酒井邦嘉先生 et al.の研究についての、外国語習得も同じ「文法中枢」〜中1英語で双生児に相関〜という記事についてですが、平たく言えば、英語の文法知識の定着は、どうやら脳の文法中枢(著者命名)というところの機能変化によるらしいのですね。この研究ではフタゴちゃんの実験結果を元に、「フタゴちゃん」=「同じ遺伝子(同じ脳構造)&極めて似た環境」という仮定をした上で(というよりこれはもうすでに事実なのですか?)同じように英語を教えたところ、極めて似た、知識定着をしたという結果が出たわけです。これはつまりどういうことか。
つまり、英語の上達度も、遺伝と環境(この研究のaimするところは、特に遺伝でしょうね)によるということです。ああ、当たり前のようで悲しいのはなぜでしょう。私の文法中枢にもどこか限界があるに違いない。
ここまで考えたところで、ふとうちの姉のことを思い出しました。自慢するな、という感じですが、姉は身内である妹のひいき目を差し引いても、明らかに、異常に英語の能力が高い気がするんですよね。姉が英語の勉強を、必死になってする姿は見たことがないことを考えると、姉の文法中枢はかなり活動的なのでしょうか。そういえば国語も英語も、姉は素晴らしく成績が良かった気がします。
と、ここでオチがきますが、私と姉はGene Poolを共有した仲間ではないですか!この研究だと私の文法中枢も姉と高相関であってもいいはずではないですか!ということで、つまり要は私の努力不足ということですね。精進します。あ、でも双子と姉妹じゃ同じ脳じゃないか。結局意味不明になりましたが、以下、引用させていただきました。興味がある方はどうぞ。
研究概要
脳科学の進歩に伴い、人間の脳の活動を画像として捉える機能イメージングの手法を用いて、心のさまざまな機能の座が、脳のどこにあるかを調べられるようになってきた。しかし、言語などの高次機能の脳における発達メカニズムはまだ全くわかっていない。本研究は、第二言語である英語の習得過程に注目して、英語の文法知識がどのようにして定着していくのかという疑問に対し、当チームが平成14年に報告した「文法中枢」の機能変化として客観的に答えようとするもので、学校の授業における脳の発達過程を明らかにした発見は、世界で初めてである。
本研究では、第二言語の授業法の検討に役立てることを目標とし、英語の習得過程を脳活動の変化として捉えるために次のような調査を行った。附属中等教育学校の中学1年生の全生徒に対し、英語のヒアリング能力と文法運用能力の向上を促すトレーニングを2ヶ月間の授業時間に実施した。授業を受けた全生徒の中に含まれる双生児に対して、トレーニングの前後における脳活動の変化をfMRIによって計測した。
その結果、英語の成績(動詞の過去形のテスト)の向上に比例して、左脳の前頭前野(ブローカ野)に活動の増加が見られ、また、この活動変化は中学1年生の双生児で高い相関を示した。この脳の場所は「文法中枢」の一部であり、日本語による同様の課題で見られた活動の場所と一致する。大人での研究報告はまだないが、少なくとも中学1年生では、英語が上達すると、日本語を使うときに活性化した脳の場所と同じ場所が活性化すると考えられる。
このように、実践的な教育効果が個人の脳の学習による変化として、科学的にそして視覚的に捉えられたことは、意義深い。従来、授業の教育効果を測定・評価するときには、生徒を実験群(その授業を行うグループ)と対照群(その授業を行わないグループ)とに分け、その授業の前後で行う「確認テスト」の得点を統計的な計算(分散分析)によって分析するという手法が用いられてきた。しかし、統計的な手法では集団全体の教育効果を評価することはできるが、生徒個人の教育効果を直接的に測定することはできない。今回のfMRIを用いた方法は、個人の教育効果を直接的に測定する可能性を示すものとして、これからの教育の評価の方法やあり方に非常に大きな影響を与える可能性がある。さらに、研究のために特殊なトレーニングを実施するのではなく、日常の学習活動をトレーニングと位置づけて研究の対象とした本成果は、科学研究と学校教育の連携によって初めて可能になったもので、学校教育を対象とする世界初の脳研究である。今後、この先駆的な研究成果が突破口になって、言語の獲得機構の解明が進み、語学教育の改善につながることが期待される。
脳科学の進歩に伴い、人間の脳の活動を画像として捉える機能イメージングの手法を用いて、心のさまざまな機能の座が、脳のどこにあるかを調べられるようになってきた。しかし、言語などの高次機能の脳における発達メカニズムはまだ全くわかっていない。本研究は、第二言語である英語の習得過程に注目して、英語の文法知識がどのようにして定着していくのかという疑問に対し、当チームが平成14年に報告した「文法中枢」の機能変化として客観的に答えようとするもので、学校の授業における脳の発達過程を明らかにした発見は、世界で初めてである。
本研究では、第二言語の授業法の検討に役立てることを目標とし、英語の習得過程を脳活動の変化として捉えるために次のような調査を行った。附属中等教育学校の中学1年生の全生徒に対し、英語のヒアリング能力と文法運用能力の向上を促すトレーニングを2ヶ月間の授業時間に実施した。授業を受けた全生徒の中に含まれる双生児に対して、トレーニングの前後における脳活動の変化をfMRIによって計測した。
その結果、英語の成績(動詞の過去形のテスト)の向上に比例して、左脳の前頭前野(ブローカ野)に活動の増加が見られ、また、この活動変化は中学1年生の双生児で高い相関を示した。この脳の場所は「文法中枢」の一部であり、日本語による同様の課題で見られた活動の場所と一致する。大人での研究報告はまだないが、少なくとも中学1年生では、英語が上達すると、日本語を使うときに活性化した脳の場所と同じ場所が活性化すると考えられる。
このように、実践的な教育効果が個人の脳の学習による変化として、科学的にそして視覚的に捉えられたことは、意義深い。従来、授業の教育効果を測定・評価するときには、生徒を実験群(その授業を行うグループ)と対照群(その授業を行わないグループ)とに分け、その授業の前後で行う「確認テスト」の得点を統計的な計算(分散分析)によって分析するという手法が用いられてきた。しかし、統計的な手法では集団全体の教育効果を評価することはできるが、生徒個人の教育効果を直接的に測定することはできない。今回のfMRIを用いた方法は、個人の教育効果を直接的に測定する可能性を示すものとして、これからの教育の評価の方法やあり方に非常に大きな影響を与える可能性がある。さらに、研究のために特殊なトレーニングを実施するのではなく、日常の学習活動をトレーニングと位置づけて研究の対象とした本成果は、科学研究と学校教育の連携によって初めて可能になったもので、学校教育を対象とする世界初の脳研究である。今後、この先駆的な研究成果が突破口になって、言語の獲得機構の解明が進み、語学教育の改善につながることが期待される。