My Life (Bill Clinton)
なんだかベタな本を買ってしまいましたが、勢いでヒラリーさんの本を読んでしまったので、なんとなくシリーズものかな、というような(全然ちがうけど)勢いで読んでいます。それにしても彼の選ぶ言葉使いが、「うううむ」と唸ってしまうほどのインテリジェンスを感じてしまうのは単なる先入観なのかしら。別に言葉が難しいとかそういうわけではなく、たとえば一行目にいきなりあるんですが、”I was born under a clear sky after a violent summer storm to a widowed mother in the…”というくだりで、ぐっと引きずり込まれた気分がします。え、生まれつきお父さんいなかったっけ、とか夏生まれなんだ、とかいうような普通の情報が、そのClear skyとViolent summer stormが入っただけでなんかすごい勢いでパキーンと伝わってくるような感じ。まあこんなの狙ってはいないんでしょうけど。写真もたくさんあってわりと普通に楽しめそうです。驚くほど分厚いですけど。
[ 洋書籍 | 日本語訳書 ]
追記:読み終わったので以下に感想を書いておきます。
最初はひやかし気分、エンターテイメント風に読み始めたんですが、すごく勉強になりました。この本を読まなかったらアメリカの政治なんて1%も分かってなかったでしょう。これを読むと5-10%はアップするはず。って少ないか。最後のところの本音っぽいところ(いままでやってきたことのいくつかは白紙に戻されるだろう、みたいなところ)は一緒に悔しい気分がしたほど。でもその前のブッシュシニアもそう思ったのかしら、と思うと面白いですよね。
たしかにボリュームはありますが、最初はセルフバイオグラフィなのでたいした難しさもなくスイスイ読めます。ガバナーになるあたりから徐々に難しくはなりますが、いつでも彼の人間関係の温かい話がくっついてくるので、なるほどーと思いながら読みました。小さい頃から仲良しだった立派になった人なんかを普通にそばにおいて一緒に仕事するんですねぇ。でもそうですよね。人間関係を穏やかにして仕事に集中するには信頼関係が大事だし、もちろんゼロから信頼関係を築いていってもいいんでしょうけど、すでにある信頼関係を利用しない手はないですもんね。こういうことって日本ではおこってるんでしょうけれど、なんとなく批判されそうな気配がします。そうでもないのかしら。
いわゆるスキャンダルの部分は特に面白い事も何もないのですが、任期の途中だったにもかかわらず、よくも任期満期まであれをこなしたなぁと改めて感心しますね。しかも謝りっぱなし。しかも世界に。どういう気分だろう。でも今までで最高の大統領の一人といわれているクリントン氏ですからね。有名税なのかもしれません。面白かったです。