美術館めぐり

今日は用事もなく、観光でもしようと決めていた日だったので、早起きして歩いて美術館めぐりをすることにしました。ホテルがアッパーイーストにあるので、あの有名なメトロポリタン美術館や、この建物を見るだけで行く価値があるといわれる、フランクロイドライト氏のデザインのソロモングッゲンハイム美術館がすぐ近くにあって、ホテルから本当に数ブロックで到着する近さなのが強烈に嬉しかったです。歩くのはあまり得意ではないので。

これが側面。かなり近くから撮ったので建物の全体像はこれでは分かりませんが、オフィシャルサイトをを見ると、全体像の写真が載っています。本当に、外から見ても、中からみても、楽しい建築物です。でも「美術館」としての機能性があるかどうかはちょっとだけ謎かも。

というのも、これが内側から撮影したもの。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、エキシビジョンはくるくるとまわりながら見るんですね。通路もわりと狭いので数人程度しかすれ違えないし、構造上ちょっと外側に行くと迷路のようになってしまっています。わたしが今日みたエキシビジョンは太古のメキシコ、アズテック帝国特集でした。いろいろな石の彫刻なんかあって興味深かったんですが、とにかく釘付けになったのはモザイクアートのようなもの。英語ではモザイクはモゼークと発音しますが、ターコイズのカケラなんかをせっせと張合わせてあるお面だとか、イアリングだとか、そういうアート。一番近い例を出すとすると、イースターで卵に色を塗って粉々にして、それでアートを作るような、そういうちまちまとした作業だと思います。それがゴールド、クオーツ、ターコイズ、シルバーなんかを使って、見た瞬間、気の遠くなるような時間がかかったことが分かってしまうアートですよね。キレイ、とかそういうこともあるんですけどそれ以上に、ほとんど、オタクの世界だな、と正直思います。

実は、ホテルで朝食もとらずに朝一番にこのグッゲンハイムに来たのですが、エキシビジョンを見終わった10時くらいには、周りの人にお腹の音が聞こえてしまうんじゃないかと思うくらいお腹がすいていて、美術館のカフェにはいることにしました。基本的にセルフサービスのカフェテリア形式になっているのですが、アペタイザー&サラダのところに、わたしの大好きなグリーンビーンが、グレイズドアーモンドと一緒になっていたので、大喜びしてそれを食べることにしました。食べてみたら、オリーブオイルとレモンで軽く炒めてある感じでした。おいしかった。あとは小さなズッキーニのキッシュといちごのスムージー。見た目も可愛かったので、写真を撮りたかったのですが、残念ながら、撮りませんでした。というのも、このカフェはテーブルの数がかなり少なく、結果的にわたしは一緒に列に並んだかわいらしい若い女の人と相席で座ることになったんですね。ですからカメラをかまえるのがちょっと恥ずかしかったわけです。

でも話をきいてみると、彼女はメキシコシティの大学の考古学の大学院生だとか!アズテック見に来るのもうなずけます。「どうだった?」と聞かれたので、「エンジョイしたけど、私は勉強不足であんまり良く分からなかった」という話をしたら、親切にパンフレットを見ながらいろいろおしえてくれました。一緒に廻れば良かった!といったら、「今からまた廻る?」と彼女は乗り気でしたが、アズテック難しいし(ヘビとかジャガーとか昆虫とかの彫刻はどちらかというとちょっとこわい)、もう半日で十分かも、と思ったので、「あなたも忙しいだろうしいいよ」と丁寧にお断りしたのでした。

さてお腹が落ち着いたら急に元気になったので、次はさっそくお目当てのメトロポリタン美術館に向かいました。ここはグッゲンハイムから徒歩5-10分というところ。同じアベニューにあるのです。そして建物が目に入るや否や、私はあっさり、英語で言う、いわゆる”Overwhelmed”の状態になってしまいました。メトロポリタン美術館はセントラルパークの一部にあるのですが、とにかく巨大で、この門構えを見た瞬間に、「これは絶対まわりきれないな」ということが分かるのです。

ということで入場料を払ったらすぐ、その入場料金に含まれているという、”Metropolitan Highlight Guided Tour”というのに参加してみることにしました。時間的にもちょうど良かったのです。そうしたらこの巨大な美術館の中から本当にちょっとだけ、とにかくハイライトな部分をまわってくれたのです。写真の右手の赤毛の女の人がガイドさん。アフリカの壷のお話をしてくれているところです。その他にも、昔メトロポリタン専属の考古学者(ハーバード卒)が偶然大発見をしたというエジプトの埋葬用の人形とか、中国庭園、日本茶室、ヨーロッパの鎧、ギリシャの彫刻、そしてあのアメリカの歴史アートで「ウソだらけ」で有名な、”Washington Crossing the Delaware”などまわってくれました。もちろん、モダンアートのピカソ、ダリ、セザンヌ、シャガールなども。ツアーは約1時間でした。

