少なくないし、夕ご飯のあとにはお茶やコーヒー、紅茶など飲みたくなるし、やっぱり中毒になってしまっているのかしら。うちのドリッピングマシンが、朝から設定された時間にコーヒーを作ってくれると、その香りで起きたりもするので、上の一部を読んでドキっとしてしまいました。そして、旅行にいって朝から「コーヒーコーヒー」と騒ぐ私。ちょっとだけ減らそうかな、という気分になりました。
いつも栄養のことを考える度に思うのは、「習慣化」してはいけない、ということです。どんな食品であっても、どんな飲み物であっても、「習慣化」というのが一番恐いな、というのを、いろいろな例を見て実感しているからです。どんなに身体に悪そうなものでも、1年に1回くらいだったら、身体はそこまで弱くないので割と戦ってくれるんです。どんなに健康に良さそうなものでも、毎日同じだけ同じ時間に食べていたら、「積もり積もる」のです。
栄養学というのは、「いかにバランスをとるか」というのが強烈に大事な学問なのですが、これまでのいろいろな勉強や研究で見えてきたのは、「身体は一撃には強く、力を取り戻すけれど、少しずつ、長期間をかけての攻撃には弱く、立ち向かえない」ということです。何か、「習慣になってきたな」と思える何かがあれば、考え直したほうがいいかもしれません。

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