パルーズの滝で恐怖体験

飛ぶように日々が過ぎていきます。今週の日曜日、前から行きたかった、Palouse Fall State Parkに行ってきました。朝日が登るころに行くと、エメラルドグリーンの滝が見えるというウワサの滝ですが、早起きはできなかったし、やや寒かったのでお昼過ぎに到着するように11時くらいに出かけました。PullmanのダウンタウンでSubwayのサンドイッチとチップスを買い込んで出発です。
いつもシアトルに行くときのように、26号線を西に走り、途中で標識があるので、そこから少し南下したところにそのPalouse Fallはあります。Pullmanからだと、だいたい1時間半くらいですね。この滝のことは、昔のお友達のAlexという人が教えてくれたのでした。到着して、わりとこじんまりとした芝生の公園が見えると、急にお腹がすいて、滝をチラリと見ただけですぐにピクニックテーブルを見つけてサンドイッチを食べました。たかがSubwayのサンドイッチですが、やっぱり屋外で食べるのはおいしいものです。


それから、おちついたので、滝を見るための展望台まで5分くらいゆっくりあるいて思う存分滝を見た、と思っていたら、滝がドーンと落ちている真横に人影がチラチラ見えるんですね!Aに、「あそこまで歩いていけるみたいよ!行ってみよう!」と言うと、「いいよ」というのでさっそくハイキング気分で歩いていくことにしました。といっても、実は私達は準備万端で、私は5年前に日本で買った、LL Beanのゴアテックスの登山靴を、Aは今年買った、REIの地質研究用のブーツを持って来ていて、しっかりそれに履き替えて歩きました。
最初は丘の道を歩いていただけだったのですが、そこから人が1人ようやく通れるくらいの急激な坂道(といっても草を踏み分けてあるだけ)をおりて、なんと貨物列車専用の線路におります。そこから20メートルくらい歩いて、さらに石がゴロゴロころがっているだけの、かろうじて「道」と呼べるかもしれない急激な坂道を下って行くと、ちょっとした水辺に辿り着きます。そこにはいわゆる、岩がゴロゴロしていて、その岩をひとつひとつ、よじのぼったり飛び移ったりしながら先に進みます。実は私はこのころ少し、この「滝の近くにいきたい」と言い出したことを後悔しはじめていたのでした。どこからヘビが出てきてもおかしくないくらいの岩場だし、朝日に映ればエメラルドグリーンの水も、よく見ればコケや泥で濁った汚い水だし。
しかも、すぐ奥に滝があるというのに、その水は全然流れている雰囲気がないのです。どういうことなんでしょう。でもせっかくここまできたから、ということで先に進みました。とにかく下だけを見ながら足を踏み外さないように気を付けて、せっせと歩いていると、パッと視界が開け、先を歩いていたAが、「そろそろだよ」と振り向いたので嬉しい気持ちで顔をあげると、眼下には、さっき展望台から見た滝つぼ(といっても滝そのものはそこでは見えない)がドーンと広がっていたのでした。もう少し奥に行けば滝つぼが見えるところまで辿り着くだろうと思って歩いていると、人の声がたくさんしてきました。そこには信じられないことに、5〜6人のアメリカ人の若者がいて、滝の手前で水がたまっているところで高飛び込みなどをしていたのでした。もちろん滝そのものは200メートルくらいあるので飛び込んだりしたら即死ですが、上にも書いたように、その滝はどういうことになっているのか、滝として下に落ちる以前の水に、あんまり流れがなく、その水たまりのようなところはいわば、天然のプールのようになっているのでした。