それからツアーで気になったメディアヴェルの家具を見たり、イスラム芸術を見たり、伝統の楽器を見たりしていて、ハっと気づいたらなんと夕方4時。美術館に入ったのは明らかに11時前だったのに、もう5時間もここで過ごしたのか!と思ってびっくりしたついでにまたお腹がすいたので、またカフェに入りました。食べたのはこのハム&チーズパニーニとガーデンサラダ(オリーブピクルスがすんごいおいしい!)、ネクタリン丸かじり、そしてコーヒーです。

そのあと、メトロポリタンの屋上に上がればセントラルパークが一望できたりして、と期待してルーフトップに上がってみましたが、甘かったですね。セントラル「パーク」というから公園だと思い込んでいるものなんですけれど、実は、これって森ですよね。木々しか見えず、地面はまったく見えませんでした。でも、上から見るとやっぱり、「うわー」と嬉しくなるものです。遠くにかすんで見える高層ビルもいい感じ。

それで思い切ってもう、美術館を出て、セントラルパークを散策してみることにしました。といってもセントラルパークも広大なので、ほんとにほんの一部、その美術館の周りに沿っている歩道を歩いてみただけなんですけどね。みんなそれぞれ、散歩していたり、ベンチで読書していたり、犬と遊んでいたり、ジョギングしていたり、きっと毎日のルーティンのようなものなんでしょうけれど、みんな、それぞれ余裕を持って楽しんでいるんだなぁとつくづく思いました。歩きながら私も自分のこと、研究のこと、家族のことなどいろいろと考えました。きれいな景色を見たり、楽しい経験をしたりすると、とにかくまず一番最初に思うのが、「ここにお父さんを、お母さんを連れてきたいなぁ」ということです。そして今回はAさんもいないので、「ああ、ここにAさんがいたら、もっといろいろ見て、いろんなところにいって、すごく楽しいんだろうなぁ」と心の底から思いましたね。Aさん、ひとりで遊んで悪いねぇ。いひひ。プルマンで研究頑張ってますか?

それにしても、セントラルパークはキレイですね。こうして紅葉も見ることができたし、いい散策だったと思います。でも、本当にほんの一部だけを歩いたのに、30-40分くらいかかってしまいました。一体どれくらい巨大なんでしょうね。ところで、途中、サッカーをしている少年達がいたんですが、丘の上に小さなエリアでやっていて、すごく楽しそうにしていたので私もベンチに座ってゲームを見ました。でも丘の上でボールを蹴っているため、5分に1回くらいはかならずボールがころころと転がって行って丘のかなり下まで誰かが取りにいかなければならないわけです。みんなそれを相手に押し付けようとして頑張っていてかなり微笑ましかった。「だったら最初から丘の下でやればいいのに」と思ってしまうのは私が年取ってしまったからなのかしら。子供達はそんなことはまるで全く考えにないようでした。子供って、「ここ」と決めたら、もうそれ以外ない、と思ってしまうものなのかもしれません。

しばらく歩いたら薄暗くなってしまったので、やっぱりどんなに治安が良くなったニューヨークとはいっても、暗い中ひとりで歩きたくないなと思って明るいうちにホテルに帰ることにしました。グッゲンハイムで出会った女の子が、このDean & Delukaというなんだか高級なデリのパウンドケーキがすごく美味しかったというので、私も真似して買ってみようと思って、帰り道の途中だったし寄ってみました。このあたりは向かいにはCOACHがあるし、すぐとなりにはOriginsやBanana Republic、J. Crewなどアメリカなブランドのお店がいっぱいあってちょっとしたモールみたいになっていました。デリの中は、それはもう、100種類以上あるチーズ、少なくとも50種類はあるフランスパン、見たことも聞いたこともないようなエキゾチックなサラダなどなどいろいろあって目の保養になりました。

で、これが戦利品です。結局お昼のパニーニを半分食べきれなかったので、持って帰ってきていたのでそんなにデリで買ええなかったものの、件のパウンドケーキはもちろん買いました。サイズが巨大。そしてアメリカではわりと珍しいストレートティ。そして、1年くらい前から流行っているらしい、ノルウェーのお水、Voss。テレビで見たことはありましたが、実際に見たのは初めてだったので嬉しがりで買いました。日本には当然のようにあるのかしら。そして真ん中がそのパニーニ。アイスティーの奥にあるのはチョコ&ヘーゼルナッツのビスコッティです。これはビスコッティ好きのAさんにお土産ということで買いました。

暗くなってから寝るまではホテルでぼーっとしているので、ホテルのエスプレッソをいただきながら、今日の行動、まとめてみました。これからはプルマンから持ってきた本を読みながらゆっくりしようと思います。

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