しばらくぶりになってしまいましたが、栄養エッセイシリーズです。まだあといくつかあります。第1回の「栄養ってなあに」、第2回の「自分を知ろう」、第3回の「嫌いな物は食べなくてもいいんです」もどうぞ。1997年の私ってわりとエネルギーいっぱいだったんですね。(1997年6月:Masami’s Home: Nutrition「ヤセたーい。」より)
「やせたい」って思ったことありますか?「ない」って言い切れるヒトってきっと少ないだろうと思います。やっぱりやせてると既製の洋服がすっきり入ってちょっとかっこよく見えたりするだろうし、もしかしたら異性にモテモテになるかもしれない。いや、モテモテになることはないかもしれないけど、少なくとも今よりはモテるかもしれない。なーんて、考えたこと、ホントにないですか?
大半のヒト、特に女性は考えたことがあるはず。「もうちょっとだけふくらはぎが細かったらミニスカートだってショートパンツだってはくのに」とかね。ハイ、私はいつも思っています。特に「やせたい願望」が強くてすんごいダイエットをしてる、なんてことはありませんが、やっぱりミニスカートとか試着してみて、「やっぱりやーめとこーっと」とかならず、毎回思ってしまうのは「やせてないから」です。やせたいですよねー?
男の方はどうですか?お腹は25を過ぎたあたりからだんだんだんだん出てくるもの。あきらめてますか?テレビに出てくるさわやかな俳優さんなんてみて、自分のお腹を見てみると「コレがねえ」なんて思ったりしませんか?やせたいですよねー?
さて、これらすべての質問に、「別にやせることには全く興味はない」という答えを出した方。まだちょっと待ってください。つぎのステップをちょっとだけやってみてから、次の章に進んでくださいね。もちろん、「やせたい」方ももちろん、やってみてください。
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どうでしたか?あれ、標準だったよ、とか、あら、アタシったら標準以下だったわ、なんてヒトも結構いるハズ。もちろん、ちょっとオーバーするヒトもいるかもしれませんね。特に筋肉がたくさんある男性なんてちょっとオーバーすることもあるかもしれません。女性であっても、出産をしたあとの女性はちょっと体重が増えますので、もしかしたらオーバーすることもあるかもしれません。BMIはスポーツアスリートや、筋肉がたくさんある人には当てはまらない指数なのです。これはごく、一般的な人に当てはまるインデックス。
ここで考えなければいけないのは、栄養学の上では、食事のカロリー制限というのは「肥満」あるいは「糖尿病」と診断された人にのみ行うものだということです。もちろん、腎臓病や高血圧などの特殊な食事制限は別です。とにかく「カロリー」を抑えればいいという食事はその2種類がメインなんです。26.5以上の数値が出た方。あなたは、ちょっと食事を見直してみたほうがいいかもしれません。毎日の習慣からすこしずつ見直していきましょう。
ただし、それ以外の方。あなたは、カロリーを抑える必要ははっきりいってありません。若い方なら特にです。20から23という標準値のなかにはいったあなたは、もっとハッキリ言ってしまうと、カロリー制限のダイエットは「ごくわずかしか」効き目がありません。「まったくない」場合もあります。もっと制限してしまうと病気になりかねません。食事をへらすダイエットはこれからやめましょう。そして前回の「自分を知ろう」でもういちどしっかり自分の身体のことを確認して、健康的に生きましょう
でもね、私も現実を知っています。私はなんと、このBMI指数の計算の結果は19.776なんです。標準値以下です。見た目だって、私は決してやせていないし、上に書いたように、ミニスカートを試着して、だめだ、と、やめちゃうくらいの体型なんです。でも、やせたいんですよねえ。分かります。さて、それを解決するのは、食事制限ではありません。なんと方法は2コもあります。ひとつは「運動」、もうひとつは「食事制限」ではなく「食事変更」なんです。