その人たちがあまりにも無邪気に遊んでいるのでわたしたちも軽い気持ちでさっさと下におりようとして、チラリと滝つぼが見えた瞬間、私は凍りました。完全に。腰が抜けたとも言うかもしれません。先におりた、Aが座っているところが、実は滝の真上で、滝が落ちはじめる部分から約5メートルくらいしか離れていないところだったのですが、ここは日本ではないですから、フェンスもガードしてくれるものも何もなく、ツルっと足をすべらせればそのまま落ちていけるようなトコロだったんですね。その状況を把握してから、私は1ミリも動けなくなってしまいました。写真をとろうと思って、デジタルカメラを手に持っていたんですが、写真どころではなくなって、本気でこのままずっとここにいるのかもしれない、と思いました。恐怖ってああいうのだったんですねぇ。八景島でブルーフォールという乗り物にのったときは、本気で怖かったと思ったんですけれど、これに比べると、どうってことないかもしれませんね。というよりあんな人工の乗り物なんて安全そのものといった感じかも。
実はそのときAも密かに怖かったらしく、私が話し掛けても、まったく視線が動いてませんでした。慌てたような感じでそこから立ち去って、私にもはやく登ってくるように、と言いましたが私はつまり腰が抜けていたので登れるわけがありません。「あわわわ」というような声にならない声を出しながら怖がっていたのを自分でもしっかり分かっていたのでこうして無事に帰ってきた今となっては死ぬ程おもしろいです。それはもう、ものすごい怖がり方でした。Aが、「いいから、とにかく下をみないでゆっくり登ってきてごらん」とか「立ち上がらなくていいから座ったままで徐々に登ってきていいから」とか真剣な大声で私に言っていたのも、今思い出すと最高に面白いです。だってこういうセリフをAはそれぞれ5回ずつくらい言ったから。Aも真剣に怖かったみたいですね。そしてどうしたかというと、私は腰が抜けたまま、お尻を高くあげたような四つん這いで1センチくらいずつ登りました。あああああー面白い。あの情けないのぼり方を思い出しただけで、5分くらいは笑えます。しかも、ずっと「こわいこわい、あわわわ」というような情けないことをつぶやいていましたから。
登ってくるあいだ、Aが、「落ちないでね、絶対に」と何度も何度も言って、私が、「ウン、ウン」と何度も答えたんですが、それも面白いです。「落ちないでね」ってスゴいですよねー。落ちたら終わりなのに。とにかく安全なところまで登って安心して、写真をいくつか撮りました。実は私はあんまり「怖がる」ということをしないタイプなので、自分でも今回は大発見でした。大袈裟ですけれど、死に直面した気分。本当に怖い時というのは、本当に全く動けないんですねぇ。。。とはいえ、実は私達が行ったところはそこまで危険なところというわけではなく、いろんな人が行ったことがあるところです。ただ、私が異常におびえただけ、という感じ。それにしても、「あわわ」と言いながら四つん這いで登った自分の姿を思い出すと笑いがとまりません。面白かった!!またああいった小冒険のようなことをやってみたいです。
帰りに、せっかく水着を着てきたから、ということで少し水辺で遊びました。怖かったせいで、ヘンな汗をいっぱいかいていたのでさっぱりして気持ちよかったです。
土曜日は何をしていたかというと、フットボールです。そうです始まってしまいました。NCAA。今年のクーガースも弱いみたいですが、私は変わらず応援し続けます。土曜日はスタンフォード(去年のリーグチャンピオン)との試合で、ボロ負けが予想されていたにもかかわらず、24-10でなかなか頑張りました(つまり負けた)。でもタッチダウンをとってくれただけ嬉しかったです。その日は特に冷え込んで、さらにナイトゲームだったので観戦はちょっと辛かったですけれど。
昨日は教えているクラスが始まりました。3時間かかるところが2時間で終わってしまって、「あれ?」という感じ。「なにか忘れているかも?」と思ってしまいました。でも全体的にうまくいったと思います。あーでもいつも1回目はみんなが無口なので「うまくいった!!」という気分にはなかなかなりませんね。木曜日も頑張ろうと思います。今日は金曜日のプレゼンテーションのためにせっせと準備します。来週にはコミッティミーティングも予定したのでその準備もしなくちゃ。頑張ります!

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