以前にわりとちゃんと対策について書いたつもりだったんですが、コンスタントに「TOEFLで点数を上げるには?」という質問をいただくので読み返してみたらあんまりポイントを突いたアドバイスではなかったような気がして、さらにちょっと日頃思っていることを書いてみることにしました。
でも、「TOEFL用の勉強」というのと「英語力の向上」というのは基本的には違うと思っているので、今回はかなり私の理想をあきらめて、かなり割り切って、「TOEFL力」の向上にポイントを置いてタンタンと私がやったことを書いておきますので、参考にする方はどうぞ。でもあまり本意ではないのはご了承くださいね。
まず自分の点数を書いておくことにします。私はCBTで273点、つまりPBTの点数になおすと640-643点です。8年もアメリカにいるので多分普通です。もっと頑張ればいいのに、と自分でも思います。これより高得点を持っている方はもう読まないでくださいね。私の経験はきっと参考にはならないことでしょう。
生まれて初めてTOEFLを受験したのは2年前で、点数はCBTで253点、PBTになおすと607-610点でした。1年後受けたら、CBTで267点、PBTだと630-633点になって、今年勉強を2ヶ月くらいして2年の合計で30点くらい上げたという感じだったので、「対策」としてはそんなに悪くなかったんじゃないかと思います(もちろんもっと努力すべきだったとは思うんですけど)。というわけで私がやったことをレシピ風に書いておきます。
予算:
参考書など:$70、受験料:$130で合計$200程度
用意するもの:
問題集、辞書各種(英英辞書、英和辞書など)、ノート、コンピュータ(インターネット上にある問題などを解く)
やったこと:
1. Full-Lengthの問題を時間を計りながら解く
2. 1の完全分析(やり方は以前書いたものを参考にしてください)
3. TOEFL参考書を使って弱かった部分から先にLessonを解いていく
4. 買った参考書に載っている全ての問題(例題なども「全て」)を分析をしやすいように”G”マークをつけながら(詳しくは以前のものを参考にしてください)解いていく
5. 私は動詞のto xxxとxxxingの使い方の特殊例に弱かったので、それをフラッシュカードに書いて覚えました(あんまり覚えられなかったけど、マシにはなりました)
6. Full-Lengthの問題を時間を計りながら解く(問題集などに載っているもの):2、3種類
7. 6の完全分析
8. 1と6を繰り返し、完全分析
こういう感じでした。私が思うに、ただ漫然と問題集を解いているだけでは点数はあがらないと思います。あと、これは私だけのポイントかもしれませんが、ノートにきれいに解いていかないと、あとで振り返ることができないので、そのへんの紙の裏に解答を書いていってもダメなんじゃないかと思います。だって、上のプロセスの中で、私が本当に勉強したなーとか本当に時間をかけたなーと思えるのは「完全分析」の部分なので。自分が何に弱いか、というのを把握する意味でも重要ですが、「同じ問題が出たら絶対間違わない」というのはそれなりにものすごく大事だと思うからです。
TOEFLに関して言えば、TOEFL力と英語力の両方が出てしまう試験なので、「本当の英語力」というのがはかれるかどうかは謎ですが、私は同じ年にTOEFLを2回くらい受けて、全く同じような点数だったので、結局ちゃんとした試験なんだなーと思います。せっかく対策して試験を受けるなら、その英語の勉強が、何かの入学試験などの意味だけではなく、自分の将来に役立つようになるといいですよね。
追記(10/22/2004):質問がいくつかあったので、それに関して追記しておきます。
Readingの点数を上げるには:
Readingとひとことで言ってもいろいろなのでコレといったアドバイスはできませんが、Readingは実は一番点数が取れるポイントだと思います。技術的にはこれはどんな参考書にも書いてあるとは思いますが、最初の画面では読まずにすぐにスクロールダウンして次へいき、最初の問題を先に読んでからじっくり本文を最初から読む、という方法は時間の節約にもなりますよね?あとは日頃から英文を読む練習をするくらいでしょうか。つまんない新聞などよりも、エッセイ集やちょっとした短編集などが練習にもなるし面白いと思います。実際に出る文章はエッセイのようなものが多いですしね。
Writingについて:
いかに自分の意見を簡潔にかけるかがポイントだと思います。S+V+CやS+V+Oを基調としたシンプルな文章のつながりが重要なので、やたらとクラウズ(what, which, whom, etc)を使うのはやめたほうがいいと思います。もちろん、確実に使い方が正しいと分かっていて、さらに文章上効果的な場合は使うと点数はあがります。トランジション(接続詞)をたくさん知っているとスムーズな文章が書けると思います。
また、動詞をたくさん知っていると簡潔な文章が書けるのは確かです。例えば、”I made a decision to give him a help.”という文章よりも”I decided to assist him.”のほうが書き文章としてはプロフェッショナルな印象だと思います。ただし、口語としては前者のほうが圧倒的によく使われることは前提の上です。このためには、私はシソーラス(thesaurus、類義語辞典)の小さいのをつねに机に置いて使っています。これは実は今でも、特に単純な単語を言い換えたい時に良く使っています。例えば、delayという言葉をひいてみると:
と、ズラリと載っています。でもこれで分かるように、例えばDelayを「あまりにも難しすぎる問題のため、あの人は決断を遅らせている」という意味で使うときと、「ライバル会社がわざとプロジェクトを遅らせている」という意味で使うときでは、類義語とはいえ、選ぶ単語は変わってきます。前者は”withhold”などを使っていいだろうし、後者はそれこそDelayという言葉とは全く違うかもしれない、”obstruct”を使ってもいいからです。こういうふうに、シソーラスを使うとさらに単語の意味を調べる必要が出てきて最初は大変ですが、慣れるとこれ以上役立つ辞書はありません。アメリカ人も同じで、私のAdvisorのValもいつも、シソーラスを使っています。オススメはWebster’s New World Thesaurusです。小さく、安く($5程度)、類義語のほかに、ちょっとですが反意語も載っていて便利です(アメリカで買う場合はWebster’s New World Pocket Thesaurus)。
あとは熱い気持ちで、エッセイを真剣に心を込めて一気に書き上げると楽しい&成功するんじゃないでしょうか。少なくとも、私は楽しいです。