ついにアメリカでも1頭、BSE陽性だそうです。一体どこで、と思ったら私の住むワシントン州だったのですね。これはあくまでも私の意見ですが、やはりビジネスや政治などが混ざると、「安全性」を主張したり「危険性」を主張したりする時の意見が、極論になりがちですね。「絶対大丈夫!食べてみせる!」という感じ。サイエンスの世界では極論は、あるいは極論的な仮説は、世紀の大発見(0.1%)か、あるいは勉強不足(99.9%)と言われているので、こういうとき、「安全だ」とか「危険だ」とか言うのはサイエンティストにはかなり難しいことでしょう。
でも現実問題としてアメリカの食事には欠かせない牛肉だし、結局しばらくは避けても、なんだかんだ言って食べることにはなるのでしょう。最新の科学や医学をもってしても次々と未知のウィルスや病原体が現れるのは、つまり世の中は「そういうことになっている」ということなんでしょうね。以下に朝日新聞の記事を転載しておきます。
米国産の牛1頭、BSE陽性 組織採取し英で最終検査
ベネマン米農務長官は23日、記者会見し、米国北西部のワシントン州で飼育された牛1頭が牛海綿状脳症(BSE)に感染している疑いのあることが分かり、検査した結果、陽性だったと発表した。現在、この牛の組織から採取した標本を、英国の研究所に送って検査しており、最終結果が出るまでに3〜5日かかるという。米国ではこれまで、BSE感染牛は見つかっていなかった。日本政府は24日午前、米国からの牛肉の輸入停止を決めた。米国産は日本で消費される牛肉の約3割を占めており、日本の消費者にも大きな影響を与える可能性がある。
この牛はホルスタイン種で、食肉処理の際に歩けなかったことからBSE感染の疑いがもたれた。農務省は「成牛」としており、米ワシントンポスト紙によると「約12歳」という。今月9日に標本を採取、アイオワ州にある農務省の研究所で2度にわたって検査した。農務省は牛を飼育していた牧場を隔離し、原因究明などを始める。この牧場はカナダで今年5月に感染牛が見つかった牧場から100キロ足らず。ほかに感染の疑いのある牛がいるかどうかなどは、分かっていない。
牛肉はワシントン州内の2カ所の加工処理場に送られており、農務省が追跡調査している。ロイター通信によると、23日記者会見したワシントン州の当局者は、この肉について、「すでに消費されてしまった可能性がある」と述べた。農務省は「(感染源となりうる)脳や背骨などは検査の際に規則に従って取り外されている。感染牛であっても、牛肉自体が人間の健康に害を与えるという証拠はない」とし、ベネマン長官も「私は私のクリスマス・ディナーに牛肉を用意しようと計画している」と述べ、米国内で流通している牛肉の安全性を強調。そのうえで、「あらゆる適切な対応をとる」とした。
米農務省は90年からBSE検査を始め、今年は昨年の3倍にあたる2万526頭を検査した。ベネマン長官は「(今回の発見は)我々の探知プログラムが機能している証拠だ」と述べた。
今年5月にカナダでBSEに感染した肉牛1頭が確認された後、米国はカナダからの生体牛や牛肉、関連商品の輸入を禁止していたが、9月から牛肉の輸入を部分的に再開した。今回の件とカナダの感染牛について、ベネマン長官は「関連がある可能性は低い」とした。
参考:BSE 牛の脳がスポンジ状に変化し、全身がまひして死に至る病気。86年に英国で初めて報告された。病原体は異常プリオンというたんぱく質。これに感染すると、もともと脳にある正常なものが異常になって蓄積していく。異常プリオンに汚染された肉骨粉が流通し、牛が食べて感染が広がったとみられるが、はっきりした感染経路はまだ突き止められていない。
ベネマン米農務長官は23日、記者会見し、米国北西部のワシントン州で飼育された牛1頭が牛海綿状脳症(BSE)に感染している疑いのあることが分かり、検査した結果、陽性だったと発表した。現在、この牛の組織から採取した標本を、英国の研究所に送って検査しており、最終結果が出るまでに3〜5日かかるという。米国ではこれまで、BSE感染牛は見つかっていなかった。日本政府は24日午前、米国からの牛肉の輸入停止を決めた。米国産は日本で消費される牛肉の約3割を占めており、日本の消費者にも大きな影響を与える可能性がある。
この牛はホルスタイン種で、食肉処理の際に歩けなかったことからBSE感染の疑いがもたれた。農務省は「成牛」としており、米ワシントンポスト紙によると「約12歳」という。今月9日に標本を採取、アイオワ州にある農務省の研究所で2度にわたって検査した。農務省は牛を飼育していた牧場を隔離し、原因究明などを始める。この牧場はカナダで今年5月に感染牛が見つかった牧場から100キロ足らず。ほかに感染の疑いのある牛がいるかどうかなどは、分かっていない。
牛肉はワシントン州内の2カ所の加工処理場に送られており、農務省が追跡調査している。ロイター通信によると、23日記者会見したワシントン州の当局者は、この肉について、「すでに消費されてしまった可能性がある」と述べた。農務省は「(感染源となりうる)脳や背骨などは検査の際に規則に従って取り外されている。感染牛であっても、牛肉自体が人間の健康に害を与えるという証拠はない」とし、ベネマン長官も「私は私のクリスマス・ディナーに牛肉を用意しようと計画している」と述べ、米国内で流通している牛肉の安全性を強調。そのうえで、「あらゆる適切な対応をとる」とした。
米農務省は90年からBSE検査を始め、今年は昨年の3倍にあたる2万526頭を検査した。ベネマン長官は「(今回の発見は)我々の探知プログラムが機能している証拠だ」と述べた。
今年5月にカナダでBSEに感染した肉牛1頭が確認された後、米国はカナダからの生体牛や牛肉、関連商品の輸入を禁止していたが、9月から牛肉の輸入を部分的に再開した。今回の件とカナダの感染牛について、ベネマン長官は「関連がある可能性は低い」とした。
参考:BSE 牛の脳がスポンジ状に変化し、全身がまひして死に至る病気。86年に英国で初めて報告された。病原体は異常プリオンというたんぱく質。これに感染すると、もともと脳にある正常なものが異常になって蓄積していく。異常プリオンに汚染された肉骨粉が流通し、牛が食べて感染が広がったとみられるが、はっきりした感染経路はまだ突き止められていない。