TOEFLあるいはGRE (Verbal)をどうやって勉強するか

久しぶりの留学情報ですが、私は別にそんなにテストを攻略した!というような記憶は人生の中でも全然ないのですが、たまたまこうしてアメリカの大学院の博士課程にいるということで、良く、
「どうやってこれらのテスト(TOEFL、GRE)の対策をしましたか?」
「なるべく早く入学したいので、効率の良い勉強法を教えてください」
などなど、実は「そんなのあったら私の方が知りたいよ!」と思ってしまう質問を受けてしまいます。でも、多分TOEFLやGREを全く受けたことがない人よりは、多少は知っているかもしれないと思ったので、今回謙虚に答えてみることにしました。


私なりの対策を書きます。まず、これはTOEFLもGREも共通して言えることですが、まず勉強の前に、概要を知っておく必要がかなり、あります。というのも、数年前にPaper-Basedの試験はなくなり、試験形式も年々変わっているし、GREはAnalytical Writingというものが入って変わったどころか、もはや違う試験になっています。まずはウェブサイトをチェックしてください。
TOEFL
GRE
日本で生活していて、初めて留学のことを考えたりしている方は、英語ばかりのサイトを読んだことがないかもしれません。こうしてばーっと英語のテキストだらけのサイトを見てもちんぷんかんぷんかもしれません。でもこれを一生懸命読むことは明らかに第一歩です。このサイトを読めないのではTOEFLやGREでいい点はとれません。辞書を片手にでも、頑張ってくださいね。ちなみに、読んでおいて良いと思うのは、どういう形式なのか、時間はどれくらいか、料金、点数の配分、などなどです。必要な情報は今ぱーっと見ただけでも十分にこれらのサイトに載っています。
人に、TOEFLってどんなの?ときかれたときに、つらつらと、「こういう形式でこれが何分で、何点の配分で、」と説明できるくらいに理解したほうがいいと思います。
次に、いざ対策ですが、私は別に出版社の回し者でもなんでもありませんが、とりあえず、私が勉強するときには、ノートと教科書、という感じで机に広げなければ何も始まらないので、その教科書にあたるものが必要になります。古本屋さんでも、オンラインのUsed Booksでも、新しい本でもなんでもいいので、TOEFLやGREのワークブックを手に入れましょう。できれば、模擬試験が載っているものがいいですね。私はKaplanとかBarronあたりをおすすめします。また、リスニングの部分のあるTOEFLの対策にはやっぱりCDなどでオーディオのリスニングの問題が付録になっているタイプの本がいいとおもいます。また、上にも書きましたが、試験形式が年々変化しているのを考えると、せっかくなので新しい本を買っておいたほうがいいかもしれませんね。とにかく、現在の形式と同じ問題集を使うことをオススメします。日本語で書いてある問題集もたくさんあるかとおもいますが、私は使ったことはありません。いちいち、日本語から英語に変換していくやり方は効率的ではないと思うからです。あと、これには私の哲学的理由もありますが、それは後ほど。
それではここからはTOEFLとGREはVerbalにしぼってさらなる対策を書いてみます。
教科書が用意できたら、つぎにノートを準備します。これは個人の好みだと思いますが、私のことを信じてくださる方は、是非あたらしいキレイなノートを準備してみてください。
本とノートの準備ができたら、まず何も勉強するまえに、ひとつ、模擬試験をといてみます。用意した新しいノートの記念すべき1ページめをひらいて、きちんと、時間をはかりながら、こたえを書いていきます。自分の現在の実力を知るのはとても大事なことなので、正直に、何も見ずに、あまり深く考えずに、全ての問題をといてみます。このとき、まったく分からなくて、適当に推測で答えを選ぶことも多々あることでしょう。そのときは、その答えの横に、印をつけます。私は”Guessed”の”G”という頭文字を書いていました。これは、わりと大事だと思うのです。
次に採点です。このとき出た点数は、だいたい正確だと思っていいと思います。推測で書いた答えが合っている、あるいは間違っている確率は、実際の試験でも同じ程度の確率になると思えるからです。ここまでで、だいたい4時間弱くらい使ってしまったと思うので、その日は終わりにしましょう。この、模擬試験を全部といてみて、採点する、というプロセスすら、なかなかできることではないのです。結構疲れると思います。よく頑張った、と自分をほめて、もうその日はやめちゃいましょう。
次の日、すっきりとした頭でやる次のプロセスがすごく大事です。せっかく解いたこの模擬試験、同じ問題が万一本当の試験で出た場合は、ぜっっっっっっったいに確実に点数を稼ぎたいじゃないですか!確実に自分のモノにするために、ひとつひとつ見直します。解説を見ながら、なぜ間違えたのか、すべてをノートに記録します。
たとえば、Prepositionsの勉強をしていたとして、

