今日の朝日新聞に載ってましたが、日本では妊婦さんの飲酒が軽視されていますね。実は、私の従姉が妊娠していたときに、「お酒はちょっとだったらいいんでしょう?」と言っていて、えええ?と耳を疑いましたが、なんとお医者さんが「カフェインはだめだけどお酒はちょっとだったらいい」と言ったらしいのです。ハッキリ言って逆す。もちろん、「これはどうかしら?」と思うものはだいたいやめたほうがいいのですが、どうしてもどっちかを、といえばカフェインのほうがマシだと、私は思っています。
アメリカは公衆の女子トイレには必ず、「妊娠とアルコールをミックスしないで!」と書いてあります。あれはアメリカの厚生労働省のような機関が頑張って配っているステッカーです。かなり高い教育効果があります。本当に、アルコールは胎児に良くないのです。
以下、記事を引用しておきます。
「1杯くらい、いいじゃない」。軽い気持ちで妊娠中の女性にアルコールを勧めていませんか? 若い女性の飲酒が増える一方で、飲酒が胎児に与える影響への認識は低い。そうした中で、市民団体が母子健康手帳に「禁酒」と記すことなどを国に要望、酒造業界も自主的な警告表示の検討を始めている。保健師らが母親学級で指導をするなど啓発の動きが広がっている。
◇酒造業者も呼びかけ
「胎児性アルコール症候群(FAS)は100%予防できます」。2月末、NPOアルコール薬物問題全国市民協会(ASK)と主婦連合会のメンバーは、厚生労働省や国税庁、食品安全委員会などに妊娠中の禁酒の啓発に取り組むよう要望書を出した。
FASは、妊娠中の飲酒により、生まれた子どもの発育や知能などに障害がみられる症状。欧米では60年代末から注目されてきた。
厚労省には(1)母子健康手帳の「飲酒をひかえる」という表現を「飲酒しない」と改める(2)FASの診断基準の整備と治療(3)保健医療現場での妊婦への指導や市民への啓発などを、国税庁には、酒類のラベルや広告に警告表示を義務づけること、などを求めた。
ASKは昨年11月、米国からFAS研究者のエドワード・ライリー・サンディエゴ大教授らを招き、国際シンポジウムを開いた。組織委員会には厚労省母子保健課も加わった。今成知美代表は「国の対応も少しずつ変わってきた」と話す。
背景には女性の飲酒の増加がある。総理府(当時)の世論調査によると、68年の女性の飲酒率は20代が24%、30代が22.3%だったが、87年は54.1%と58.9%に増加。00年の乳幼児身体発育調査では「妊娠中に飲酒した」女性が18.1%いた。
一方、横浜市鶴見区福祉保健センターが02年8月〜11月、4カ月検診に訪れた母親約1000人にたずねたところ、46.6%がFASを全く知らなかった。飲酒相手は、妊娠前、妊娠中、産後いずれも、夫がトップだった。
同センターは03年度から「母親教室」で試験的にFASの講習を導入した。保健師の滝口京子さんは「医師や保健師にも『少しなら』という人もいる。医療従事者がもっと認識する必要がある。両親学級などを通し夫にも知識を持ってもらいたい」と話す。
「妊娠を知らず飲んでしまった」という相談もあるが、「これからは飲まないで」と答えている。「どんなに後になっても飲み続けるよりやめた方がよいという報告もある。必要以上に心配せず、相談して」と滝口さん。
酒造業界も啓発活動に乗り出している。キリンビールは96年から配布している小冊子「お酒と健康ABC辞典」中で、「お腹(なか)の赤ちゃんも立派な『未成年者』」と妊娠中の禁酒を呼びかける。サントリーも「ママの休酒宣言。」「お母さんが飲むと、ボクも酔っちゃうよぉ。」など全国紙に新聞広告を出している。業界全体でも、ビール酒造組合が妊娠中の飲酒への自主的な警告表示を検討中だ。
国立療養所久里浜病院の樋口進・副院長は「日本では妊娠中の女性の飲酒はいけないという暗黙の了解があったが、それが崩れ、今後FASが増えるのではないか」と懸念する。「FASのメカニズムの解明は始まったばかり。国内でも調査し、治療やカウンセリングの態勢を整えることが必要だ」と話している。
シンポジウム報告書の申し込みなどFASの情報はASKのホームページへ。
◇過剰に心配せず慎重に
国立成育医療センター周産期診療部の久保隆彦産科医長は、「世界最大の妊娠と薬のネットワーク『マザーリスク』によると、ビール換算で1日8杯以上でFASの危険性が高くなるとされる。確かに大量なら悪影響があるが、少量の飲酒のデータがない現状では、慎重に対応するべきだ」という。
心配して相談にくる人もほとんどが少量で、「お酒はどうしても必要なものではないし、妊娠中だけでもやめたらどうですか」と話しているという。
厚労省母子保健課も「母親を追いつめないように」と慎重な姿勢を見せる。
