キャンパスで起こった暴動事件

サボってはいけないと思いつつも、しばらくぶりになってしまいました。もちろん、試験で大変だった1週間もあるのですが、春学期が終わってほっとしたのもあってしばらく遊んだりしてました。いろいろあったので書きますね。
まず、うちの大学で大変な事件がありました。私がこうして日本のみなさんにまで広めたりするのもどうかと思いますが、まあ、読んでくださる方は限られているし、私の記憶の新しいうちに書いたほうがいいと思うので書きますが、暴動があったんです。それも、生徒達による暴動。全米のユニバーシティには、グリークと呼ばれる集団があって、男生徒はフラタニティ、女生徒はソラリティと呼ばれる建物(シェアハウスのようなもの)に住みます。規則はかなり厳しく、タテ社会なのもあるのですが、コネもたくさんあって就職などに便利なので、人気は高く、そこに住むにはかなりのインタビューなどを受けて晴れて、グリークの一員になれるんですね。


何故グリークと呼ばれるか、というと、それぞれのフラタニティ、ソラリティには、ギリシャ文字の呼び名がついているからです。だいたい、2文字から3文字のギリシャ文字で、シータ、ガンマ、オメガ、カッパ、パイ、などなどです。だから、例をあげると、「シータオメガカッパ」というような名前がつくわけですね。それらの人達は、シータオメガカッパと書かれたTシャツまでつくって誇りに思っているわけです。団結力といったら、その建物だけでも強いのですが、全体のグリークとしての団結力も相当なものです。パーティはみんなでやるし、その規模といったら想像を超えるくらいのもの。
今回、そのグリークの生徒たちが暴動(ライオット)を起こしてしまったんですね。もう、大変です。私から見た、グリークの生徒たち、というのは、はっきり言って「遊び人でちゃらちゃらしている」といった感がつよいので、「やっぱりか」という気持ちですが、アメリカでは21歳以下はアルコールを飲んではいけないのに、19歳、20歳くらいの生徒たちがお酒によっぱらって、外で飲んで、プルマンのコロラドストリートという通りでは大騒ぎになってしまったんですね。その数、総勢100人から200人です。まあ、それだけならよかったのですが、あまりに多数の生徒たちが通りを歩いていたため、車の通行の邪魔になり、とうとう事故が起こってしまい、ポリスが呼ばれたんです。当然、その状況を見たポリスはそのパーティを中止しるように、みんなに注意を呼びかけますよね?
そしたら、よっぱらって気持ちが大きくなってしまったのか、数人の生徒が、もっていたビールのビンやカンをポリスに投げ始めました。そして、ポリスの中にはケガをしてしまうヒトもあらわれて、事態はどんどん最悪になり、最後には武装したポリスが出動。それでも生徒達はお酒を飲むのをやめず、近くのバーガーキングの窓ガラス(1枚約10万円だとか)を3枚たたきわって中にはいり、その辺のものをコロラドストリートまで持ち出して、火をつけたんです。これが、犯罪と言わずして何なんだ、というようなことになってしまったんですね。
その悪夢のようなパーティは明け方には終わったんですが、夜明けがすぎて、テレビをつけてみると、全米で「WSUで暴動」というニュースがトップで流れていました。なんて情けない。うちの大学からオフィシャルでながれたe-mailニュースが2コありますので、詳しく知りたいかたは、一番したまで読んでみてください。そのニュースの英語を日本語に訳してみましたので日本語で読めます。
まあ、そんなこんなでそのあとの1週間はテレビが来たりしてキャンパスは騒然としていたのですが、そんななかで期末試験は行われて、私は相変わらずものすごい量のペーパーに追われ、試験に追われ、すべては木曜日に終りました。今回は今までの学期に比べてかなり勉強をしたので、成績もかなり良くなった様子。ホッとしました。それにしても、せっかくローズボウルに出場して有名になったのに、こんなことで悪名を高めるなんて、がっかりです。
そのあとは買い物に行ったり、模様替えをしたり、となにもしない週末を過ごしました。そうそう、映画にも行きましたよ。「ディープインパクト」です。隕石が地球にぶつかる、というあのテーマの映画です。マイケルジャクソンが、潜水艦を購入したので有名ですね。スピルバーグがエグゼクティブプロデューサーで、ミミレッダーが監督です。スケールは確かに大きな映画でした。なかなか楽しめましたよ。
バーベキューなんてのも楽しみました。明日からは、サマースクールが始まります。ちょっとお遊び気分を兼ねて、中国語、テニス、天体学、人類学、インテリアデザイン、などを取る予定です。成績をあげないといけないので、それでもやっぱり大変かもしれませんが。

事件の概要が分かるメールを2つです。まずは5月4日に届いたメールから。私の和訳はあくまでも意訳です。直訳しすぎているところは、ちょっと大事なところ。
COUGNEWS SPECIAL BULLETIN
Monday, May 04, 1998
Dear Cougar,
As many of you know, a very serious disturbance involving WSU students and law enforcement officers occurred early Sunday morning. Many Cougars have expressed concern and requested information following national media coverage of the incident. For that reason, we are sending this special edition of CougNews.