The city where I grew up in is known for its extremely high crime rate.
という文章は間違っています。なぜなら、”where”には、”in”というprepositionはいらないからです。
The city that I grew up in is known for its extremely high crime rate.
これは合っています。”that”を使った場合は”in”は必要なのです。つまり、whereとかwhenなどをadjective clauseの中で使うときは、prepositionsはいらない、というのが結論です。

この種類の問題を自分が間違えたとします。そしたら、ノートに、

DO NOT use prepositions with “where” or “when” in an adjective clause!!!

とキッチリ書くのです。いや、別に日本語で書いてもいいですけどね。その場合は、

whereやwhenを使った形容詞節には前置詞はいらない!

と書くわけです。これで、whereやwhenが出てきたときに、自分の頭の中でピピピとくるようになるでしょう。私はこういう覚え書きには星印をつけていました。私のノートは順番もなにも、「問題をといた順」なので整理されていませんが、星がついたものはぱっぱっと見えるようになっているので、試験の前にさーっと見るときに便利でした。
でもね、正直に言うと、今の例題に限っていえば、私は実は感覚で問題を解いているのでエラそうなことは言えないのです。だってどう考えても、”where I grew up in”って聞こえがヘンなんだもん。まぁこれは私が長くアメリカにいるからそうなんでしょう。きっとみなさんも7年アメリカにいれば感覚で分かるようになりますよ。それまではノートに星印つけて頑張る方が早道ですね。
“G”とつけていない、「これは確実!」と思って解いた問題が合っていた場合は、その問題はそれ以上やる必要がないので、なにもノートに書く必要はないでしょう。ただ、それが間違っていた場合はかなり気をつけて見直しをしなければいけません。思い込みはわりと長引きます。早め早めに思い込んでいたことを訂正するクセをつけておいたほうがいいので、よく解説を読んで、しっかりノートに書き込みましょう。”G”をつけていたものは、合っていても合っていなくてもしっかりとチェックすべきだと思います。
次に、私だったら、お金が許す範囲で、実際に試験を受けてみると思います。上に書いたプロセスをやるだけで、多分、少なくとも20点くらい、最大で100点くらいアップすると思うからです。レジストレーションのプロセスとか実際の試験の雰囲気などを知るためにも、実際の試験を受けてみるのはすごくいいことだと思います。対策をするまえに、スケジュールしてしまうのもひとつの手です。ただ、GREは点数が平均されてしまうという話もあるので、そのあたりは慎重に。
それ以降は真面目に、あまり何冊も参考書を買わずに、ひとつの本を2回まんべんなくやるつもりで頑張ればかなりの点数アップにつながると思います。それ以上の点数アップには、実は悲しいことに、もっと時間が必要なのです。
すでにアメリカにいる人は、テレビを見ましょう。映画も見ましょう。本や雑誌を買ってじっくり読みましょう。日本にいる人も、インターネットをつかって英語のサイト(ニュースなど)をじっくり読みましょう。これらのことを、楽しんで、友達などと話題にできるようにできたら一石二鳥です。意識して前向きにこれらのことをやっていると(私の場合は特に読書が良かったと思います)、絶対に点数はあがっていくと思います。頑張ってくださいね(私もね)。
それではここからは、オマケで私のTOEFLやGRE (Verbal)に関するフィロソフィー。
日本の受験のことを考えると、試験の「対策」ってすごく大事ですけど、私はできれば、このようなテストを受けた自分の経験を無駄にしたくないと思っています。結論から言えば、もちろん、絶対無駄ではないし、人生なんて何をやっても絶対にそれは無駄になることはないというのは当たり前の話なんですが、最大限に利用したいと思っているのです。
TOEFLやGREの勉強をしてそしてその試験を受けてそれで終わりなんて、私はすっごくもったいないと思っているのです。その勉強したことを、自分の生活や人生に限りなく役立てたい。だから中途半端な勉強はしたくないのです。確かに、私はGREのためにいいかも、と思っていろいろなことを始めたかもしれませんが、それはGREが終わっても続いています。それは別に意識したことではなくて、せっかくたくさん単語を覚えたんだし、日常生活や自分の論文に使いたい。使うためには、たくさんその単語が使われている状況を見なければ自分のものにならない。
対策本にだって、英語で書かれている対策本を読むことでそれがたとえ、テストには出なくても自分のそれからの生活に役立つことは絶対あると思うんです。だから、上のほうで、私は日本語で書かれた対策本はあまりオススメしなかったんです。テストのためにならないから、ってテストに関係ないから、って無視していくのはもったいないと思うんです。それはあからさまな、「受験国日本」な考え方だと思う。
でも、確かに方法論として、試験の対策というのはとても重要なこと。それと、自分の知識としての勉強のバランスを上手にとっていきたい、というのが私の考え方なのです。それで両方伸びていったらバンバンザイじゃないですか!私も頑張ります。みなさんも頑張ってくださいね!
追記(10/15/2004):さらに質問をたくさんいただくので、補足として私がやったことを書いておきました。興味がある方はどうぞ。

