フリーで読めるNY Times、USA Today

全米の州立大学、私立大学の多くが参加しているという、メジャーな新聞社とタイアップした「フリー」ペーパーキャンペーンというのがあるのですが、我がWashington State Universityも例外でなくそのキャンペーンに参加していて、CUBと呼ばれる学生会館のカフェテリアにいくと、NY TimesやUSA Today、ちょっとローカルなSpokane Spokesman Reviewなどが、Evergreenと呼ばれる学生新聞がいつも置いてあるところの近くにどーん、と積み重ねられています。学生はNY Timesを除いて、他の新聞はタダでひょい、と持って行って好きに読んでいいことになっています。返す必要もありません。私はこれはスゴいことだなぁといつも思ってしまいます。NY Timesは$2/weekで登録すれば読めます。でも、読み終わった人は、ぽーん、と新聞をテーブルに残していってくれるので、それは自由に読んでいいのです。NY TimesなどはNYという名前がついていても、もはや全国紙であって、記事の内容もやっぱり特徴的だし（かなりデモクラット寄り）、私はWebでいつも見てますが、こうして手元でじっくり読めるのはすごく嬉しいことなんですよね。

このUSA Todayはカラフルで、NY Timesよりはどちらかというと娯楽的要素が多い気がします。でもどちらも、エンターテイメントリビューやクラシファイドなどまでもが、なんとなくちゃんとしていて新聞すべてが楽しめる感じ。この新聞が置かれるようになってから、私は教えているクラスが始まる3:10 PMよりも30分から１時間くらい早くセントラルキャンパスに歩いて行って、Sweet Sensationと呼ばれるコーヒースタンドでコーヒーを買ってこの新聞たちをじっくり読むのが楽しみになってしまいました。日本では新聞を読むのが楽しみだなんて思ったこともありませんでしたが、やっぱり単純に年をとっただけなんでしょうか、それとも多少は世界の動き（？）に興味がちょっとだけ出てきたんでしょうか。それとも、単純に、「タダだ！」という喜びでしょうか（多分コレ）。
でもやっぱりアメリカというのは物理的に大きな国なので、こういった新聞がたくさんある、というのはやはり良いことだなぁと思います。つまり、チョイスがあると、必然的に競争が生まれて、さらに必然的にクオリティがあがる、ということでしょうか。私がオンラインでよく読むニュースは、CNN、NY Times、LA Times、BBC News、Seattle Timesなどですが（他にもいっぱいブックマークはしているものの、残念ながら他のはあんまり読みません）、「ニュース」を知る目的で読むのははっきりいってGoogle Newsで十分なんですよね（日本語版Google Newsはこちら）。でもやっぱりHealthとかNutritionの記事が多いと思うLA TimesやNY Timesは私の興味と合っていて好きだし、マリナースしか興味はないの？とついつい思ってしまうSeattle Timesは時々我がクーガースの特集なんかもしてくれるので、シアトルは５時間も離れていても、半ローカルな新聞のような気配がして好きなんです。
まるで、「ミステリー小説がすき」とか「SF小説が好き」とかそんな「好き」のノリで選べる新聞というのが、いいですよね。そして、各新聞社も明らかに、その「色」を大事にしている気がします。記者さんの文体も、そして何より大事なことに、記事のタイトルのつけかたも、それぞれのカラーがあって面白いなぁと思ってしまいます。そして、私は前にも書いたことがあるかと思いますが、私が、本を「読む」ということよりも「所持する」ことが好きなのは、四角にキレイに切られた紙が整然と積み重なっている感じがとても好き、というのが大きいんですよね。本当の読書好きの方に申し訳ない気分になりますが本当なので仕方が無いのです。ですからウェブで読む新聞もいいけれど、やっぱりキレイにまとめられた新聞を手に持って、よいしょ、と広げながら読むことができる、というのはわりと至福の喜びだったりするのです。