The No.1 Ladies’ Detective Agency

20040212_ladiesdetectiveagency.jpgThe No.1 Ladies’ Detective Agency (Alexander McCall Smith)
くだらなさそうな(失礼)タイトルの本が続きますが、論文を毎日書く日々なので、こういうポーンと休める感じの本を選んでしまうのです。邦題は「No.1レディーズ探偵社、本日開業—ミス・ラモツエの事件簿〈1〉」だそうです。続編があるので、<1>となっているわけですね。なんだか、翻訳されていると、良い本だと思えて嬉しいです。読んだら感想書きます。
[ 洋書籍 | 日本語訳書 ]

追記(2/15):くだらなそうだなんてとんでもなかったです。チャプター1に、すでに深い感じのメタファーがあって、これは久しぶりにすごくいい本かも!!
追記(2/25):今日読み終わりました。感想は下に続きます。


最後にサクっとサプライズがあったりして、なんという気持ち良さ!サラリとしていて考えさせられ、ニコニコさせられ、この著者は天才ですね。久しぶりに、本当に読書を楽しんだ、という気分になりました。ワードチョイスもすごくステキです。
私がすきだったところを書き出してみます。

まずはいきなり7ページの下から7行目。
Everything you wanted to know about a person was written in the face, she believed. It’s not that she believed that the shape of the head was what counted – even if there were many who still clung to that belief; it was more a question of taking care to scrutinise the lines and the general look. And the eyes, of course; they were very important. The eyes allowed you to see right into a person, to penetrate their very essence, and that was why people with something to hide wore sunglasses indoors. They were the ones you had to watch very carefully.
私の好きなコートTVで、「ウソを見分けることができます」というおっかないFBIの捜査官が出てましたけど、彼を彷佛とさせるようでいて、なんだか柔らかい感じ。多分、Believedという単語を使っているからですね。
そして35ページの下から7行目。
That was enough time for her to learn all about right and wrong, although she had been puzzled – and remained so – when it came to certain other aspects of religion. She could not believe that the Lord had walked on water – you just couldn’t do that – nor had she believed the story about the feeding of the five thousand which was equally impossible. These were lies she was sure of it, and the biggest lie of all was that the Lord had no Daddy on this earth. That was untrue because even children knew that you needed a father to make a child, and that rule applied to cattle and chickens and people, all the same.
ここは、アメリカにすんだことがある人は思わずわはは、となるのではないでしょうか。やっぱりキリスト教はどこかアンタッチャブルなところがあって、マリアさまがバージンだったわけないとかそういうのは問いつめてはいけない気配がアメリカなどのキリスト教国家ではどことなくただよってると思うんですが、ラモツエさん、あっさり断言しちゃっています。しかもこれは子供時代の話なので、小さいときから、ヘンだぞ、と思っていたわけですね。うちの祖母が、あの戦時中の天皇陛下万歳の時代に、学校でうやうやしく紫色のふろしきにつつまれた教育勅語に学校全員がひれふしていたときに、一人で薄目を開けて見ていた、と私におしえてくれましたが、なんかそんな感じ。うちの祖母は、ラジオで、「日本が優勢!」という放送を聞き、「こんなにやられていて優勢なわけない」と一人でニヒルに思っていたらしいので、やっぱりそんな感じ。
そして43ページの上から2行目。
And underneath that, also typed, the title which the Museum itself had provided: Cattle Beside Dam. She stood rigid, suddenly appalled. This was not true. The picture was of goats, but they had thought it was cattle! She was getting a prize for a cattle picture by false pretences.
やっぱりスゴイと思わせる少女時代。
そして私が一番笑ったところ。121ページの下から6行目。
Mma Ramotswe shook Nandira’s hand. The young man smiled at her. “This is my friend,” said Nandira. “I don’t think you’ve met him.” The young man stepped forward and held out his hand. “Jack,” he said.
だめじゃーーーーん、ラモツエさん!!ぜんぜんだめじゃーーーん、とゲラゲラ笑わせてもらいました。でもそのダメさがすばらしい結末になっていてすっっっごく素敵。

そしてもちろん、最後の1行にはぎょっとしてきゃーーー!となりました。本気でオススメです他にも涙を流したり、笑ったりといいところばっかりです。ちょっとでも興味がある方は今すぐ洋書(USアマゾン)邦訳(日本アマゾン)を買って読んでみてください!私は絶対続きも読むつもりです。

4 Replies to “The No.1 Ladies’ Detective Agency”

  1. Masamiさんのページで見ていたのですが、最近になって、私の友人が薦めてくれたので読もうという気持ちに拍車がかかりました。今日早速買いに言ってきます。

  2. Shizukaさん
    これ、つい夢中になって読んでしまいますよ!描写もキレイで、アフリカなんて何もしらないながらも、想像が広がります。かなりオススメかもしれません!読んだら感想きかせてくださいね!

  3. この本Masami-sanのおっしゃっている通り、グイグイと引き込まれていきます。暇を見付けての読書のはずが、暇さえあればになりそうでちょっと注意。(笑)
    ミッドターム一つ終わりました。一つしかとっていないので、1つだけなんですけどね。
     ちょっと別件(アカデミックな話)でお話したいのですが、メールしても良いですか?
    静香

  4. shizukaさん:そうですよねー引き込まれます!こんなにすてきな本だなんてびっくりしました。メールお待ちしています。私に分かることであれば喜んで!

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