3 Replies to “TOEFLあるいはGRE (Verbal)をどうやって勉強するか”

  1. Masami-san,
    なぜか家のコンピューターだと、上にある感想を選ぶところが文字化けしていて、エンコーディングをチェックしても変えられないんです。ユニバーサルなんとかっていうのになっていました。というわけで会社から書き込みしています。TOEFLのことですけど、参考になりました。私もそろそろまた受験してみようかと思いました。今あるのはオヨソ1年前の記録ですから・・・ちょうど5月に移り変わるときですから良い機会かもしれません、1ヶ月みっちり勉強して(今までにしたことが無い)テストに備えて、お誕生日プレゼントとして(私5月生まれなので)高得点を獲得してみようかしらと考えています。ちょっと怪しいですけど、何か頑張るのは良いですよね。期限つきで。先週末は友人とハイキングに行きました。6時間も山の中を歩き、昨日と今日は下半身筋肉痛に悩まされています。 気持ち良い季節になってきましたね。それでは失礼します。

  2. Shizukaさん:コメントありがとうございます!私もまたTOEFL受けようかなーと思ってます。エッセイが意外に楽しいですよね。ハイキングで6時間ですか!私にはきっとできないだろうなー。すごい。それにしても、このページにくると、右側の広告につい行ってしまうんですが、私のこんなウンチクよりもずっと役立つ情報がいっぱいな気がしてきます…。でも私なりに頑張ろうとおもいます。Shizukaさんも一緒にがんばりましょうね。

  3. 初めまして、こんにちは。今ワシントン州のコミカレで正規遊学しているものです。大学専攻、大学のロケーションで悩んでいます…。ワシントン州立のあるプルマンは寒いンですよね?あと、色々お伺いしたいのですが、まさみさんとご連絡とるにはここにコメントするしかないですか?宜しくお願いします。

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