たくさんの人が知っているでしょうが、WSUの生徒や法的施行力をもったオフィサー達を巻き込んだとても深刻な騒動が日曜の明け方に起こりました。たくさんのWSUの生徒が関連を明らかにし、全米のメディア記事から事件の情報を求めています。その理由から、こうして特別にクーグニュース(学内e-mailニュース)を送っています。
What follows is a summary of the incident and a statement from President Samuel Smith. All is quiet on campus today. The area on Colorado Street is cleaned up. Since early yesterday morning and continuing today, student groups have met to express shock and dismay and, most importantly, to commit themselves to strengthening their roles as leaders and ambassadors for the school they care about.
以下のものが事件の概要と学長のサミュエルスミスの言葉です。すべては今日、キャンパスで発表されました。コロラドストリート(事件のあった通り)は掃除が終りました。昨日の明け方から今日にかけて、学生グループは集まり、ショックと狼狽を表わし、さらに重要なことに、彼らの学内でのリーダーや代表としての役割を強化することを決意しました。
At approximately 12:30 a.m. Sunday, May 3, City of Pullman police officers were called to a car-pedestrian incident on Colorado Avenue in a residential area adjacent to WSU. Some 100-200 people, many apparently WSU students, were involved in a party in the area.
5月3日、日曜日のだいたい夜中の12時半頃、プルマンの警察官たちは車と歩行者との事故があったということで、大学の寮の立ち並ぶエリアであるコロラドアベニューに呼ばれました。100人から200人、ほとんどがWSUの生徒たちでしたが、そのエリアでパーティを行っていました。
Beer cans and rocks were tossed at the officers by a small number of individuals in the crowd, causing the officers to move back. That incident drew several hundred more onlookers. Three or four fires were set in the street.
集団の中の少数がビールのカンや石などを、警察官に投げ始め、警官たちは下がらずをえなくなりはじめました。その事件に数百人のヤジ馬が集まり、通りの3、4か所で火がつけられました。
Small amounts of water, smoke and tear gas were used to peacefully disburse the crowd, but these methods were not effective. Plans for additional use of tear gas were put in place but proved to be unnecessary. By 5:45 a.m. the crowd had disbursed on its own.
平和的にその集団を引き払わせるために、少量の水と催涙ガスがその集団にむかってまかれましたが、効果はありませんでした。もうすこし催涙ガスを使うというプランも考えられましたが、結局必要ないだろうということになりました。明け方5時45分までにはその集団は自主的にひきはらいました。
Estimates of damage are not available at this time. The primary damage appears to be broken windows in several buildings and windshields of several cars and city vehicles.
損害がどの程度かは、今の所わかっていません。主な損害はいくつかのビルで割られた窓やそのシールド、数台の一般車や市の車などであることが分かっています。
A total of 23 officers sustained minor injuries and went to Pullman Memorial Hospital for treatment. Their injuries included a fractured ankle, a sprained thumb and abrasions. As of 9 a.m., there were reports of two students going in for treatment. By today, 18 students had been treated and released.
全員で23人の警察官が軽傷を負い、プルマン記念病院に運ばれ治療をうけました。彼らのケガは足首の骨折、親指の捻挫や、すりキズなどです。午前9時現在、2名の生徒が治療を受けにいくことが報告されています。今日までのところ、18人の生徒が治療をうけ帰宅しています。
The Pullman Police Department was assisted by WSU, Colfax and Moscow (Idaho) police; city, WSU and Rural District 12 fire departments; Whitman and Latah (Idaho) County sherriff’s departments; and the Washington State Patrol. A small contingent from the National Guard was activated and placed on alert to provide back-up support if needed.
プルマン警察署はWSUとコルファックス警察署、モスコウ警察署によって支えられており、市、WSUをふくむ12の消防署、ウィットマンとラタア群の派出署、ワシントン州パトロールなどからなっています。ナショナルガードから、少数の派遣団が来て必要なときにバックアップをすることになっていました。
City and university officials including Mayor Mitch Chandler and WSU President Samuel Smith were on hand with police officers during the night to monitor the situation and assist in decision-making.
市長、ミッチチャンドラーを含む市と大学の役員とWSUの学長、サミュエルスミスはその夜のあいだ、警察官達に協力し、その状況を観察、決断を助けるなどしました。
President Smith issued the following statement Sunday on behalf of WSU following the incident:
学長スミスはその事件について、以下のコメントを述べています。
“All of us at WSU share in the dismay that an isolated incident involving students can portray the WSU community in such a negative light. WSU Pullman has 17,000 students; only a small percentage of those students were involved in the activities this weekend. I want to take this opportunity to recognize those students and community members who assisted us in containing damage both to property and individuals. I also commend the law enforcement personnel who demonstrated great restraint.