これはやせたい「部分」を特定してやせるのに効果があります。たとえばお腹。毎日の腹筋だけで驚くほどひっこみます。簡単なんですよ。続けるのが大変なだけで。でも、食事をへらしてもお腹はひっこみません。これは本当です。足を細くしたい人、部分ヤセは難しいですが、有酸素運動は全体的に身体を締めます。「歩く」こと。しかも、毎日ゆっくり30分から1時間程度、ぼんやり歩くことが効果があります。「有酸素運動」というのは運動ですが、呼吸があがるほどではない、自分が疲れない程度の、上手に酸素を身体に取り入れる運動のことです。どれくらいが有酸素運動になるか、そのレベルは人によってまちまちです。たとえば毎日トレーニングをしているボクシングの選手にとって、縄飛びは有酸素運動ですが、普通に生活しているOLにとっての縄飛びは無酸素運動です。有酸素運動は英語でいうと、「エアロビクス」です。が、「あの」エアロビクスをしなければいけないワケではないですよ。もちろん、「あの」エアロビクスもなかなかいいんですけれど、家で柔軟体操をするのもエアロビクスですよ。何かコツコツと出来る軽い運動を「続ける」ということが大事なんです。何かうまい方法を考えて、「続ける」努力を始めましょう。
これは、今まで食べていた量を減らすのではなくて、食べていた「内容」を変えるんです。もっと分かりやすく言うと、「質」を変える方法です。バター炒めが好きな人は、植物油で炒めるのに変える、とか、あるいは外食が週に3回の人は週に2回にしてみる、とかお弁当を持参してお昼はなるべく外食をひかえる、とか。いろいろな方法があります。どんなふうにやせたいかによりますが、食事変更はなかなか難しいので、これも栄養士さんに相談するとかなり親切に教えてくれると思いますので利用してみましょう。私がいつも言うのは、お野菜をたくさん買うこと。野菜はわりと早く悪くなるので、いっぱい使わなきゃ!と思ってお料理しているうちに、その他の食べ物の摂取をいつのまにか減らします。買い物がチャンスです。そして生野菜ではなく、温野菜にして食べること。買い物のとき、スナックなどを買わない。買わなければ食べませんからね。そしてスーパーマーケットに行く前に、家でお茶を飲んだりして、お腹が空いた状態で買い物にいかないこと。結構これって大事なことなんですよ。
さあ、このページだけでは全てを知るにはもちろんたりません。実は私が言いたかったのは、「やせたい人はほんとうにやせる必要があるかを確かめなければならない」ということだったりします。一番いいのはまず、ヤセなければ不健康かどうかを、上のBMIでチェックしたあと、やせる必要はない、という結果が出て、それでもやせたかったらダイエットは慎重に始めたほうがいい、ということを覚えておくことです。男性の場合は、BMIの範囲以内であれば、ほぼ間違いなく、やせなくても大丈夫です。というのは、女の人のほとんどは、BMI範囲以内の体重であれば気にしないからです。食事のダイエットよりも、身体を鍛える方の自分磨きに頑張ったほうがいいと思います。
女性の場合は、これは私の意見ですが、旦那様や、本当に自分を好きでいてくれる彼氏さんがいる場合は、その人に正直に聞いてみるのが一番だと思います。「自分の彼女はカワイくて40 kg台でなければダメ」なんて豪語している、自分の顔と身体をタナに上げすぎてるアホ男以外だったら、多分、どちらかというと、ちょっとぽっちゃりしている方を好む男性が多いんですよ。ヤセる必要のない人がヤセても不健康なだけです。それでキレイになるんだったらそれでいいのかもしれませんが、健康を犠牲にしてまで美しさを求めると、だんだん美しくなくなる気がします。過食症、拒食症の人はもはや病気なので、その人たちは患者さんとして扱ったほうが良いので、この「ヤセる」「太る」議論からは全く外しますが、あまりにもヤセる願望を持ち続けると、そういった病気に簡単になってしまいます。テレビなどで見たことがある人も多いと思いますが、患者さんのほとんどが、自分の人生が不幸になったと言っています。しかも、求めた美しさがアレだったなんて悲しすぎます。「健康美」が一番なんですよ!
ごめんなさい。ブラウザによっては動かないことがあるんです。いろいろブラウザを持っている方は試してみてくださいね。 |