母子健康手帳についても「次回の改訂時に検討する」というが、「すでに妊娠している女性が見る手帳で警告するより、妊娠する前の啓発や指導が重要」として、若い女性への教育や啓発を進めたいとしている。
〈FAS(胎児性アルコール症候群)〉 発育や知能に障害がみられ、頭が小さい、鼻と口の間の溝がはっきりしないなどが特徴とされる。日本では78年に初めて報告された。米国では出生児1000人当たり0.3〜2.2人とされる。日本ではその10分の1程度ともいわれるが、全国的な調査はなく、明らかになっていない。欧米では近年、外見上の特徴は認められないが、行動面などに障害を抱える症例の報告も増えている。
◇酒造業者も呼びかけ
「胎児性アルコール症候群(FAS)は100%予防できます」。2月末、NPOアルコール薬物問題全国市民協会(ASK)と主婦連合会のメンバーは、厚生労働省や国税庁、食品安全委員会などに妊娠中の禁酒の啓発に取り組むよう要望書を出した。
FASは、妊娠中の飲酒により、生まれた子どもの発育や知能などに障害がみられる症状。欧米では60年代末から注目されてきた。
厚労省には(1)母子健康手帳の「飲酒をひかえる」という表現を「飲酒しない」と改める(2)FASの診断基準の整備と治療(3)保健医療現場での妊婦への指導や市民への啓発などを、国税庁には、酒類のラベルや広告に警告表示を義務づけること、などを求めた。
ASKは昨年11月、米国からFAS研究者のエドワード・ライリー・サンディエゴ大教授らを招き、国際シンポジウムを開いた。組織委員会には厚労省母子保健課も加わった。今成知美代表は「国の対応も少しずつ変わってきた」と話す。
背景には女性の飲酒の増加がある。総理府(当時)の世論調査によると、68年の女性の飲酒率は20代が24%、30代が22.3%だったが、87年は54.1%と58.9%に増加。00年の乳幼児身体発育調査では「妊娠中に飲酒した」女性が18.1%いた。
一方、横浜市鶴見区福祉保健センターが02年8月〜11月、4カ月検診に訪れた母親約1000人にたずねたところ、46.6%がFASを全く知らなかった。飲酒相手は、妊娠前、妊娠中、産後いずれも、夫がトップだった。
同センターは03年度から「母親教室」で試験的にFASの講習を導入した。保健師の滝口京子さんは「医師や保健師にも『少しなら』という人もいる。医療従事者がもっと認識する必要がある。両親学級などを通し夫にも知識を持ってもらいたい」と話す。
「妊娠を知らず飲んでしまった」という相談もあるが、「これからは飲まないで」と答えている。「どんなに後になっても飲み続けるよりやめた方がよいという報告もある。必要以上に心配せず、相談して」と滝口さん。
酒造業界も啓発活動に乗り出している。キリンビールは96年から配布している小冊子「お酒と健康ABC辞典」中で、「お腹(なか)の赤ちゃんも立派な『未成年者』」と妊娠中の禁酒を呼びかける。サントリーも「ママの休酒宣言。」「お母さんが飲むと、ボクも酔っちゃうよぉ。」など全国紙に新聞広告を出している。業界全体でも、ビール酒造組合が妊娠中の飲酒への自主的な警告表示を検討中だ。
国立療養所久里浜病院の樋口進・副院長は「日本では妊娠中の女性の飲酒はいけないという暗黙の了解があったが、それが崩れ、今後FASが増えるのではないか」と懸念する。「FASのメカニズムの解明は始まったばかり。国内でも調査し、治療やカウンセリングの態勢を整えることが必要だ」と話している。
シンポジウム報告書の申し込みなどFASの情報はASKのホームページへ。
◇過剰に心配せず慎重に
国立成育医療センター周産期診療部の久保隆彦産科医長は、「世界最大の妊娠と薬のネットワーク『マザーリスク』によると、ビール換算で1日8杯以上でFASの危険性が高くなるとされる。確かに大量なら悪影響があるが、少量の飲酒のデータがない現状では、慎重に対応するべきだ」という。
心配して相談にくる人もほとんどが少量で、「お酒はどうしても必要なものではないし、妊娠中だけでもやめたらどうですか」と話しているという。
厚労省母子保健課も「母親を追いつめないように」と慎重な姿勢を見せる。
母子健康手帳についても「次回の改訂時に検討する」というが、「すでに妊娠している女性が見る手帳で警告するより、妊娠する前の啓発や指導が重要」として、若い女性への教育や啓発を進めたいとしている。
〈FAS(胎児性アルコール症候群)〉 発育や知能に障害がみられ、頭が小さい、鼻と口の間の溝がはっきりしないなどが特徴とされる。日本では78年に初めて報告された。米国では出生児1000人当たり0.3〜2.2人とされる。日本ではその10分の1程度ともいわれるが、全国的な調査はなく、明らかになっていない。欧米では近年、外見上の特徴は認められないが、行動面などに障害を抱える症例の報告も増えている。