「WSUの私たちみんなは、この生徒達を巻き込んだ事件がWSU界隈を、マイナスイメージとして象徴しかねないことに狼狽しています。WSUプルマン校には17000人の生徒がいて、ものすごく少ないパーセントのそれらの生徒達がこの週末その事件に巻き込まれています。私はこの機会にその事件を起こした生徒たちやこのようなダメージのを与えた住人などを、個人的に確定していきたいと思います。私はまた、今回、素晴しい自制心をもってくださった警察官(法的施行力のある方々)を賞賛したいとおもいます。
As we enter a week of celebration of the achievements of our graduates, it is important to remember that WSU has been and will continue to be an institution that cares about its community and its students.”
これから祝賀と目的到達の象徴である卒業式週間に入るのですが、WSUは今までも、そしてこれからも、プルマンコミュニティと学生達を大切にする組織でありつづける、ということを覚えておくのは重要なことです。」
On Monday, President Smith again praised all the law enforcement agencies and fire departments that responded for their extraordinary professionalism and restraint. He said their efforts meant that a serious disturbance did not become a tragedy.
月曜日、学長スミスはまたさらに、法的施行力をもつ人、組織、特に素晴しいプロらしさと自制心を見せた消防署などを賞賛しました。学長はその彼らの努力はこの深刻な騒動をついに悲劇に導くのを防ぐ意味があったと言いました。
President Smith also indicated WSU is taking immediate steps in response to the incident. “We have begun the process necessary to suspend the one or more fraternities which appear to be involved and to suspend the students involved.”
学長スミスはまた、WSUはこの事件に対して即座に行動をとっている、ということを示しました。「私たちはひとつ、あるいはもっとたくさんの事件に関連したフラタニティ(グリークの住む建物のこと)と、事件にかかわった生徒達を差し押さえるというプロセスを始めました。」
まずは、ここまででした。つぎに、5月7日に届いたメール。またまた意訳です。
COUGNEWS SPECIAL BULLETIN
THURSDAY, MAY 07, 1998
UPDATE ON MAY 3 INCIDENT
What follows is a news bulletin released at 9 a.m. today by WSU President Samuel H. Smith, announcing the beginning of disciplinary proceedings for fraternities and individuals who have been identified as having possible involvement in the recent WSU melee. During the news conference, assistant dean of students Cindy Empey also reported that 25 individuals –Greek and non-Greek –have been notified that they will face conduct hearings that may lead to suspension or expulsion, and that as investigations continue, more students likely will be notified.
学長スミスによって、今日、以下のニュースが午前9時に発表され、乱闘騒ぎに関わったと思われる、フラタニティや個人にたいする処置のプロセスが始まったことが明らかにされました。このニュースカンファレンスの間、学生の副学部長、シンディエンペイはまた、25人の個人(グリークもグリークでない人も)が、彼らは差し押さえなどに合うことになるということを知らされ、調査が続けられるにつれ、さらに多くの生徒たちが同じように知らされるであろうことを発表しました。
President Smith also stated that while this has been a very difficult time for WSU, he is extremely grateful to the students, parents, and alumni who have written in support of the University’s “zero tolerance” stance.
学長スミスは、今の時期はWSUにとってとても困難な時期であることを表明し、今まで学長の「ゼロトラランス方針(いくら自分の学校の生徒であっても甘やかさない、という主義)」に賛同してくれる旨の手紙を書いてくれた生徒やその両親、卒業生などに感謝の意を表わしました。
Several readers of our first update questioned whether WSU was downplaying the situation. WSU summaries are a compilation of reports from the official sources involved and are based on the most accurate information available at the time. Our first report was drafted during the earliest hours after the event, and thus the headline may have misrepresented the seriousness of the situation. WSU’s role throughout this very difficult and intense time has been to provide accurate information – without downplaying or inflaming – as a service to both our students, our alumni and parents, and to the public.
始めのアップデートの数人の読者が、WSUはこの状況を軽く見ているかどうかを尋ねてきました。あの時点での概要は、公的な部署が完成させた報告書からのもので、それらの情報は発表するのに一番適していました。始めのものは事件からすぐに発表されたため、ことの深刻さを伝えるのにはあまり適していなかったかもしれません。このとても困難な時期においてのWSUの役割は、学生と卒業生の両方へ、またおおやけへのサービスとして、適した情報を、事件を軽視したりあおったりすることなく伝えるものです。
以上がCougNewsというe-mail学内ニュースが送ってきた内容です。いかがでしたか?是非、この深刻な事件に対する意見をお聞かせください。

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